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Coupe du Japon MTB 2021 菖蒲谷観戦記 その1

まずは、開催していただいた関係者各位に感謝。ということで、今回もSA、コンビニ以外は立ち寄らずの旅程となりました。

音速の菖蒲師さんにXCCから来るんですよねと直前に念押しされww、4/10朝出を4/9夜出に変えて、行き当たりばったり車中泊にします。上手く睡魔を制御出来ればDay 1から現地で活動出来るスケジュールに。

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開催は4月の初旬、季節で言えば春。長野県の山中でこの表示に出会い、睡魔など吹き飛びました。こんなところで羽毛布団だけで車中泊したら、さすがに生きて帰ってこられるかが心配になりました。ってか、スタッドレスなくて良いのかと不安になりました。路面乾いてて良かった。

-8℃の緊張の反動か、氷点下を脱すると一気に睡魔が。。。結果、朝一の耐久レースには間に合わずでした。耐久レースの表彰式がギリギリ。どうせなら耐久レースから撮りたかったですね。

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XCCに向けて、XCC/XCOに向けての試走の時間。

昨年との差分でどう撮ろうか……と考えていたのに、昨年と一緒のところはわずか数100メートル。スタートゴールの位置も変わり、かろうじて共通なのは昨年のスタートゴールからのジープロード登りと、三段落ち以降の下りのみ。しかも後者の下りの最後の落とし方も変更。スタートしたら一度もゴールまわりに戻ってこないカメラマン泣かせなコース。

音速な方々に伺うと、どうやら今年が普通の取り回しで、昨年がいつもと違うレイアウトだったようです。昨年が狭い下りが特徴的だったのに対して、今年は開けた里山を駆け抜けるイメージ。しかも路面はパフパフ。そんな違いが撮れたら良いかなと、予定より早く現着したこともあって時間を掛けて試歩。

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西の峠池と言うらしい。右側の山を走った後、対岸側を左向きに進み手前側を右に抜けていく。風情的には良いところ。耐久レースとかでチャンスに余裕があれば水面などを使っていろんな撮り方を試してみたいところだけど、シャッターチャンスが数回レベルのXCO/XCCではなかなか冒険出来ないので、今回はこちらのセクションは試走時間のみと割り切りました。

さて、Day 1の目玉はXCC。そして、絶対王者、山本幸平の参戦。やはり、女子のXCCは成立せずでしたね。残念。

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ホールショットはシクロ全日本タイトルを獲ったブリヂストン沢田時。続く赤いスコットの平林安里。レースはたぶん3周だろうということで見送ることなくすぐに移動開始。一周目の撮影ポイントを昨年のスタートゴールに向かう下りの最後の激落としと決めていたのです。その為、長い舗装区間を走る走る(傍目にはよちよち歩きww)。

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間に合って一周目の最後の落とし。トキ、北林力、幸平、竹内遼、安里の順。その落とす絵でなく、敢えてこんな過ぎ去った絵を載せた意味は、この5人が圧倒的に抜け出ていたから。短いコースの一周目なのに次が来る音がしなかったので余裕で後ろ姿を撮れた、ということ。(この五人の後で誰かがやらかしたのかもしれないけど)

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二周目、三段落ち。は二段目で撮影。5人の集団走行は変わらず。先頭は夢追い人の後継者リッキー、安里、トキ、幸平、お遼。

此処のライン取りは、大きく三つ。一つは岩超え回避ラインなので、残りの二つが下りの速い人のラインなのだけど、トップ5ではリッキーのみ真ん中ライン。このラインに乗っていたのは、NESTO詫間啓耀、TOYO FRAME竹之内悠、最速一般人佐藤誠示、鈴木智之、岡山優太、箭内秀平。さて、その共通項は?なんて妄想も面白いですね。

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三周目の撮影ポイントは、チャリ降りても涙な激落ち。リッキーがトップを守って力強く何事もないかのように踏み込んでいく。少し間を置いてお遼、安里が続くも、残り1/3周で付き位置でなかったのでリッキーで勝負は決まったと確信。

この激落ち。最初見た時は落ちてすぐ曲がるので写真左側の細い棚を伝って降りていく方がライン的に有利とみたけれど、そのラインに乗るために減速するとう不利もあると見たのか、お遼のようにそのまま落ちて曲がっていく人もいた。この周、このラインを選んだのは、優勝したリッキー、この写真のお遼、幸平、DEF秀平の4人でございました。

XCCは、この後、お遼と安里が順位を入れ替え、北林力、平林安里、竹内遼でゴール。エリートの表彰台が97年組以降の若者で占有されるのは初。そして、私が観戦を始めた2012以降、幸平が国内XCレースの表彰台に上らなかったレースも初。時代はゆっくりと確実に移りつつありますね。

Day 2

 Men Challenge / Youth / Women Masters  / Youth

2周回と3周回の混走、しかも、Men YouthとWomen Challengeではスピード差もあるので隊列は長くなる、と言うよりアタマとお尻がすぐに繋がってしまうイメージ。コースを離れてショートカットして移動出来ないので移動範囲が狭い。

更には、ユースでかっこよく撮りたい特徴的な下りや登りで構えていると、他のクラスの選手では降車してしまう可能性も高い。ということで、Men Youthの選手達には難易度高めのセクションの写真や、いろんな場所での写真は我慢してもらうしかないのです。

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Men Youth優勝は、ぶっちぎりの高橋翔。まわりから一目も二目も置かれる2005年生。Youth最終年をどう駆け抜けるのだろうね。2位には地元(といってもお隣岡山)音速遠藤紘介。そして、3位は数少ない山梨県ライダー澤井千洋。

そして、困ったことが一つ。実はこの世代以降の選手の生年が把握出来ていません。理由はUCIコードが変わってしまったため。昔はJPN+生年月日だったんです。それだとタヌキ兄弟などが生年月日が同じ人は同じコードになってしまうという不具合もあって見直されたのだと思われるのだけど、おかげで生年は聞かなきゃ分からんになっています。

Juniorに上がったタイミングでほぼ把握出来るし、Juniorになるとそれなりに社交性も出てくるので直接いろいろ聞きやすいのですが、まだまだ親の庇護下にあるYouth、そこに今年から初年が一つ下がった事で、更に妄想を難しくしています。やはり、あと何年でJuniorの世代というのは考察に含めて妄想したい。JCFさん、UCI並に生年を公開願います。

Women Youth

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日吉愛華のDNSで、石川七海の1人旅。自転車競技全体のレース数が限られてきているのでもっともっと出場者が集まるといいね。

Women Masters

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2018年全日本タイトル獲得者である水谷有紀子が、青木寿美恵を下して勝利。一周目は青木が前だったので番狂わせあるか、でしたがしっかりまとめてきましたね。もとダウンヒラーなので下りの安定感は抜群です。

Men Challenge

以前のJシリーズの時のように、エキパからの脱落者のエキパ復帰を掛けた争いというはないので、毎回新鮮な争いで古参の名前を見つけるのが難しくなってきています。そんな中、今回は森下尚仁というネームバリュー持ちがいたので、表彰台争いを予想したのですが後続を1.2km/h離して思っていた以上にぶっちぎりでした。次でエリートに上がってください。(今後はネームバリューでマスターズやアドバンス一発参加もありみたい)。もう1人のアドバンス昇格権ゲットは立田智仁。サッサーズな人だから自動昇格でない事は知っているよね。きっと。たぶん。だと良いな。

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※エキパとは。実力差クラスは今は Elite / Advance / Challenge ですが、以前はElite / Expert / Sports と言っていました。そのExpertのことをエキパと略していました。私はこれを初めて聞いたとき、何言ってんだ、と思ったんですよね〜。知ってからだと、それ以外に略しようがないんですが。

Men Advance

予想通り元エリートライダー折橋孝治が一周目から抜け出て優勝。エリートへの復帰を決めましたね。

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もう一つの昇格枠は、98年生の菅野将志がゲット。なんとなく昔から見たことのあるような名前と感じていたけれど、上野連や黒瀬文也と同じ世代。まだ若かったのですね。来期残留が目標と言わず、97年、99年生のかっ飛んでいる奴らに紛れ込みましょう。

3位にはエンジンの掛かりが遅かったのか毎周回順位を上げてきていたものの届かず、元ダブルエリートのエシケンこと江下健太郎が3位登壇。

Women Elite / Junior / Men Masters

Women Elite / Junior

小林あか里のDNSと渡欧で、パリに向けて誰が軸足になるのかという考察の機会が先延ばし。パリへのポイント積立は2022、来年の5月から始まる。今年はその来年5月に向けて、UCI大会でのスタート位置を決めるランキングをあげておく年になるのです。こんな状況下ではあるものの、チャンスをしたたかに狙っているでしょう。

全日本U23優勝の川口うらら、2位の矢吹優夏、Junior優勝の渡部春雅。スイスを拠点に戦う小林あか里はいなくても、熱い戦いに期待。昨年成長を見せた優夏がうららにどこまで迫るのか、春雅と前後関係がどうなるかが注目ポイント。

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序盤はうららが先頭、春雅、優夏の順。うららの地元だしこのままぶっちぎるのだろうかと思って撮影。後続はエリート三位で橋口陽子、山田夕貴、早瀨久美、加納尚子。

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二周目のスタート直後の上りを女子1位で駆け上がってきたのはJunior春雅。明治の紫ジャージはまだ違和感ww。昨年学生ロードで高校生オープン参加ながら学生うららに勝った実績から、MTBでの立ち位置も入れ替わるのかと思わせる走り。後では優夏がうららの前。うららは調子が上がらない様子。

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だが、春雅は失速。三周目、昨年スタートゴール裏の激落ちをトップ通過したのはBBQ優夏。直後にうらら。春雅はかなり離されていて、ウエアに土はついていなかったように見えたので、メカトラにでもあったのかと思われる展開。

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だが、やはりうららのうら庭菖蒲谷。徐々にエンジンが掛かった後半四周目にトップに立つと、食い下がる優夏との距離を確保しながら、5周レースを征服。2位は難易度高いセクションに果敢に挑み、まだまだ成長を続ける優夏が続き、春雅はJunior優勝。続く3位は(少なくとも私の前では)安定した走りを見せた陽子が女子エリート3位を確保。

Men Masters

カズは余裕で勝っていると思っていた。

という先入観が崩れたレースとなりました。エントリーリストから、トップは山本和弘、2位に岡本紘幸となるだろう、しかも、多少のトラブルがあってもそれは変わらないだろう、というのが会場にいた人の共通認識だったと思われます。実際、カズはずっと負けなしで速かった。

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スタートから後続を引き離し2人パックを形成。このままふたりの位置関係は変わらず後半に少しずつ間隔が開く流れ。それが崩れたのは一周目コース後半で2人が同時に転倒し、岡本がすぐ復帰、カズが30秒ほど復帰にもたついたこと。

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二周目のスタート直後の登りをトップで登ってきたのは岡本。カズは水谷祐太、酒居良和に続く4位という位置。目の前でマスターズ50の酒居を交わしていくが、その差は30秒。それでも追いつくだろう、その差がどのように縮まって行くのか残さなければと思う自分がいました。

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三周目、四周目と差は縮まるどころか少しずつ離れていく流れ。ここに来て、自分の中にある山本兄弟絶対勝利の先入観が崩れました。彼らも人間であるとw。

レースはそのまま展開し、岡本がカズに初めて勝って優勝。カズに続いて3位は酒居となりました。

さて年代別ですが、チャリ乗りの戦前話は信じてはいけない、を再認識することとなりました。いや、ただ単に自分が信じやすいピュアすぎる人間なのかもしれませんね。戦前はライバルを持ち上げ続けていた……

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山ジャガ酒居がそのライバル有持真人を3分半も離してマスターズ50優勝。チャリ乗りはチャリ乗りなんだなぁと、ただただ自分の愚かさを痛感することとなりました。ってか、40代差し置いての全体3位はすごすぎです。

50 2位(全体6位)には持ち上げられていた有持が順当、序盤から接近戦で50の表彰台争いを繰り広げた田林修吾と塩見学は田林が前でゴール、3位(全体11位)をゲット。

30は、岡本、カズに続いてT-REX、タイ人、ドラゴンと数々の異名を持つ田村竜樹3位(全体8位)。1月に放映された『チャリダー☆』MTB全日本編では終始NHKの画面を賑わし締めのジャンプを任された彼。

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30ラストイヤーは更にどんな異名を獲得するのだろう。エリートから鞍替えし序盤トップ争いをする位置にいた水谷祐太は失速。メカトラかな。

40は、全日本ジャージ狙いに絞ったか? マスターズとアドバンスを揺れ動いた石川正道が今年はマスターズ参戦で40優勝(全体4位)。父娘揃っての全日本ジャージも夢ではない?

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長距離タイプの吉元健太郎はエンジンの掛かりが遅く40秒差を詰め切れず2位(全体5位)、仙人大橋尚哉が3位(全体7位)

60は3人集まらないとクラスが成立しないとのことでしたが、表彰台がどうなったのか見てませんでした。勝手に表彰。

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いつもだいたい同じようなところで競い合う二人。今回は全日本ジャージに身を包む橋本寛二が前でフィニッシュ(全体28位)。

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黒赤ジャージを白赤ジャージに替えるべく虎視眈々の奥村憲央は70秒差の2位(全体29位)。人生の長さからしたら、どんだけ近い所で競い合っているんだって のりを かんじ ますね。

いやあ。橋本さん。ジャージがうれしそうだった〜。

朽木が目の前になったので^^;; 一旦此処でアップ その2に続く


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