Tokyo Olympics MTB XCO Race 展望 Women
女子は誰が勝つかよりも、あんな怪我したところから復活のヨランダであったり、なぜかいつも綺麗なお顔を転んで痛めつけるポーリンであったり(怪我したお尻も見せてたっけ)、ちょっと奇抜なトレーニングを公開し続けるケイトであったり、ウクライナ語の挨拶まで覚えていったのに遠くからしか会えなかった(笑)旧FB友のヤナであったり。
2012年からXCを見始めて、数年してレッドブルの放映が始まって、勝負云々より、その頃から台頭してきた女子選手達を生で見られることの方が優先度が高いかもしれないのです。
SNS時代。レース以外のシーンでの彼女たちを見る機会が増え、ただの競技から、それぞれのアスリートに競技の裏側のドラマが付加されたショーを見ている感覚になっているのかもしれません。F-1やプロ野球の様に垂れ流されてくる情報に溺れるのではなく、自分から獲りに行って集める情報に埋もれる。参加型競技が観客型競技に変わる手法は、運営側だけに委ねられる時代ではないのかな、とも思えます。そんな感じを覚えるのは私だけでしょうか。
とはいえ、真剣に1位を争う競技は競技。ちょっと展望してみましょうか。
オリンピックの歴史を顧みると、
1996 アトランタ
🏅 イタリア パオラ・ペッツォ
🥈 カナダ アリソン・サイダー
🥉 アメリカ スーザン・ディマテイ
2000 シドニー
🏅 イタリア パオラ・ペッツォ イタリア
🥈 スイス バーバラ・ブラッター
🥉 スペイン マルガリータ・フリャナ
2004 アテネ
🏅 ノルウェー ガン=リタ・ダーレ
🥈 カナダ マリ=エレーヌ・プレモン
🥉 ドイツ ザビーネ・シュピッツ
2008 北京
🏅 ドイツ ザビーネ・シュピッツ
🥈 ポーランド マヤ・ヴウォシュチョヴスカ
🥉 ロシア イリナ・カレンティエワ
2012 ロンドン
🏅 フランス ジュリー・ブルセ
🥈 ドイツ ザビーネ・シュピッツ
🥉 アメリカ ジョージア・グールド
2016 リオデジャネイロ
🏅 スウェーデン ジェニー・リスヴェッズ
🥈 ポーランド マヤ・ヴウォシュチョヴスカ
🥉 カナダ キャサリン・ペンドレル
男子と違い、アメリカ大陸に5個のメダルが渡っていますね。2つの3人枠はスイスとアメリカ。女子に関して言えば、アメリカ大陸もしっかり考慮に入れる必要がありそうです。
このうち、今回も出場するのは、2008銀のマヤ、2016リオの金ジェニーと銅のキャサリンということになります。
また、2021のワールドカップの成績で言うと、
#1 アルブシュタット(ドイツ)
🏅 フランス ロアナ・ルコント
🥈 フランス ポーリーヌ・フェラン=プレヴォ
🥉 アメリカ ヘイリー・バッテン
#2 ノヴェ・メスト(チェコ)
🏅 フランス ロアナ・ルコント
🥈 アメリカ ヘイリー・バッテン
🥉 オーストラリア レベッカ・マコーネル
#3 レオガング(オーストリー)
🏅 フランス ロアナ・ルコント
🥈 スウェーデン ジェニー・リスヴェッズ
🥉 オーストリー ローラ・スティガー
#4 レ・ジェ(フランス)
🏅 フランス ロアナ・ルコント
🥈 スウェーデン ジェニー・リスヴェッズ
🥉 イギリス エヴィ・リチャーズ
もう、誰が見ても、ロアナ・ルコント(22・フランス)の勝利。レッドブル見返せば分かるけど、全てのレースで後続を1分以上突き放して勝っているんだから。プレ大会も走っているし、泥だらけの第四戦も制してます。あとは、蒸し暑さとの戦いをどういなすか、であったのですが、予報通りの本降りの雨ならその辺りは解消されてしまうと思われます。ロアナ強し。
ロアナ絶対優勢の中でその座を脅かすとすれば、第三戦、第四戦と2位に入り、四年に1度の大会に照準を合わせてきたかのようなジェニー・リスヴェッズ(27・スウェーデン)。リオで勝った経験は強いと思われるし、ドロのレ・ジェで2位に入ったのも、当日が雨の戦いになるのを考えると好材料になります。
ロアナ強し、の裏でこの大会に照準を合わせて頑張ってきたとSNSに投稿するのは、同じフランスのアニメ声、ポリーヌ・フェラン=プレヴォ。ロードレースの世界選手権、シクロクロスの世界選手権、そして、マウンテンバイクの世界選手権の3つを同時に獲得した経験を持つ美女。2019年、2020年の世界選手権チャンプであり、ピークを合わせる技も持っています。昨年までであればロアナと五分五分の戦いを展開してましたが、今シーズンはロアナに勝ててません。フランス国内選手権でもロアナに完敗の2位。とはいえ、将来、夫婦でオリンピックゴールドメダリストになりたいだろうし、ドラマ的にはフランス身内の戦いが熾烈です。
3人枠を確保したスイスとアメリカでいくと、スイスは3人とも強いけれど真ん中を狙えるタレントがいない印象。
ヨランダ・ネフ(27・スイス)は走りの存在感は健在であるモノの、内臓を損傷する怪我をして以降表彰台に乗れておらず、まだ完全復活とは言えない状態。
ジーナ・フライ(23・スイス)も一時期の勢いが影を潜めて10位前後から浮き上がれない。
リンダ・インダーガント(27・スイス)も第二戦で6位と自己最高位を残すモノの表彰台は更に上という状況。プレ大会を制したヨランダには頑張って欲しいけれど、スイス勢は表彰台ゲットで精一杯と見るべきでしょう。
一方の3人枠アメリカは、2020年シーズン以降不調の続くケイト・コートニー(26・アメリカ)に変わりヘイリー・バッテン(23・アメリカ)が台頭。この二人が表彰台に絡むはず。ヘイリーはU23卒業の今年、第1戦2位、第2戦3位と表彰台の常連の座を確保。ケイトも不調から抜け出すべくいろいろトライしていて策が当たれば勝ち方は知っている人。
なぜかアメリカは画像資料がありません。なぜでしょう。
アンネ・タープストラ(30・オランダ)は、2019にワールドカップで1勝、2020と表彰台の常連となっていのに、今シーズンははトップテン圏内にとどまる程度で今一歩。プレ大会で3位の人でもある。真ん中は狙えなくても表彰台には乗りたいはず。
エヴァ・レヒナー(36・イタリア・画像資料なし)は昨年の世界選手権2位を35歳で勝ち取った人。成績も第二のピークと言える結果になっていて、荒れた展開になれば経験にものを言わせていつの間にやらレヒナーさん、という流れもあり。
オーストラリアのレベッカ・マコーネル(30・オーストラリア)。ワールドカップ2位が最高位。世界選手権2019年,2020年3位。なので、実績的には表彰台に絡む人。ヨーロッパ、アメリカで独占中のメダルをオセアニアにも持ってくるのは彼女の役目だと思うなり。
ヤナ・ベロモイナ(28・ウクライナ)は、このコースでは勝てないとは思うものの応援してしまう存在。SNSとの距離感がいい人なのだと思います。世界ランク1位を半年近く続けていた時期もあり、実力自体は折り紙付き。表彰台に乗ってくれたらうれしい。
化ける可能性を感じるのが、エヴィ・リチャーズ(23・イギリス)。第4戦で3位となり世界戦で初登壇し波に乗っている人。若さが故に来るときは一気に掴み取るでしょう。
更には、ローラ・スティガー(21・オーストリー)。オーストリー人でレッドブルのメットを被る人。U231年目で優勝、2年目からはエリートで走りトップテンの常連となり、第3戦で3位となり初登壇。業界?的には彼女が勝つことを望んでいる感ありありです。
もうひとり。ロンヤ・アイブル(22)。2019年のU23の戦いでロアナを勝たせなかった人。エヴィもローラもヘイリーも2019年の彼女には敵わなかった。SNSとの距離が遠い人なので、成績を残さなかった2020年に何があったのかは分からないけれど、いつ勝ってもおかしくない人です。プレ大会では5位でした。
ってことで、勝ち負けだけでなく、此処にあげなかった人を含めてそれぞれの選手のドラマをみたいなというのが本音。今回のオリンピックで一番楽しみな時間です。
うーむ。
ロアナ、ポリーヌ、ジェニー……いや……レベッカにしておきます。
皆様も何処かに予想を残しましょう。ちょっとだけ楽しさアップしますよ。
あああ、トーマス来るかよ。マチュー転けるかよ。スペイン来るかよ。