見出し画像

PayPayと言えない男

三六闇市という、劇場主催のイベントで「PayPayと言えない男」という出し物をやりました。

デシベル王と私 観客の拍手を測って、一番を決めるデシベル王 という企画がありました。PayPayと言えない男…は早々にこれを諦めました。

「前半は笑って欲しい、後半はしんみり行きたい。」

画像1

企画は、5ヶ月ほど前に暗礁に乗り上げました。緊急事態宣言が発出されたのです。劇場側から延期の連絡があり、再開も未定でした。私は、どこかでちょっとだけ安心しました。

そして、それから4ヶ月、つまり今回の本番1ヶ月前、劇場から連絡があり、ちょっと悩んで参加することにしました。その時デシベル王の事も聞いたのですが、それは役者さんに譲ろうと決めたのです。まあ、取れなかった時の保険ですけど。

プロフィールに受賞歴があるかどうか、大事とは言いませんが、ないと寂しいものです。私は役者ではないので、役者さんにとっていただき今後胸を張って活動して欲しい、と思ったのです。僕は主宰側だから、この賞を戴いてもあまり関係ないかな、と。

もうひとつ勘違いがありました。デシベル王の計測の仕方です。

私は5分の劇の中でデシベルを図ると思っていました。実際は出し物が終わった後の拍手だったのですが、劇中のデシベルを図ると思っていた私は、早々に後半の盛り上がりを切り捨てました。以前書いた終わり方はあんまり好きじゃなかったのです。

本当は、ただおじさんが、電子マネーを使って、詰め放題をやって失敗する、という話でしたが、劇中劇に形を変え、練習中の設定に変更し、練習中に劇場から演目の延期を言われる、という話にしました。

馬鹿一辺倒も嫌だったし、コロナの悲しみとか、延期でも演劇ができるようになった今の喜びを入れたかったのですが、最終的に再開の連絡が来て喜ぶストーリーにするには時間が足りず、落ち込んだ所で話しは終わることになりました。

ところがですよ、実際の公演では後半でも笑う人はいるし、最後の嫌な感じの終わり方良かったとかいう人はいるし、なんかこう、演技の問題とか、シナリオの問題とか色々と考えさせられました。

↓提出用が、実際に使用したもの、0417が大元。

で、後々聞いたのです、実はデシベル王にあと一歩だったと。

デシベル王になったのは、私のひとつ前の落語家さん。

意外でした。闇市という名の通り、なんかこう裸で死にゆく蝉とか、歌います!とか、ラジオ体操とか、なんかそういうのがとるのではないかと思っていました。

事実、劇場側もデシベル王とは別に、平台王という賞を用意していて勝手に審査して賞を渡すのですが、そこに輝いたのは正に、闇市の王に相応しいものでした。

あと一歩となると欲しくなるものです、なんかこうモヤモヤして眠れませんでした。まあ、いらないと言ったの私ですけど。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?