Coupe du Japon MTB 2022 吉無田 観戦記 その2
Men Youth / Men Masters
男子ユース
1位 内野友太 2位 野嵜然新 3位 垣原弘明
タイトル争いの行方。友太が前なら友太。然新勝って友太の前にチームメイトの弘明が入れば然新タイトル。当人達はそれを十分知ってのトップ争いでした。
入りは然新トップ。が、友太は様子見の2位につけ、然新タイトルのために2位に付けたいチームメイト弘明は、こちらも友太のチームメイトの楠侑磨の後ろの4位にとどまる。本人達がどう思っているかは知りませんが(笑)、そして、観客のほとんどは気づいていないでしょうが、傍目にはF-1ばりのチーム戦の様相。裏を知らなきゃこんな見方も出来ないので、事前情報というのはシリーズ戦を楽しむ上で重要なのですよ。
2周目、然新引っ張り、友太が続き、弘明が侑磨の前。これで、一番ドラマチックな位置取りが完成。このままゴールなら然新勝っても友太のシーズンタイトルです。そして、友太ワンミスで弘明が2位に上がれば然新のタイトル。
然新3周まで引っ張るも、友太は離れず。ラスト4周で頂上に来た時は友太が前。友太は浮かなかった、、浮かれなかった?(笑)
その心の空虚を埋めるように飛ぶ宣言をして飛んでくれた侑磨。追いかけ側のピントは合いづらいのに、なんの準備なしでシャッター押すもこういうときはちゃんとピントが来る。このカメラじゃじゃ馬です。ま、彼のおかげで頂上まで来た苦労が報われました。
結果、友太が最終周に前に出て勝利。タイトルも決めました。然新も弘明も諦めずに追いかけ緊張感のあるレースを見せてくれました。ううむ。今はユースがホント面白い。
男子マスターズ
総合1位 岡本紘幸 2位 白石真悟 3位 酒居良和
30 1位 岡本紘幸
岡本が傍目にはいつもの余裕の勝利。ですが、本人レポートに依れば、前戦深坂よりも白石を意識した戦いを繰り広げていたようです。毎周毎周点でしか出会わないので、アタックを掛け合っていたというレポートを見るに、動画配信等があればまた違った楽しみ方が出来る(そう言えばワールドカップはそんな楽しみ方をしていましたね)のだなぁと思う次第です。
シーズンタイトルに絡むレース(J-U/1,CJ-U/1)に全戦出場し、全部に勝つのはホント久しぶり、シーズンオフにそんな視点でデータの海をひもとく予定です。
40 1位 白石真悟 2位 坂本泰崇 3位 岩藤司朗
前戦深坂よりも長い間岡本の前を走り続けた白石。やはり、競り合う姿の方が見ていて面白いですね。勿論本人達は前後が見えない単独走よりも何倍も辛いんでしょうが、こういう界隈の人はこう言う楽し苦走れる展開の方が好きなんでしょう。基本Mな人の集まりですから(笑)
50 1位 酒居良和 2位 大橋尚哉 3位 松尾芳秀
このクラスはマスターズで唯一シリーズタイトル未決でした。酒居3位以上でタイトル決定。四位以下で不参加の多賀良成。メンツ的に順当に走ればいけるのですが、今シーズンはフレーム割れなどトラブル続きというのもあり、観客目線ではドラマもありか?という流れでしたが、きっちりトラブルなく走りきりシーズンタイトルを決めました。
60 1位 有持真人 2位 増田謙一 3位 橋本寛二
総合4位ってなんなん。還暦の有持は気温が下がると強いというのはギャグでは無く、本当のようです。1位30代 2位40代 3位50代 4位60代と後世に語り継がれるレース結果を演出してくれました。
昨年の全日本60覇者増田謙一もシーズン末に向けてどんどん調子を上げて総合10位。一昨年の全日本チャンプ橋本寛二も総合20位。60超えても戦う姿って、アラカンに突入したの野良カメラマンに生きる勇気をくれます^^。
Women Elite / Women Masters / Women Youth
こういう集合写真でカカカカカっと無駄と思えるような連写してますが、その無駄の恩恵を感じた10枚のうちの1枚です(笑)。残りの9枚、誰かが目をつぶるか気の抜けた表情してます。ま、プロはみんながぴたっと表情を決める技をお持ちなのでしょうが、基本盗撮ベースの野良カメラマンはこういう武器を使うが良ですね。
女子エリート
1位 矢吹優夏 2位 橋口陽子 3位 竹村舞葉
ライバルと小林あか里、川口うららが居なければ、自分との戦い。そして、勝って当然とみられるレースをトラブル無く締めくくる。そんなシーズンでしたね。今回も、女子だけのレースで1人旅になったもののトラブルフリーで自分を追い込む姿を見せてくれました。
U23で突然あわれたようにMCに言われる優夏。実は白馬ユースを走っていたことはあまり知られていません。私よりこの業界先輩なんですよ(笑)
1人旅でも手を抜かない優夏にばっさばっさと切られるエリート女子。それでも、80%は食らわずに走り抜く陽子。今回は2人きりのフルラップとなりました。眉間のしわとぶつぶつと自分に駄目出ししながら走るのが特徴の彼女。まだ成長を続ける彼女、最近は駄目出しするネタも少なくなってぼやきも聞かなくなったかな。
女子マスターズ
1位 中川左裕里 2位 佐復亜都奈 3位 北島優子
左裕里が順当に優勝です。このクラスはシリーズタイトルが未決でした。ちなみに、左裕里が2019,2020のタイトル、優子が2017,2018のタイトルホルダーです。2021は小林真清、そして、2022は、真清の連覇か亜都奈の初タイトルかという戦いでしたが、亜都奈が参戦完走したことによりポイントを伸ばしタイトルを決めました。
女子ユース
1位 北都留千羽
有松鈴々菜DNSにより1人旅決定。だったので、注目は同時出走の優夏にどこまで迫れるか。結果、3周で1分差でしたね。
ユースの期間で見たいのは持久力よりもスピード。期待大ですね。お父様の太腿を見るに付け、ケーリンに行ってしまいそうですが。
Men Elite / Men Junior
男子ジュニア
1位 江越柾也 2位 遠藤紘介
逆進でレース時間内にゴールまでたどり着く。その間にもエリートトップに照準を合わせる、とどうしてもジュニアのトップを捕まえきれない。マチャの飛ぶとこ撮れませんでした。がっくし。
紘介が前でレースを進めるも、3周目からマチャの身体が目覚めたようで、4周目ベストタイムという玄人系のタイムマネジメントを見せて紘介を攻略しました。うむ、一皮剝けたのかも?
男子エリート
1位 沢田時 2位 北林力 3位 平林安里
世界戦でポキッてからの白馬復活の時も驚きでしたが、この復活戦もその再現となりました。ライバル不在というのでは無く、トップ5の内、トキ、リッキー、竹内遼、安里の4人が顔を揃えるレース。そんなバチバチのレースで4人が抜け出て、お遼が下がり、安里が落ち、リッキーとトキの一騎打ちになり、勝負所を見逃さずにトキが仕掛けてリッキーを突き放す。
深坂のようなトラブルがらみの勝負(それはそれで面白い)では無くガチの勝負。本人がロードの経験があったからと言っており、ゴールから逆算しての勝負所を見極める力がトキに勝利を導いたのかも知れないです。
リッキーはトップ5の中から1つ抜け出したいところだけど、相手に合わせてしまうのか、自分の強いところで走れいないように見えましたね。パリに向けてもう一つ進化して欲しいです。
そして、シーズンタイトルの話し。安里が3位以上になれば安里かお遼で宮津旭の目はなくなる。そしてお遼が勝たなければ安里。
レース2周目までは、お遼3位、安里4位と、なんと旭にタイトルがいく流れ。トキとリッキーの調子が良さそうなのでお遼タイトルは無く、安里もずるずる後退していくので、ここに居ない人がタイトル持っていくかぁ見ていました。
が、ここで初優勝を決めて相性良いはずのお遼がガクッとペースを落とします。そして、安里がそのお遼を捕まえて3位に浮上。んっ。これで安里タイトルじゃん。おめでとうとシャッター切ります。
で、表彰式。本人、自分がタイトル獲ったことを知りませんでした。ふふふ、走っている人にとってシリーズタイトルなんてそんなものなのね。と、思ったのでした(笑)。
Coupe du Japon MTBのタイトル獲ったらうれしい、タイトル獲るために世界の戦いや他の競技と日程調整してCJに参戦する、まわりもゴールしたときにタイトルおめでとうと声をかけて盛り上がる。という風にするにはどういう演出があれば良いんでしょうね。
すくなくとも、そのタイトルを獲ることで翌年の契約金が上がるとか、機材提供の数が圧倒的に増えるとか、知名度が一気に上がるとかないと、当人達にとっては、あっそうなの、レベルの扱いになってしまうんでしょうね。
ってか、シリーズタイトルを獲ることを獲る側も盛り上げていかないと、MTBレース業界として盛り上げていくポイントをみすみす見逃しているような気がするんですよね。
と思ってしまいました。
ま、しがない野良カメラマンは、出来る範囲で出来ることをするまでですが(笑)。
今回、トキにおめでとう写真を送りました。カメラからWiFiでスマホに送って、そこから転送。Canonで撮ったものも、メモリを差し替えて、Sonyからスマホに送ります。ゴールシーン1枚なら3分。レースから選ぶとメモリー差し替えも含めて20分くらいですかね。
ここで悩みます。この方法であげる方が早いんじゃね?って。
でも、落ち着いて考えます。エリート50人。1人20分として、1000分。33時間。アウト。
でも、「すぐにSNSあげたいんであの1枚ください」って言われたら、そして、その場で待ってくれるなら送るのもありなのかなって、ちょっと思ってしまいました。α77iiもファインダは死んだけど、モニタは生きているのでメモリ差し替えて欲しいものを選んでおいてもらうという手もありそう。いろいろ考えます。
当日中に九州は脱出したい。で、何とか関門海峡は越えたものの、なんと因縁?の下松SAで行軍停止。そこで爆睡。走り始めて広島で朝を迎えます。なんともまだここかという感覚です。やはり、熊本は遠い。
ただ、うららかな聖地、龍野までくると「帰ってきた」と感じる自分に驚き。(笑) それでも、連続運転による頭ふらふらはどうにもならないので、騙し騙し、休み休みで帰着は20:00。出発から到着まで28時間。飛行機も考えた方が良いのかなと、ちょっと思ってしまいました(笑)。