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第35回全⽇本⾃転⾞競技選⼿権⼤会-マウンテンバイク(XCO) レース展望 その1

オリンピックが行われたあのコースで全日本選手権。かくあるべき、と思っていたことが現実になりましたね。

とはいえ、どんなに気をつけていてもけが人が一人も出ずに終わるとは思えないコース。実際、プレ大会、オリンピック、そしてこの前のジャパンカップでもアクシデントによるDNSやDNFが起きています。

とにかく無理せず、自分のスキル以上の事はせず、慢心せずにみんなが無事に試走からゴールまで走りきってくれることを祈るばかりです。

いろいろ思うことあるのでもう少し書くと。
この素人には走れない危険なコースでのレースという点が、このコースでの全日本が開催される一番の意味だと思うのです。練習しなくても怪我しないコースで競い合うのでは無く、練習しないと怪我してしまうコースで競う。XCOの全日本を走る選手のスキルを一段も二段も上げる事に繋がります。そして、無理だと思うなら勝負の中でも躊躇せず安全な方法を選択する心のスキルを上げる。このコースで走るということは、XCOレースにそういう転換点が来たのだよということなのだと思います。

ロード、シクロで強いから、じゃ、XCOもとはならなくなる。MTBの競技人口の拡大がままならない中での転換点。素人が怪我しないローカルレースの延長線ではなくなることで、ホビーから競技への敷居が高くなる不安。だからこそ、スキルを上げるための練習の機会を新しく入ってきた人達にどう提示し、提供するかというのもこの界隈の宿題なのかなと思う次第です。怪我がつきものの競技ではありますが、やはり怪我の報には出来るだけ触れたくないですからね。

先日のXCEでイオンバイクの子達が小さい身体ながらにドロップでしっかりコントロールして前後同時着地していました。ドロップに挑戦するしない含めて、彼、彼女たちはとても安心して撮っていられます。一方でエリートの人達の中でもこれが出来ていない人が多く見掛けられます。ドロップからの前転が大きな怪我に繋がる可能性が高いので、ドロップ時の前転モーメントと戦う(戦わずに通過する)スキルだけでも練習の仕方の教本が出てくれないかなとか、これが出来ないと競技レース走っちゃダメとかにならないかと密かに思っています。

ドロップだけでは無くテーブルトップ入口側での後輪の跳ね上げも超怖いですね。とにかく角度によっては受け身どころでは無くなってしまう前転は見たくないです。

チームの中で次の世代へスキルを伝授するというのも重要ですが、一匹狼も多いこの界隈ですので、このコミュニティ全体でスキルアップの斡旋を図っていけたら良いな、です。

修善寺、と聞くと、怪我がどうしても心から離れません。ほんとみんなが無事に走りきって欲しい。と、まつわる思いが溢れてしまったところで、8年ぶりの修善寺全日本を眺めてみましょうか。

XCO Men Elite

エントリー65名。

まずは白赤ジャージを手に入れるのは誰か。

Top 5、沢田時、北林力、宮津旭、竹内遼、平林安里。と、このコースのマイスター山本幸平が抜け出るのは間違いないですね。その内トキが既に参戦せずと表明しています。よって、四人+1人の中から誰がジャージに袖を通すのか。

ここは、アジア選手権でぶっちぎってUCI 150Pを勝ち取ったリッキーが文句なく筆頭でしょう。先日の修善寺ではDNF、吉無田、全日本XCCとトキと一騎打ちになって苦杯をなめたものの、アジ選は文句なしのぶっちぎり。トキ以外のお遼、安里、旭、そして幸平に対しては優位な戦いをしています。

先日の修善寺での大会で1人気を吐いた安里はこのコースとの相性の良さを感じます。DHコースで上下動への順応性をあげてきた成果かもしれません。XCCで前に来られなかったのは、短時間高強度の競技ではなく90分のXCO +ハイスペックコースに身体とココロをあわせているとも妄想できます。

幸平も先日の修善寺で日本人2位。世界の高難度のコースに挑んで渡り合ってきた力は健在。安里とのスピード差は2km/hと数字だけみると自分から勝負を仕掛けられる差では無いけれど、全日本を12度制してきた勝負勘が幸平自身を鼓舞し、相手に見えないプレッシャーを与えることも考えられます。

昨年全日本2位の文句なしの実力者、アジ選メカトラでほとんど走れず悔しい思いをした旭。美山でのぶっちぎりはまだ記憶に新しく、修善寺の難コースで先日は日本人3位。前レースで世界屈指の難コースを攻略できていれば勝負を挑めるでしょう。

お遼は世界転戦の疲れか、吉無田での表情はかんばしくなくその後のSNSの発信も少ない状況。心と身体か噛み合ったときのパフォーマンスは圧倒的なだけに、そのスイッチがこの全日本で入いることを祈りましょう。入ってしまえば見違える走りを見せつけて、18人目の全日本覇者に名乗りを上げることでしょう。

ということで、Tpo 5 -1 +1の5人、リッキー、安里、旭、お遼、そして幸平。

リッキー。

アジアの王者が新たな日本の王者になる。としておきましょう。

特定するのでは無く、誰が来そうか、までで止めて、あとは読者に妄想させるのが本来望ましいのでしょう。言われた人、その関係者はプレッシャーになるかもしれないし、言われなかった人、その関係者は期待してくれていないのかと幻滅します。五人を均等に予想すれば、1回持ち上げられ4回は落とされる訳で選手全員からの心象も悪くなる方向です(笑)。そもそもその5人に入れられない選手からはふざけるなと思われているかも知れません。

とは思うものの、敢えて書くことで波風をたててます。それもまた一興だと信じて。。。所詮野良カメラマンの戯れ言です。はい。

さてさて、この5人に続く予想は非常に難しいです。それはコース難易度が高いことと、それに対する順応速度(練習機会の多さ、上下動への対応力)も考察に含める必要が出てきます。先日の修善寺の結果とCJでの序列が大幅に入れ替わっているのを見てもそれは明らか。なので、CJの延長線上でメンツを眺めて、現地で補正するしかなさそうです。

CJ内の序列からすると、抜け出るであろう5人に続くもしくは絡むのは、エリート内マスターズと言うべき戸谷亮司('81)、佐藤誠示('83)の二人。ここに来て成績を伸し続ける二人。年齢詐称では無く時間の流れが彼らのまわりだけ逆行しているのかも知れません。ただ、誠示は身体が完全ではなさそうなので亮司が前、トップ5人の調子次第(DNFの可能性も高い)では亮二が更に時間を逆行して表彰台に食い込むかも知れません。

最近チームメイトよりも前を走る機会が増えている//小森亮平('88)とそのチームメイト全日本シクロ5連覇の肩書きを持つ//竹之内悠('88)。調子落とし気味なれどチームメイト優夏の無念分も上積みで走るNESTO詫間啓耀('90)。

八幡浜5位で気を吐いた巨人門田基志('76)。その監督?マスターズチャンプからエリート鞍替えの小さな巨人斎藤朋寛('77)。驚異のねばりの蓮根走り萬屋和也('79)。の70年代の3人。松本駿('76)は最近の調子を見るにこのグループからはこぼれそう。

20代では、ここのところ調子が上向いているシマウマ焼鳥西山靖晃('94)。深坂で一コーナーまで突き抜けたサンバ暴風松田賢太郎('96)。色白水色無印小林勇輝('99)は出てくるとやっぱり速い。

ただ、ここに挙げた名前でもフルラップできるか難しいというのも見所。難易度が高く踏み踏みもあるコースだと、トップとのタイム差が開くのは菖蒲谷で実証済(フルラップ5人)。先日のこのコースでのXCOも日本人フルラップは安里と幸平、旭の3人のみ。竹之内悠、松田賢太郎、戸谷亮司が-1 Lapという結果。撮影プランも考えなきゃです。

小野良太('71)、小曽根誠('85)のエントリーは???。申し込み後の怪我でしたっけ。ホントなら復帰レースですね。というか、あのコースで菖蒲師良太の走りを見たいぞ。

他に走りで魅せてくれるのは永田隼也('88)と鈴木禄徳('87)と田村竜樹('83)、それと安里('97)でしょうか。前後がばらけてなおかつ切られない周回で魅せるポイントで彼らを待ちましょう。きっと良いものが見られるはず。

XCO Women Elite

エントリーを見る限りは今年エリートの年齢になったNESTO矢吹優夏がナショナルジャージを着るという一択予想になるのだけど、怪我で今シーズンが終了との報が入りました。来シーズンの華麗なる復帰を待ちましょう。

で、改めて見直します。2015,2016全日本チャンプ末政実緒 vs 2021全日本チャンプ橋口陽子という構図ですね。2人の最後の手合わせは2年前のゆぶね。1周1分半差で実緒が前。そのままの力なら実緒が3度目の全日本表彰台のテッペンに立ちます。今年から競技にDH競技に復帰して、勝つべくして臨んだ17連覇のDH全日本で痛恨のミス。一時間レースのブランクはあるだろうがなんとしてもここはミスせず勝ちたいはず。

ということで、実緒、とします。

表彰台の三つ目の席は最近調子を上げている川崎路子。平田千枝、早瀨久美、青木寿美恵。難易度の高いコースを怪我せず走りきりましょう。

XCO Men U23

Top 5に食い込む次世代トップは誰か。誰が来てもおかしくない。
'00 村上功太郎、石川絃、積田連、色川岳宏
'01 山口創平、岡山優太、
'02 鈴木来人、松本一成、森下尚仁、北林仁、高本亮太、中島渉
'03 副島達海、長見真左哉

八幡浜U23では、功太郎、一成、来人。ここに一里野、美山で2位表彰台のタツウミ。表彰台まであと一歩のところで足踏みの尚仁。直近全日本XCCで3位に入って存在感アピールの亮太。そして、全日本XCCでドヤ顔復活の創平というところでしょうか。

1年見てきたイメージからすると、U23 4年生 功太郎 vs 1年生 タツウミなんですが、最近タツウミ見ていないんですよ。マウンテンの走り方覚えているのだろうか(笑)。

Next 5の筆頭のイメージなことと上下動の大きいコースへの順応性でタツウミとしておきましょうか。そして、このレースで壊すというイメージは払拭していただきたい。

Women U23

小林あか里、浜下玲音、松本璃奈。アジアチャンプ小林あか里でしょう。

アジアチャンプ、全日本ロードU23チャンプのあか里 vs.  元アジアチャンプ、全日本DHチャンプ璃奈という構図でもありますね。璃奈が勝てばあか里の母小林可奈子、そして末政実緒に続くXC,DHダブルチャンプというのもあり。ふむふむ。

ってゆうか怪我に対する思いと、エリートの考察でうららかに時間を取られました。4000字超えたのでつづく。

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