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台風が通りすぎた次の日は 朝も風が冷たくて、下り坂ですれ違う風は、 少し寒いとさえ思った。 チェーン取り替えたての自転車で 町にひとつしかないスーパーに 寄ったあとの帰り道、 20時前の道は真っ暗そのもので、 自転車の無灯火が 良くないとされる意味がはじめて解かった。 帰りのピークは大体16時を過ぎたころから 18時半くらいまでだから、 車の通りも比較的少なくて、 たまに、真横を横切る車は ハイビームを装備していることが多い。 真正面からの車は私の存在に気が付くと それを
職場にたどりつくまでの最後の坂道、 気合を入れてペダルを漕ぐと オモイキリの良い音が足元で鳴った。 信号が変わらないうちに 冷静に向こう側へ渡る途中 振り返ると案の定チェーンは綺麗に切断されていた。 今日は会議が重なって、 お昼休みもほぼ存在しないようなものなのに、 とりあえず誰に聞いたら直す場所がわかるのかを 考えながら駐輪場に自転車を止めた。 はじめに会った職場のお姉さんに 今朝の自転車の件を相談すると 「それは大変!」と 自転車屋さんを教えてもらうだけにとどまらず、
「先週の中日2日くらい、 もうどうにかなりそうで 夜中に泣きながら友達に電話しましたよ」 笑いながら、 事後報告でも弱音のようなものを 吐けるようになったのはここ最近の話で、 2カ月かそこらへんで仲良しになった ひとまわりも異なるお兄さんたちは 「そらそうやろな」 と、慰めとはちょっと違うニュアンスで 一緒に笑いとばしてくれた。 ******* 「先週末は友達が遊びにきてくれたんです」 どちらかというと、 明るい話を改めて振ると、 「あれやろ、心配してその子、