見出し画像

【自動運転】レベル4バスに乗ってみた。レベル4?!

2025年になりました。21世紀が4分の1ほど終わってしまうわけですが、私が子供の頃に妄想した2025年は空飛ぶ車が飛び回り、火星にコロニーができ、おっさんもオバハンも全員ピッチピチの全身タイツ!みたいな様相となるはずでした。空飛ぶ車は大阪万博で披露されるようですが火星のコロニーは今世紀中にできるのかどうかわからず、ピッチピチの全身タイツはスピードスケート選手以外誰も着ません。そらそうだろう、あんなもん着たいやつ誰もいねーよ。
それらの妄想の中に無人で動く車、なんてものもあったわけですが、その自動運転車はだいぶん開発が進んできました。

国土交通省「自動運転に関する取組進捗状況に
ついて」(https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001583988.pdf)

自動運転レベルは国交省やNHTSA(アメリカ運輸省道路交通安全局)などによって定義され、レベル4(高度自動運転)はGoogle傘下のWaymoが実現、アメリカで自動運転タクシーサービスが開始されています。
レベル3(条件付自動運転)にはホンダやメルセデスの乗用車が認定されています。人口に膾炙しているテスラのオートパイロットはレベル2(部分自動運転)相当と見做されています。
日本では2023年に福井・永平寺町の観光用小型モビリティ・ZEN driveがレベル4認定を受け、話題になりました。京福電気鉄道永平寺線の廃線跡である遊歩道に磁気マーカーを埋め込み、それに沿って走行するタイプです。レベル5(完全自動運転)まであと一歩です。
そして2024年末、ついに公道を堂々と走るレベル4の路線バスが登場したというので乗りに行ってみたぞ!

自動運転バスは松山市郊外の伊予鉄道高浜駅と松山観光港の間、約1.6kmを走行します。伊予鉄バスの運行です。
松山観光港は広島や呉とフェリーや水中翼船で結ぶ、松山の海の玄関口です。広島方面からの帰省の人に便利ですね!
さて、高浜駅で伊予鉄電車を下りて右を向くと、停車しているバスが見えてきます。普通のバスに比べるとかなり小さいバスです。車体はEVモーターズ・ジャパン製の小型EVバスで定員12名、これにソフトバンク系列のBOLDLYの自動運転システム(センサー42台)を搭載したものだそうです。不測の場合に備えて運転手が運転席で待機します。
広島方面へ戻る帰省客らしきスーツケースを持った人も乗り込んできます。

伊予鉄道高浜駅前に停車中の自動運転バス

バスに乗り込むとまず「シートベルトをお締めください」という案内があります。まあ万一に備えてシートベルトは必要だよね、と思ったら。
「このバスは公道に出るまでは運転手による運転で走行します」えええええええ!!
なんか釈然としませんが高浜駅構内を出てからはバスは公道をスムーズに走ります。満席(といっても定員12名)に近く席の位置が悪かったため、運転席はよく見えません。車内は普通の小綺麗な小型バスで、変わったところといえば前方のデジタルサイネージでバスの位置情報を示していることでしょうか。
松山観光港にはすぐに着いてしまいました。そら1.6kmだもんな。支払いは電子決済のみで、交通系ICカードが使えます。PASMOも問題なく使えました。230円也。

松山観光港に到着するところ

しょうがないのでまたバスで高浜駅まで戻ることにします。
帰りのバスは空いていたので、運転席が見える席を取ります。といっても半分ぐらいしか見えんかったな。
座ってるだけでは手持ち無沙汰なのか、運転手がたまにハンドルを触っちゃいます。をい。

運転手さんに少し話を聞いてみました。
ーーセンサーは前方と後方に搭載しているのですか。
「側面にも搭載しています。側面上部にあるのがそうです」

車両側面上部にもセンサーが!

ーー道路側に磁気マーカーとかを仕込んでいるわけではない?
「道路は普通の道路です。バス側だけで自動運転を行っています」
ーー公道に出る前は人間が運転しないと難しいのですか?
「ほかの車との距離が近すぎるとセンサーが機能しにくい。定時運行のために一部人間による運転を行っていますが、時間をかけていいのなら全行程自動運転は可能です」

と、全行程自動運転は可能であることを強調していました。
磁気マーカー使用のZEN driveやほかの観光地の小型モビリティとは異なる、バス側だけで自動運転を行えるせっかくの自律した自動運転バスです。やっぱり全行程自動運転でやってほしいのう、と思うわけです。他にも運転席を録画してる人はいたわけで、注目されてるっぽいわけなので、何だ人間が運転してんしてんじゃん!と言われないようにレベル4らしいところを見せてほしいのだよ!

いいなと思ったら応援しよう!