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離婚の文字が頭をよぎった時

私が、元夫の不倫相手と連絡を取り合うということには、やはり抵抗も強くて,そりゃそうだわ、私もA(不倫相手)も一応傷ついてるし、同じ男に傷つけられたという共通点以外での接点は特別必要もなくてですね。
なので義妹がAとやりとりをしてくれました。

しばらくしてからの夜,元夫が仕事で遅くなるとわかっていた週末だったと思うけど、義妹がAを駅まで迎えに行ってくれ,我が家にご招待しました。
子供達は上の寝室に寝かせています。
Aの靴を隠し,リビングで3人で、静かに話しながら,玄関の物音に耳を澄ませていました。

帰ってきた元夫がリビングのドアを開けると,そこに3人の女。
それぞれの顔を一瞬みたあと、観念したように、顔を下へ向けて,そっとドアを閉める。

義妹が,
座れよ
と、もう一つ空いてる椅子に兄を促す。

Aは泣きながら、騙されてた悔しさや,こんな素敵な家族がいて裏切ったことの酷さを、元夫に向けてバババーっと吐き出しました。
私は……シラけてたな。

だってさ、蓋を開けてみたら,2人は私と結婚する前から関係があったんだって言うんだもの。
なによそれ。旦那もAもどいつもこいつも。

私ね,そういう、セフレとか体だけの関係で心満たされてると思ってるような,そういう人のことは、理解できてないの。
正直,ちょっと軽蔑すらしてんの。
周りにもいるんだよ でもその人,めっちゃ面白かったり優しかったりして、良い友達なの。親に酷い目にあって,体でしか愛情感じない人なの。だから、性に対する考え方が違うだけって、行為そのものは理解はできないがその人そのもののことは受け入れてんの。
ただ、そういう人もいるし,私がやらないだけでその人は好きにすればいいと思ってんの。
性生活などその人の自由だからね、人は人,だけど私はやらないっていう受け入れの仕方。
そんなに好きならエッチが好きって公言すればいいのに、かまととぶったり俺真剣だからっていって実は…みたいの、腹立つんだよ。
自分に自信持てよ(いやそれは違うか)。

話戻す。
Aの話を、黙って俯いて聞いてる元夫の様子が,演技なのかもな・ちっとも心に響いてないんだろうな みたいな、冷静な気持ちで,そのおかしな昼ドラのような世界を外側から見てる感じ。


携帯を見ちゃった時,元夫が仕事で泊まったといった日のひとつが、息子の誕生日の日だったり。
彼女の家に泊まるばかりで明らかに経費削減不倫を実施中な、こすいとこがあったり。
最近連絡が減って寂しいというような彼女への返信に、親の具合が悪くて、実家に寄って家事してる と言い訳してたり(もちのろんで2人とも登山が趣味での元気ピンピン夫婦)。

そういうのが頭の中をずっとグルグルしていました。


その時くらいには、離婚の文字が頭をよぎり始めてね。
遅いくらいなのかもしれないけど,前にも書いたけど私は義父母や義祖父母、義妹や義姉らととても良い関係性を築いてて,子供達の年頃もみんな近くて、いつも支えてもらってて,元夫の不貞以外の部分ではとても満たされていたんだ。
元夫だって、子供達のことは可愛がっていたし,まぁ家族より女って時点で終わってる性格だとは思うけど,趣味は合うし、ズボラな私と違って几帳面だし頭もいいし、最終的にいつも私を選ぶ ということに変わりはなかった。
なんやかんや結婚したこと自体に後悔などしたくなかったし、意地とか、プライドとか、私の中の固定概念とか、いろんなことに邪魔されつつも、離婚の選択がチラチラと見えてきた頃でした。


私は,元夫に触られるのがすごく嫌になってしまって、気持ち悪くて、なんなら元夫が子供達に触るのもすごい抵抗が出てくるようになった。
元夫が、何かやらかした子供達を叱る時,お前は不倫してたくせに偉そうに言えんのかよ と心の中でモヤモヤしてて、夫婦生活も拒否するようになっちゃってたの。
そしたら,いきなり豹変した。

無理矢理、が何回か。
家庭内レイプだよ,こんなの。性暴力。
これには参った。

この時の傷が,今も私の心の奥底に、真っ黒な澱となってこびりついてしまってるのは言うまでもない。
そして3人目ができてたんだよね。
こっそり堕そうかとも思ってしまった。もしも離婚するなら,子供はこの2人で精一杯だろうと思ったから。
でもやっぱり、私はすでに母で、赤ちゃんの存在の尊さを知ってしまっていて,どうしても自分にはできなかったんだよね。
こうして迷ったことすら,赤ちゃんに申し訳なくて、追い詰められていたんだ。

赤ちゃんが産まれて。
お腹にいた時から先天性の内臓疾患があったこともわかってて、私の精神状態が悪かったからだなぁって、随分自分を責めました。
でも。
赤ちゃん、上の子達は、私の心の支えであることは間違い無くて。
旦那のことで悩むほど暇もなくて。
なんとか子育てをしていました。

そして、末っ子が一歳半くらいの頃。
11月頃の土曜日の話です。
私と子供達が家の前で遊んでいると、会社に泊まった元夫が帰ってきて,子供達も駆け寄りました。
私も元夫の背後から少し近づいたんですが,ベルトからワイシャツにかけて糸がくっついてて。
元夫が子供と話してるタイミングで"前に座ってる友達の服についた糸屑をさりげなくとってあげる感覚"で、どこかに挟まって少し抵抗があるそれをゆっくり引っ張ると,ビローーっとベルトに巻き付いてた長い長い黒髪でした。




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