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第35回全⽇本⾃転⾞競技選⼿権⼤会-マウンテンバイク(XCO) 観戦記 その3

さてラストレース。

カメラ、Canon 7D mk2は女子レースの途中で水の侵入を許し、電気系が異常を示していました。これで、近距離の撮影はほぼ壊滅的。70-200mmの一本での撮影に追い込まれました。これもダメになればスマホでの撮影に移行となります。雨は嫌いです。はい。

Men Elite / U23

Elite Start

スタートから天城越えまでの動線はスタート集団が抜けたら閉じられるということが前日の女子ユースで分かり、すべてここからの撮影になりました。何年後かに同じここから撮って、選手見えないじゃんっていうくらいの観衆であふれる絵が撮れたらなあと妄想してました。

Men U23
1位 副島達海 2位 松本一成 3位 村上功太郎

U23 Start 左から、真左哉、連、尚仁、(仁)、功太郎、タツウミ、岳宏、渉、絃、一成、創平、優太、亮太、来人 文字通り尚仁の後ろに仁が隠れてます(笑)。

10年撮ってきて、ジュニア、ユース、更にはキッズ時代からレンズ越しに会話している世代。全員に勝たせてあげたいけど、テッペンは一つ。エリートとの混走で、しかも、雨で抜きづらい環境下のシングルが延々と続くコース。巡り合わせが勝負の鍵になる事も十分考えられます。競っていないxxに巻き込まれて……ということにならないよう祈りつつの撮影となりました。

1周目の桜ドロップ。

Lap 1 創平

ドヤ顔復活の創平がトップでやってきました。が、創平がその登り返しでエリートの処理に手間取っている間に、CXで鍛えたタツウミがどやっとチャリを担いで創平を抜き去ります。渉、一成、功太郎、亮太、仁、連、絃、と続きます。いつも最初から飛び出ていく一成が抑え気味。来人、優太、尚仁は機材を合わせられなかったのか、泥に不慣れなのか、トラブル処理に時間を食ったのか、いつもよりポジション下げていました。

Lap 2 一成

2周目。一成が2番手で雨でドロドロのわさびを乗車でクリア。トップ、タツウミは押し、続く渉、功太郎も押し、CX出の来人、ポジションを6番手に落とした創平、亮太は乗車。2分前スタートのエリートがほぼ押しなので、乗車で来るU23が圧倒的に速く見えてました。というか、マウンテンは乗ったままクリアしていく方がやっぱかっこよい。

Lap 3 タツウミ

階段下の撮影でエリートの周回遅れが入り乱れる状況となり、U23のトップを落ち着いて出迎える心の余裕は無くなっていました。つづら登り後のキャンバ下りで、レンズに被写体収めて撮り始めてISO補正で明るくなって、あっタツウミだ、と気づくような状況。そのままU23を出迎えて、一成、渉、功太郎、来人、創平、亮太と順位は変わらないのを確認。

ここで、創平がまわりとは一線を画すような走りでさくっと下っていきバイクコントロール能力の非凡さを見せつけていきました。がFBの記事に繋がります。泥に関わるけんだけにタイヤのおかげだとか言うのでしょうか。ま、この後にエリートのサイボーグさんが創平以上のスピードで、老人カメラマンの反射神経を逆なでするように駆け抜けていくんですけどね。

Lap 4 功太郎

渉がトラブったのか、最終周になって功太郎が3番手にポジションアップ。泥の付いたタイヤでつるつるの岩の上を行く。ネジがいくつか飛んでいるよなぁ、と思う瞬間です。
ま、この後にエリートのサイボーグさんが功太郎のように岩の上で一呼吸おくことなく、老人カメラマンの反射神経を逆なでするように一呼吸でぴょんっと飛び越えていくんですけどね。そう言えば、その彼は今年ネジを何本か抜いてましたね。

タツウミ、一成、功太郎

U23は、タツウミ、一成、功太郎。今シーズンはエリートTop 5、トキ、リッキー、お遼、安里、旭を完全に崩すことが出来なかったけれど、来シーズンはこの勢力図を塗り替えることが出来るのか。楽しみですね。

Men Elite

実は安里が頑張れば頑張るほど、成績を残せば残すほど、劣等感に苛まれる自分がいました。昨年の千葉で負傷した安里。私もほぼほぼ同じ負傷をした経験があったからです。

背骨の圧迫骨折3カ所。身長が1センチ以上縮みました。医者から治療するすべは無いと言われ、あばらを折ったようなものと同じ扱いを受けました。ガチガチにコルセットして一日有休後に出社。腹筋がまともに出来るようになるまで一年半を要しました。今もその事を理由に力仕事から逃げています。

だから、安里が手術してその数ヶ月後には運動し始めているのを知り、羨ましく思ったし、回復を手助けしてくれる医者に出会えなかった自分の境遇と、それに抗えずに受け入れてしまった自分を悔しく思う訳ですよ(笑)。そして、背骨を負傷しそこから復活したことをおくびにも出さない安里と安里を支えた周りの人達のかっこよさ。それを言い訳にしていろいろ逃げ回ってきた私にとっては人間としての劣等感しか湧いてこないです。はい。

だからこそ、本当におめでとうなんです。安里が勝って本当にうれしい。というか、これからの自分の力になります。

さて、時間を巻き戻して。

Lap 1 ここでCanon君が完全に息絶えました。

1周目。天城越えの反対側の最初の登りで待ち構え、平林安里、山本幸平、竹内遼、宮津旭、北林力、竹之内悠が乗車で登っていきます。登りの近距離撮影はCanonに任せていましたが、ここでU23まで撮ったところで何かがびかっと光って、チーン。シャッターがおりなくなります。ここでの撮影は、この後アクシデントでDNFになる人のために保険で、もう一つ上の180°ターンが確実に1人1人抑える本命の場所。そこでの撮影が出来なくなって、撮影プランの焼き直しが必要になります。

ひどくなる一方の雨に、桜ドロップも安全に舐めるだけになると割り切って2周目のわさびに行くことにします。3周目階段下。4周目浄蓮。5周目ゴール下からのゴール。周回数は予定より少なくなっているし、順行なので1周少なくなるのをトップの選手だけゴール下で一枚稼いでのプランにします。

Lap 1 サンバ賢太郎

と、トップは捉えられなかったもののわさびに向かう間、桜ドロップの通過者を押さえていきます。そのドロップの手前の一枚なのですが、全員撮りをしなければ、こういう絵面でしっかり露出を決めて撮る!!みたいな抜き方がしたかったりします。先の見えない未来に立ち向かう不安と緊張感が撮れそうな気がしませんか。ふぅ。全員撮りするために現地に行っているというのに……ジレンマという奴ですね。

Lap 2 力

2周目のわさび。当然のごとく乗車で登ってくる上位陣。リッキーは安里から遅れること1分。2周目の後半と考えると1周あたり25秒差。勝負している距離感ではなくなっていました。後方にお遼が見え15秒差。

Lap 2 幸平

お遼から2分開いて4番手、幸平です。深坂の復活戦で10位。吉無田7位。そして、3週前の修善寺で日本人2位。やはり絶対王者はココロが強い。一線は退いたと言っても照準合わせてくればこの位置に来ます。若者たちはもっと奮起しなきゃダメです。

25秒で旭、30秒で悠、30秒で戸谷亮司。1分空いて西山靖晃がエリート初の押し、30秒で箭内秀平、30秒で小笠原崇裕、5秒で永田隼也と続きます。

Lap 2 隼也

??永田隼也??と2度見3度見。トップダウンヒラーのイメージが強い永田隼也がXCOエリートのフルラップ完走圏を走っているということ。全日本XCE/XCCに出てきてフィジカル的にXCも行ける人なのだとは思っていましたが、持久力も並大抵ではないということでした。XC,DHダブルエリートはかの坂本章様だけでは無かったのですね〜。

Lap 2 和也(13位 -2 Laps)

美山のヌタヌタ坂をスルスルと乗車でしかもごぼう抜きしていった時から、私の中では泥坂マイスターの萬屋和也。当然のごとくわさびもスルスルと登ってきます。以下、Lap 2 わさびを乗っていった人達。

Lap 2 佐藤誠示 (12位 -2 Laps)
Lap 2 黒瀬文也 (18位 -3 Laps)
Lap 2 長谷川拡介 (20位 -3 Laps)
Lap 2 菅野将志 (27位 -3 Laps)
Lap 2 木下雄介 (28位 -3 Laps)
Lap 2 お遼

由香里さんに取り上げてもらった一枚。目の前のわさびを登る選手が居なくなったときにふと目に移る選手を遠景で収めたもの。由香里さんが写っていることには気がついてませんでした(笑)。
567回復直後のレースを3位で走るお遼はこの後クラッシュでDNF。体調が完全に戻らない状況で表彰台に届く走りをしていただけに惜しい。

お遼のレベルになると、勝ち負けだけで無く、自分のまわりにいっぱいドラマを作ってまわりを感動させることも重要だと思います。アスリートって結果を求める面がクローズアップされるけれど、競い合う姿を見せて人の心を動かすヒーローという面も忘れてはいけないと思うのです。もっと人々の目を集めて、人々の心を動かしていきましょう。

Lap 3 旭

わさびで全員撮りを出来るだけ完遂しようと粘ったことと80%で切られる前に周回遅れが発生する事態に気がつくのが遅れ、3周目は階段下のはずが階段エリアに移動したときには既に安里がつづら登り。しかも、目の前で周回遅れとトップグループが交錯するシーンに出会ってしまいます。そんな混乱の中の一枚。幸平を追いかける王滝職員にして王滝チャンプ、一般人トップのPAX旭。3週前の修善寺の戦いでも幸平と絡んでいるので、力的に同じところにいるのでしょう。最後まで幸平に絡み続けられなかったのが残念。(あれ?幸平はもう一般人扱い?)

で、どんな混乱していたのかですが。日本の一番を決める大会の周回遅れという事態に、XC三級審判魂というか、安全、公平、公正なレースをさせてあげたいという一般観客には必要ない心が動いてしまいます。階段下に行くはずが階段途中で立ち止まり、カメラそっちのけで周回遅れの選手に声かけを始めてしまいました(威圧的に聞こえていたらごめんなさい)。だってボトムの橋をわたった後の上り下りはコース幅がほとんど無くて、周回遅れの選手が留まらずにクリアする事が出来ないセクションなのです。「そこで止まってxxを行かせてあげて〜。あ〜行かないで〜」(青少年向けに翻訳してます)ってね。ははははは。なので、はっと気がついての後追い写真が多発してしまいました。全員撮りカメラマンにあるまじき行為、申し訳ありません。

Lap 3 悠

3周目の階段周りでは、安里、リッキー、幸平、旭の順で5番手が竹之内悠。荒れたレースでTop 5-2 +幸平の次の座は悠が占めました。このあと2周して5周フルラップする最後の人になります。なんと比較的長いコースでありながら結果として完走5人のレースでした。

Lap 3 靖晃

今回重点的に撮りたかったキャンバ下り。思っていた以上に暗くて想定していたものは撮れませんでしたが、その中から一枚は焼鳥シマウマジャージの西山靖晃。ただでさえ難易度MAXのコースに雨の状況で師匠門田基志の前でレースを展開。巨人フレームではトップの6位となりました。

Lap 3 崇裕

そのキャンバ下りを前から。どこか人と違うアプローチをする人、小笠原崇裕。確かに真ん中に付けなさいというルールはないですね。今シーズンはCJ出場無しで全日本のみの参戦。そんでもって、42にして全日本自己最高位四度目の8位ゲット。やっぱり、目が離せない人ですね。

Lap 3 隼也

2度見3度見をさせたトップダウンヒラーは、キャンバー下りをやはり無難にこなしていきます。結果はなんと9位、-2 Laps。もしかして男子では史上最強のダブルエリートですかね。ううむ、DHのデータベースも作らねばですな。あ、もちろん女子は末政実緒ですね(笑)。次点はあか里ママ小林可奈子。

Lap 3 秀平

今年はデフリンピックで地球の裏側まで行ってきた箭内秀平。10位- 2 Laps。アグレッシブな走りで良い絵を提供してくれる彼なのですが、今回はとことん巡り合わせに嫌われてしまいましたね。最近、20位以降の成績が多く調子落とし気味なのかなと思っていましたが、ピークを合わせるべき大会にしっかり合わせて来たようです。

Lap 4 亮司

4周目はフィードゾーンエリアから更に移動して浄蓮か枯山水を覗こうかと思いましたが、ダブルフィード故に行きと帰りの選手が交錯してあっちゃこっちゃしてしまいしまったため、この記事一番上の安里の絵を撮った後はゴール下の岩越えに張り付きます。
戸谷亮司はこの後4周回完了前にで80%にかかりレース終了。- 1Lap の7位となります。40オーバーの一般人で日本で7番目です。まじすごい人です。

Lap 5 安里

ここでトップを撮ってゴールで構える。圧倒的な速さで異次元の走りを見せていた安里は、この後私のファインダーの真ん中に収まりませんでした。他の選手なら必ず岩の頂上でタメがあるのですが、安里はこの岩を登って降りるではなく、テーブルトップをジャンプでこなすかのように一つの流れで越えていったのです。別の次元でコースを捉えているのだな、と思わせてくれる瞬間でした。

ちなみに、この後のゴールは時間的には間に合ったもののやはり全日本というだけあってビブ付きいっぱい、野良もいっぱいで、まともな位置取りできずでした(笑) 雑誌やWEB等でお探しください(笑)

安里、リッキー、幸平

安里。怪我からの復帰も含めて、改めておめでとう。

いやーーー、最後はホント寒かった。

そして、今シーズン、選手の皆様、サポートの皆様、レース運営の方々、機材サポートの方々、お疲れ様でした。

来シーズンもまたよろしくお願いします。

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