ロックのほそ道2024 in 仙台GIGS 9月18日(水)公演について
2024年9月19日、帰りの東北新幹線が車両の走行中分離によって運転見合わせになり急遽乗っている在来線の中でこのnoteを書いています。
タイトルどおり、このnoteでは2024年9月18日(書いている時点では昨日の話ですね)に参加した「ロックのほそ道2024」について書いていきたいと思います。
まずはおさらい的な意味で、そもそもロックのほそ道とは何かについてから。
ロックのほそ道は、ごく端的に言うとスピッツ主催で2010年から始まった東北地方限定イベントになります。途中コロナ禍を挟みながら今回が13回目の開催となる割と歴史のあるイベントで、毎回スピッツ以外に2〜3組のバンドが出てくれます。
個人的には2015年と2022年、そして今回の計3回このイベントに参加しています。
ちなみに2015年の時はリンクステーションホール青森でスピッツ・ウルフルズ・スキマスイッチ・フラワーカンパニーズ、2022年の時は仙台サンプラザホールでスピッツ・sumika・フラワーカンパニーズの演奏を生で見ました。
フラワーカンパニーズはこのロックのほそ道というイベントとズブズブで、通算13回の開催のうち今回も含め9回も出演してくださっています。個人的にフラカン好きなのでかなり嬉しいです。
そして今回、2024年9月18日公演は仙台GIGSでスピッツ・羊文学・FOMARE・フラワーカンパニーズの4バンドの演奏を見ることができました。出演回数が多いとはいえレギュラーというわけじゃないので当然出演していない公演とかもあったりするんですけど、私が参加する公演には100%の打率でフラカンがいるのちょっと面白いし嬉しいですね。
会場の仙台GIGSはいわゆるライブハウスで、入り口でドリンク代600円を支払ったんですけど、ドリンクチケットとして記念のギターピックを貰えました。ドリンクと交換したら無くなっちゃうんですけど、普通に欲しかったのでドリンクには替えずに持って帰りました。
以下その写真です。
キャパとしてはオールスタンディングで1560人程度らしいです。私は1階スタンディングで整理番号816番と割と後ろの方の番号で入ったんですが、なんか上手いことスルスルいって結果的にはかなりいい場所で見ることができました。(上手側、ステージから5〜7mくらいの距離)
前置きはさておいて、ここからは中身について書いていきます。羊文学・FOMARE・フラワーカンパニーズはゲストなのでセトリに特にネタバレとかないですが、スピッツはこの後もロックのほそ道2024のDay2や豊洲サンセットが控えているため、ネタバレを踏みたくない方はここでブラウザバックしてください。
スピッツについて書いていく前に、まずは他の出演アーティストについて少し。お恥ずかしながら演奏した曲のタイトルが全部わかるほど詳しくないので、軽い所感程度で書いていきたいと思います。
まず出順としてはフラワーカンパニーズ→羊文学→FOMARE→スピッツの順でした。毎回そのバンドの登場の前には軽い紹介Vみたいなのが流れるんですが、フラカンの紹介Vで「結成35周年!今が旬!」と出た時は思わずニヤけてしまいました。
フラカンの1曲目は「深夜高速」。これ凄すぎました。なんかもう泣いちゃいました。久しぶりにバンドの生音を身体で浴びた感動とか、「深夜高速」という曲が持つ力、生の実感というか、ロックバンドの凄みみたいなものに触れた感じがしてめちゃくちゃ泣いてました。前回参加したロックのほそ道2022ではトップバッターのフラカンで泣きすぎて涙枯れちゃってその後本命のスピッツは割とカラッと見れたという思い出があるのですが、今回も例に漏れずでした。トップバッターフラカンはズルい。
フラカンはその他にも「ラッコ!ラッコ!ラッコ!」という新曲も披露してくれたりしました(口頭なので表記は間違ってるかもしれません)。ボーカルの鈴木さんの「推し」であるラッコが今日本に3頭しかいないことを受けてラッコの曲を作ったと語っていました。さらには今年の11月にまた同じ会場で斉藤和義とThe ピーズでイベントをやるそうで、普通に行きたくなりました。実験4号とか聴きたすぎる。
そして今回、個人的に大きすぎる出会いというか、本当に見れてよかったのが羊文学でした。
かねてより名前は聞いたことがあったのですが、なぜか自分の中で「よくありがちな大学生に毛が生えたみたいなバンドだろう」と勝手に決めつけて昨日までずっと聴かずにいました。そして、それは大きな間違いでした。
フラカンの出順が終わって、楽器の入れ替え等が終わり、羊文学の紹介Vが流れ、華奢な女の子3人がステージに登場し、各々楽器を手に取り、一発目の音を出した瞬間、もう惹きこまれちゃいました。シューゲイザーだ…
後々調べたら最初に演奏していたのはどうやら「予感」という曲の間奏部分だけ抜き出したものだったらしいのですが、初めて呼ばれたイベントでインストから始めるという肝の座りようもすごいなと感じました。
シューゲイザーとかノイズパンクとかそこら辺の音楽の要素を感じさせる歪んだギターによる音の壁とフィードバックノイズ、力強くて腹の底まで響いてくるリズム隊、ボーカルの歌声のどこか浮遊感があるけどふわふわすぎず強さもある感じ、全部含めて羊文学のファンになりました。多分今回の公演に参加した人全員羊文学のファンになって帰ったと思います。それくらい良かったです。
(ちなみにマサムネさんがMCで「もっとシューゲイザーっぽいのかなと思ってたけど生で見たらロックな感じだった」みたいなことを言っていて、「シューゲイザーもロックじゃない?」とリーダーにツッコまれていました)
個人的には最後に演奏していた「Addiction」という曲がかなり好きでした。イントロから繰り返されるリフとか全体的なサウンドからmy bloody valentineとかSonic Youthみを感じて終演後から今までめちゃくちゃヘビーローテーションしてます。
是非。
あとボーカルの方(塩塚モエカさん)の演奏中のかっこよさとMCの緩さのギャップもかなり良かったですね。「対バンは喧嘩なんで」と両手をファイティングポーズみたいに突き出した後に「バイク」と言ってバイク川崎バイクみたいにバイクのハンドルを回す仕草をした時は容易く撃ち抜かれました。
(追記・2024年9月20日: 羊文学のドラムの方は現在休養されているようで、今回はサポートメンバーとして元CHAIのドラムのユナさんが入られていました。)
FOMAREに関しては完全にお初にお目にかかるバンドだったのですが、マサムネさんもおっしゃっていたとおり音がザクザクしていてタイトで、曲も真っ直ぐというか毒がない感じで、こういう対バン形式のライブで盛り上がるバンドだなと感じました。
ベースボーカルの方のアンプの上に某赤と白のストライプでお馴染みのアダルトグッズが置いてあったのはあれお馴染みみたいな感じなんですかね?
それでは、他の出演バンドのことはこれくらいに留めて(もっと書きたいこともありますが)スピッツについて書いていきたいと思います。
とりあえずセトリから
1. たまご
2. ハチミツ
3. 恋する凡人
4. 怪獣の花唄(カバー/ Vaundy)
(MC)
5. 群青
6. 魔法のコトバ
7. ローテク・ロマンティカ
(MC)
8. 美しい鰭
9. 8823
10.野生のポルカ
(EN)
1. 歩き出せ、クローバー
2. めぐりめぐって
ライブ当日である9月18日は『空の飛び方』の30周年記念盤の発売日だったので、『空の飛び方』から何か1曲はやるだろうと思っていたんですが、まさかの1曲目「たまご」で誇張表現でもなんでもなく普通に声出ました。(後々調べたらロックロックこんにちはでもたまごやってたっぽいので今回限定というわけではなさそうでしたが…)
「たまご」「ハチミツ」と、開始から2曲連続で初めてライブで聴く曲だったのですごく嬉しかったです。今回のライブではこの2曲と「歩き出せ、クローバー」「魔法のコトバ」が個人的お初の曲でした。アルバム『ハチミツ』から2曲(しかも両方アルバム曲)やったのは個人的に驚きでした。
「歩き出せ、クローバー」はライブで聴きたいと前々から自分の中で思っていた曲なのでかなり嬉しかったです。ちょっと前に自分で勝手に「ゴースカで自分がリクエストした10曲をなんでも演奏してもらえるとしたらなんの曲をリクエストするか」をテーマに10曲選出してたのですが、その中に「歩き出せ、クローバー」が入っていたので今回夢が叶いました。(独りで何をしてるんだと思ってもスルーしてください)
「歩き出せ、クローバー」についてですが、ギターソロがCD音源より1オクターブ高かった気がします。CD音源はおそらく6〜4弦のローフレットを使って演奏していると思うんですが(手元にギターがないので完全な推測です)、明らかに運指も聴こえてくる音も1オクターブ高かったです。
(追記・2024年9月20日: CD音源を聴いたんですけど、普通に思い違いだったっぽいですね…(汗) 脳内で勝手に音を低く見積もってました)
あとテツヤさんが「歩き出せ、クローバー」と次に書くカバー曲で赤いストラトキャスターを使用していたのですが、何気にテツヤさんがストラトキャスターを使って演奏しているところを初めて見たかもしれないです。
そしてそのカバー曲なのですが、今年はVaundyの「怪獣の花唄」でした。スピッツは毎年ロックのほそ道でカバー曲を披露してくれるのがお馴染みになっていますが、今回は他のイベントでも既にやっていた「怪獣の花唄」を聴くことができました。
原曲キーで演奏していたのですが、サビの高音がまるで衰えを感じさせぬほどに綺麗でただただ感動していました。演奏した後にマサムネさんが「今日の盛り上がりのピークはここなんで、ここからはゆったりした感じで…」と言っていたのも面白かったです。
「ローテク・ロマンティカ」を久しぶりに聴けたのも嬉しかったです。実は2015年にロックのほそ道に参加した時もセトリに入っていたので、滅多にやらないような曲なのにまさかの2度目のご対面をしてしまいました。(調べたら過去20年間で演奏したのは2015年の夏イベントと今年の夏イベントだけらしいです。なんという偶然。)
「ローテク・ロマンティカ」、言ってしまえばスピッツの曲の中でも割と地味な曲というか目立ちづらい曲だと思うんですけど、久しぶりにライブで見たらかっこよくて迫力があってめちゃくちゃ良かったです。ギターソロではテツヤさんがスライドバーを使って演奏していてそれもまたレアでした。あと目の前でテツヤさんのコーラスを見れたのもかなり幸でした。
「美しい鰭」「8823」「野生のポルカ」は完全にボルテージMAXゾーンでした。「美しい鰭」ではテツヤさんはいつも通りジャズマスを、マサムネさんはレスポールじゃなくて3050の時に使ってたSagoのオリジナルギターを使っていた気がします。(マサムネさんのギター見えづらい位置にいたので間違えてたらすみません。)
「8823」ではリーダーが上手側まで来てファンサービスしてくれたり﨑山さんの真横で演奏するなどやりたい放題やっていました。スピッツライブの醍醐味ですね。個人的な話になるんですが、「美しい鰭」が終わってスタッフさんが持ってきた次の曲用のギターを見て「ああ8823だな」と思っていたら本当に8823だったので自分を恐ろしく感じました。
あと、すごく細かいことではあるんですが、「野生のポルカ」を演奏する時毎回「飛び回りたい "みちのく"の空を」って歌ってくれるのがどこの県も置いてけぼりにせず扱ってくれる感じがして好きです。東北といえば仙台みたいなとこあるし(会場も仙台だし)、私が住んでるところがとかく忘れられがちな場所でもあるので、なんかつい嬉しくなっちゃいますね。
MCについては、記憶力が鶏すぎてどこのMCで何を話したというのをあまり覚えていないので覚えてることから書き出していきます。もちろん鶏なので一語一句あってるとは限りません。ニュアンスなのでそこはご容赦。
一番印象的だったのは、FOMAREのボーカルの方について
マ「FOMAREのボーカルのアマダくんを見てると(マッシュっぽくて)30年前の俺を思い出すね。」
マ「でもね、最近はコンディショナーとかもしてるんだけど天使の輪が出なくなっちゃったね」
テ「まあ地毛じゃないもんね(ニヤリ)」
マ「ダメだって///」
テ「楽屋は立ち入り禁止だからね」
マ「モザイクでこうね(頭のあたりを手で覆う)」
みたいな話をしていたときでした。会場大ウケで私もめちゃくちゃ笑っちゃいました。
マサムネさんは東北地方が好きで、今年の頭とかスケジュールがゆったりしていたので東北6県回ろうかなと計画してたらしいんですが、結局福島と岩手しか行けなかったそうです。自分のところには来なかったので「来て〜」とも思いましたが、いち東北人として東北地方に足を運んでくれるのは素直に嬉しいですね。あと今回の楽屋に芋煮が宮城の味と山形の味の2種類置いてあったらしく、「今俺は芋煮で動いてる」と言っていました。
「スピッツのライブでは頭上クラップをさせるような曲がないね」みたいな話からやってみようみたいになって、マサムネさんのクラップに合わせてみんなでパチパチ叩いてたらそれに合わせてマサムネさんが「鳥になって〜 鳥になって〜♪」と口ずさみ始めた時は本日二度目の「声出た(誇張なし)」になりました。
MCで思い出せるのはこれくらいですかね。多分私のMCレポよりもTwitterで検索かけた方が上質なレポが出てくると思います。(元も子もない発言)
そして最後の曲は「めぐりめぐって」だったんですが、これもう毎回スピッツのライブは「めぐりめぐって」で締めた方いいってくらい良かったです。
「違う時に違う街で それぞれ生まれて
褒められて けなされて 笑ったし泣いたし
たまには同じ星見上げたりしたかもね
そして今 めぐり逢えた」
この歌詞が好きすぎて、そしてあまりにライブの終わりにふさわしすぎて、楽しいこの時間が終わってほしくないのに3分とかそこらしかない曲だからあっという間に終わってしまうのが儚くて切なくて、こんなに寂しいのに曲調は明るくてそれがまた切なくて、色んな感情で揺さぶられているうちにスピッツの演奏が終わってしまいました。
最後マサムネさんが「どうもありがとうございました」と挨拶をした後、ライブで得た多幸感とか、ライブが終わってしまった喪失感とか、色んな感情で呆然としていたら…
なんと………………!!!!
曲が終わって舞台袖にはける前にマサムネさんがピックを客席に投げたんですが………!!!!
そのピックが私がいる方向に飛んできて…!!!!
私の目の前の人がキャッチしたんです!!!!!!!!!!!
読んでくださってる方はもしかしたら「お前じゃないんかい!」と心の中でツッコまれたかもしれませんが、もう呆然としてる場合ではありませんでした。自分が取ったわけじゃなかったんですけどめちゃくちゃ興奮して、キャッチした目の前の女性に「おめでとうございます!」とか話しかけちゃいました。
(どうやら私の足元に飛んできていたらしいのですが、私はマジで呆然としていたので気づけませんでした。少し悔しいですがこればかりはしょうがありませんね。)
ちなみに終演後にお写真も撮らせてもらえました。ご厚意にただただ感謝です。
そんなこんなで、最後に特大イベントもありながら私のロックのほそ道2024は幕を閉じました。過去一で近い距離から、世界で一番大好きなバンド・スピッツの演奏を見られて、しかも羊文学という新たな音楽とも出会わせてもらえて、本当に最高の1日でした。
スピッツのセトリのプレイリストを一応載っけておきます。
これを書いているうちに東北新幹線の運行見合わせに狂わされて乗った在来線もすっかり地元に到着してしまい、「家に帰るまでがロックのほそ道」理論を援用しても私のロックのほそ道2024は完全に終わってしまいました。少し寂しいですが、スピッツや他のバンドから貰ったエナジーで退屈な日常を頑張って生きていきたいです。
みなさんも、スピッツを聴きましょう。