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歯肉の変化と歯の移動・電動歯ブラシの落とし穴! #16

#15では、重症歯周病治療の初期に必須の暫間固定と歯の移動について記した。

歯肉が治ってくるにつれて、歯は元の位置に戻ろうとする。
そして、上下の噛み合わせ状態も時々刻々変化する。
更に、噛み合わせ&歯肉&骨の状態も良くなってくる。

そんな変化について、今回は歯肉の改善と歯の移動に絞って実例を見てみよう。

『参考例』
初診時47歳・男性・会社員
初診時

左上奥歯の裏表


X線写真・初診

左上大臼歯部の骨は歯根の長さの半分くらい


下顎の入れ歯を完成後は、安定した状態を保っていた。

ところがだ、初診から12年後のこと
奥様と2人のお嬢様の4人家族の中
パパは孤独な1人男子。
健康な歯と歯肉を持つ3人の女性パワーに押され
電動歯ブラシを使うことに・・・・。
初診から12年後のことだ。

フォーンズ法を忘れ、電動歯ブラシを使い始めて6ヶ月

電動歯ブラシに加えて、
肝心のフォーンズ法がおろそかに・・・・。

フォーンズ法をサボり、電動歯ブラシを1年使用

電動歯ブラシを使い始めて1年、
そしてフォーンズ法をサボって1年
結果、歯と歯の間の歯肉の腫れは一層大きくなるり、
左上の最後方の歯は後ろに傾くことに。


そこで、改めて片山式の基本に立ち返り
フォーンズ法を再開、かつ、シッカリと!
同時に電動歯ブラシは中止だ。

電動歯ブラシ中止して2ヶ月後

習慣を変えて2ヶ月経過すると
歯と歯の間の歯肉の腫れがひき、
後ろに傾いていた歯が戻って来た。

4ヶ月後、6ヶ月後

電動歯ブラシ中止とフォーンズ法を真面目に再開してから
4ヶ月経つと歯の位置は戻り、
歯肉の腫れが引いてくる。

歯と歯の間の歯肉の腫れが、
今度は逆に凹んでくる=クレーターという。

更に経過

歯の位置は安定し、
クレーターの底から「竹の子状」に
歯肉が改善してくる。
赤い竹の子は再発、ピンクは改善、再生だ。

この後、歯肉は徐々に形を変えて
綺麗な形に戻ってくるのだが、
これについては、別の回で詳細にお話ししよう。
話が長くなる。

テレビでも健康雑誌でも、Net情報でも
「歯の付け根の歯垢を落としましょう」という。
これでは歯周病治療、特に中等度以上に進行したケース
では、全く歯が立たない。

正しいフォーンズ法をマスターしてほしいものだ。
いつまで経っても、
「フォーンズ法は、歯の表面の出っ張ったところだけしか磨けないので不十分だ」
なんて、本質&源法の理解もできていない勉強不足な人達が愚かな意見を発するのは止めてほしい。
少しは学べ!

この動画は、一つの参考でしかない。
個々人に合わせたフォーンズ法と突っ込み振るわせ磨き
の処方が必要になる。

使う歯ブラシも、使い方も、
含嗽の仕方、呼吸法、噛み合わせや
咀嚼の問題について・・・注意点が山盛りだ!

今回は、歯肉の腫れで歯は動き
腫れが引くにつれて元に戻る
という現象を記してみた。


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