ミュージカルファンの私が初めてバレエを観て驚いた3つのこと
劇場にオーケストラのチューニングの音が響いてる。
それだけでわくわくするのは何故だろうか。
それはきっと今から舞台の幕が上がることを知らせているからだろうか。
Kバレエカンパニーのバレエ『くるみ割り人形』を配信で観ました。
そもそも『くるみ割り人形』とは、
童話『くるみ割り人形とねずみの王様』を原作にした、ピョートル・チャイコフスキーの作曲したバレエ音楽。また、それを使用したバレエ作品。
チャイコフスキーの三大バレエの一つ。ちなみにくるみ割り人形とは、元々人形の形をしたくるみを割る道具のこと。
今回のバレエ鑑賞。私の初めてバレエ鑑賞となりました。
くるみ割り人形の演目を選んだのは、以前に映画『くるみ割り人形と秘密の王国』を観たことがありストーリーを知っていたから。
そして、以前から気になっていたKバレエカンパニーの公演であるとゆうこと。
Kバレエカンパニーとは、熊川哲也さんが芸術監督を努めるバレエカンパニー。
もしこれを読んでる方の中で三浦宏規さんのファンの方がいらっしゃったら、
ご存じかと思うのですが、熊川哲也さんは”あの熊川哲也さん”です。
もし私が三浦宏規さんを知ることがなければ、きっと私は一生バレエを観ることはなかった。
そんなご縁によって鑑賞の運びとなった今回の公演。
見始めるまでは「バレエとはどんなものかも知らず、果たして私は最後まで観ることができるのか」不安でいっぱいでした。
▼バレエ初見者による感想(以下、ネタバレ含む)
公演が始まり、まず「私、バレエ大丈夫かも。むしろ知ってる感覚がする。」とおもいました。
それはなぜか説明すると、
始まり(導入部分)が演劇的で見やすかったから。
舞台を観るモードにスッーと入れました。
▼ごめんなさい。私、誤解してました。
バレエって始まりから終わりまでずっと踊ってると思ってました。
でもいきなり踊ったりしませんでした。
心地よい音楽の始まりと演劇要素のある始まりの自然な流れで鑑賞をスタートできました。
▼3つの驚いたこと
鑑賞の間、3つの驚いたこと・気づきがありました。
まず驚いたことは、
「台詞がない!」とゆうこと。
普段私はミュージカルを観るんですがミュージカルは台詞があります。台詞を聞いて話を理解します。
それに対し今回は音楽はあるけど、誰も一言も話さない。
「つまり台詞がない!」
チャップリンの映画は観たことがあったけど、舞台関係では初めてでした。
しかし、不思議なことに台詞はないのに、言いたいことは伝わってきました。
それは今まで台詞があるのが当たり前の環境にいた私にとって新鮮な経験でした。
それは何故だったのか。
一つ気づいたことがあります。
それは出演者の方の表情が豊かなこと。身振りが大きいこと。そして、舞台上で何が起こってるのかがとても分かりやすいこと。
今、舞台上のどれを観たらいいかが分かりやすい。
どのシーンも洗練されていて無駄な動きがないので、観ながら余計なことを考えなくていい。
それはすごくストレスフリーでした。
お芝居のシーンも踊りのシーンも集中して観れる。
きっちりと構成と演出が組まれてるおかげだからでしょうか。
次に驚いたことは、
「圧倒的、美!」そう、美しいです。
ツイッターでもツイートしたのですが、衣装もセットも音楽も踊りも構成に至るまで全部が美しい。
もちろん始まった瞬間から美しいんですが、
特に目を奪われたのは、突然クリスマスツリーが大きくなるシーン。
セットの切り替わりが魔法みたい。美しい。
大好きなシーンです。
雪片のワルツで雪が舞う中の踊りも美しくてため息が出るほどで、
お菓子の国でアラビア人形やスペイン人形、中国人形にロシア人形、フランス人形が色とりどりの衣装でテイストの違う踊りをするところは展開が早く、瞬きをする瞬間を失うほどでしした。
そして、花のワルツ。この曲はバレエ観たことのない私でも知ってました。
お菓子の国の華やかさが集結したようでした。
雪の女王と王の踊りは魅入ってしまってました。
こんな美しいもの日本にあったんですね。
そして3つ目の驚きは、
踊り、演技、表現、衣装、セット、音楽、演出、さらに終わらないカテコ... 出演されてる方と観客の方の熱量の高さに驚きました。
バレエってこんなにパワフルで熱量のあるものだったんですね。
このまま終わらないでずっと観ていたい。この世界観の中に住みたかった。
劇場にいたらきっとスタンディングオベーションしてました。
▼バレエってすごい!
こんなに美しいものを観て、もう後には戻れなくなってしまいました。
今度は劇場で観たい。劇場行きたい。
今回の配信で「バレエってすごい!」ってことを知りました。
良い意味で今までのバレエのイメージが壊れました。
久しぶりに良いものを観ました。
バレエに出会えて良かった。
Written by アレキサンダー李乃 / Alexander Rino