貴方を背負うということ

「僕たちがあなたを背負うから」

ファ~~~~~~~~~~~~~~……

みなさんタイプロ最終回のここ覚えていますか?
新メンバーのうちの一人に選ばれた篠塚大輝くんへ、佐藤勝利くんがかけた言葉です。

あの、勝利担わたくし、
この言葉を視聴後からずーっとずーーっと、本当に何日もずーーっと引きずってて、きっと生涯引きずって生きていくんだろうなと思うんですけども

ほんとうにすごい、すごいシーンでした……
ザ・ハイコンテクスト日本人佐藤勝利の伝説がまたここに新たに刻まれたな、と思いました。

今回はこのシーンのどこがどんなふうに良かったかを、勝利くんの紡ぐ言葉が大好きな勝利担という目線からただひたすら書き殴る回にしようかなと思います。

まずここでいうハイコンテクストとは要するに、背景や文脈に依存したコミュニケーションのことですね。
何かを伝える時に、言葉そのものよりも言外の意味や暗黙の了解を重視し、相手に行間を読み取ってもらうというコミュニケーションの仕方です。逆に伝えたいことをより明確に直接的な言葉で伝えることはローコンテクストということになります。世界的に見ても、日本はハイコンテクストの傾向がとても高い国です。

勝利くんも自分で「直接的な表現は苦手」「自分の悪い癖」としながらも、このようなコミュニケーション方法を各所でとっている印象です。悪いとは思わないけどなぁ!!(鼻息)

一番の伝説といったらやっぱり「信じる人を決めろ」。

聡が仕事で悩んでたとき、オレ、「信じる人を決めろ」って言ったことがあって。本心は「オレを言じろ」だったけど、それは照れくさくてさ。前向きに考えないと先へは進めないし、もっと実力をつけて評価されて、オレたち自身が“5人である意味”を提示できなきゃダメだって伝えたんだけど、その言葉を信じてくれてありがとう、かな。

1歳しか違わないのに、大人でかっこいい勝利を最初は勝手にライバル視してた。勝利も無口で、何を考えてるかわかんないから、余計にムカついて(笑)。でも、オレが苦しんでるときに「一人で抱え込みすぎ。まずは信じる人を決めろ」って言葉をかけてくれて。誰も信じられないでいたオレを救ってくれた。今は一番信じられる人だよ。

QLAP! 2016年11月号より

やばくないですか?
自分のことを信じてほしい、と伝えたいときに選ぶ言葉が「信じる人を決めろ」なんですよ。信じる対象をあなた自身で選びなさいと言いつつ、本当は自分を選んでほしいんですよ。なんと奥ゆかしい人……

このハイコンテクストぶりが、勝利くんのメンバー愛が激重と言われる所以だと思うのです。
はっきりとは言わないけどわかってよ 信じてるから、がいつも勝利くんの言葉の根底には存在している。

そして恐ろしいことに、「信じる人を決めろ」を受け取った聡くんは、その言葉をなんの疑いもなく「俺(=勝利)を信じろ」と翻訳し、見事正解しているんですね。すごすぎる。

これ話し手と受取り手のコミュニケーション能力の高さが両立していないと成り立たないめっちゃすごいことなのです。言葉の奥をちゃんと読み取ることができる人に対してしか、このハイコンテクストなコミュニケーションは効果を発揮しない。
勝利くんがどこまで深く考えているかはわからないですが、やっぱり本当に信頼できると思った人に対して自然とこういう言い回しが発動している印象があります。

そして勝利くんのハイコンテクスト、ファンに対してもしばしば発動するんですよね……
雑誌の中の言葉やライブの挨拶など色々ありますが、一番わかりやすいのは作詞。
勝利くんも自分で 作詞するときは暗喩を多用する と言っていましたがまさにそうで、勝利くんの歌詞には「〜ような」といった明喩はほとんどありません。しかもその歌ができた時期にあった出来事まで履修していないと完全な読解はできないことが多いです。言葉そのものではなく、その背景を読ませようとする。

例えば2016年のアルバムに収録されたソロ曲 「Last winter's night」。
2016年は、しばらく続いた謎の3人体制から、元の5人体制へようやく復活した年でした。

真冬の寒さは
僕らが消すから
春になり笑えるかなあの日より
Last winter's night

Last winter's night

もし3人体制のことを詳しく知らないで聞いたら全く違う歌に聞こえるこの歌詞。もし知らない方がいたら軽く調べてみてください。
背景があるかないかで聞こえ方が全く変わる。そういう言葉を書く人です。

雑誌などでポロッと語られる作詞裏話を聞くと余計に興味深いです。松島とマリウスの名前を入れたかったけど難しかったから「ま」だけ使って「真冬」にした、とか。
わかるかい!と突っ込みたくなる部分もありますが、これほどハイレベルなことを我々ファンに対して課してくるということはつまりどういうことかを考えると泣けます。勝利くんがどれだけファンのことを想い、信頼しているかが窺えますね。

やっとはじめの話題に戻りますが「僕たちがあなたを背負うから」も暗喩っぽくて非常に勝利くんらしい伝え方ですよね。しののことを相当信頼していないとこの伝え方にはならないと思います。

「シノは、どうなるか分からない。でもある種、そこに懸けてみたいっていう思いをさせてくれる魅力があると思いました。僕たちが、あなたを背負うから。ずっと食らいついてほしいし、乗り越えられると、本当に心の底から思います。シノを、背負ってみたいと思いました。ずっと一緒にいたいと思いました。仲間になってほしいなと思いました。これから、よろしくお願いします。」

timelesz project -AUDITION-
18. episode 16 最終審査&新メンバー決定!

ストレートな言葉もありますがやはりどこか間接的な、例えっぽい表現が多いです。
その中でもやっぱり「あなたを背負う」という部分。勝利くんが何を伝えたくて「背負う」という比喩を選んだのか。

その答えはまだ聞けていませんが、わたしなりに推察させていただきたいと思います。
いちファンの勝手な、本当に勝手な妄想ということを前提に聞いてください。

わたしなりの「僕たちがあなたを背負うから」の訳、それは

ありのままでいてね

です。

一般的に「背負う」という言葉は、どちらかというとネガティブな、重責を担うというようなニュアンスを伴うことが多いです。
それでも彼がこの言葉を使ったのは、しのがこれから向き合うことになるであろう困難や葛藤を自分も一緒に抱えさせてほしい という意思表示をしたかったからだろうと思います。

しのはスキル面でまだ成長段階な部分があったり、そもそもこの世界に足を踏み入れるまでの経緯が相当アウェーだったりするので、SNSで心無い言葉を投げられてしまいがちです(本当に許せないです)。
たぶん勝利くんはそれも知っていて、だからしのを守るような意味も込めたかったんだと思います。余計なことは考えずにこっちに任せて、あなたらしくいることだけに集中してね、と。

しのが自分を見失わず心から自然体でいられるよう、外的なプレッシャーを引き受ける覚悟を勝利くんは「背負う」という言葉で示したわけです。

新メンバー発表後の会見でしのがこんなことを語っていました。

――新メンバー5人にお聞きします。自分が選ばれた理由は何だと思いますか。
〜中略〜
篠塚:もう本当に正直わからないというか、それをこれから探していくのが僕にとっていちばん大事なことだと思います。自分を(timeleszに)入れることで、言ってしまったらデメリットもあるとずっと選ばれた時から思っていて。(今まで)そのセンターがある体勢から自分を入れて8人にすることで、デメリットが多いとどうしても感じてしまう日々が多かったんですけど、それでも自分を採ってくれたことは、(オリジナルメンバー3人が)自分に何かを期待してるはずなので、それが何かを見つけ出して、それがわかった時にtimeleszのもっともっと大きくなる力になれるんじゃないかなっ――な、と思っているので、本当に頑張ろうと思います。ごめんなさい、めっちゃ噛みました。

timelesz新体制発表記者会見、完全レポート “始まりの日”にメンバー8人が語ったこと、そのすべて!
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自分が新メンバーに選ばれた理由を聞かれて「わからない」「これから探していきたい」と答えたしの。
これ、とても自然かつ深い意味のある回答だと思います。

「僕たちがあなたを背負うから」が「ありのままでいてね」という意味だったと考えると、
しのがここで「自分が選ばれた理由がわからない」と素直に答えられること自体がもう既に「ありのままでいてね」に応じた行動であると言えますよね。

しのはまだ自分の立ち位置や役割を完全に確立しておらず、自信を持てていない部分があるかもしれません。
でも、彼がそれを隠さず、正直に言葉にできるという事実は、timeleszからの「あなたを背負う」というメッセージに対する最大の信頼の表れなんじゃないかなと思います。

しののこれからの道のりは決して容易いものではないかもしれませんが、
そんな彼が安心して身を預けられる場所が、timeleszにあってほしいなと願います。

さいごに、そんなしのに対する風磨くんのフォローがすごくストレートで素敵だったので載せておきますね。

菊池:ひとつ補足しますと、デメリットはひとつもありません。とにかくこれからが楽しみですし、伸び代でしかないと思っているので。それは自信を持って、僕ら3人がお伝えできることです。

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拗らせた愛もすてきだけどストレートな愛もすてき!

色んな形の愛をいっぱい受けて、大きく育つんだよ!しの!

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