見出し画像

ゲッベルスに対する差別的な発言を批判する

ヨーゼフ・ゲッベルスはご存じの通り、身長は163〜165cmと低く、ヒトラーの後ろにいると隠れてしまうこともある。

映像でも、こうしてヒトラーが少し前に出て、はじめてゲッベルスが見えたこともあった。


で、私が言いたいのはゲッベルスが身長が低いことではなく、外見、足の障碍に対する一部作家・学者の言い方が酷い件

こちら、作家・歴史家のガイ・ウォルターズ氏。

前の記事に書いたことだが、改めて取り上げる。

ガイ・ウォルターズ氏はナチスドイツを専門的に扱う歴史家で、ナショジオやディスカバリーチャンネルのナチス関係の番組に時々出てくる人なのだが…


「身長が低く、片方の足が曲がっていた上に、器量も悪くてね。
しかし博士号を持ち頭の回転が速く、宣伝の威力も理解していました」

これはゲッベルスについて話した際の翻訳ではあるものの…

いや、前半は差別だろ。後半とあんまり関係無いだろ

と私は思った。

身体的特徴として、背が低いことや足の障碍を説明するにしても、言い方というものがあると思う。

「身長は163cmと小柄で、小児麻痺の治療が失敗したために片足が曲がっていて、特別な靴を履いて生活をしていた」

というような説明なら、彼の特徴として説明でき、かつニュアンスも抑えめに出来る。というか、こう説明している人が複数いたので使わせて貰っている。

最後の「器量が悪くてね」は、あまりにもルッキズム丸出しで驚いた。

歴史家としての彼の説明、見解は参考になるけれど、さすがにこれを擁護する気になれなかった。

実際ゲッベルスは足の障碍に強いコンプレックスと憎しみを抱くに至っており、彼の人格形成に多大な影響を与えたことが日記からもわかる。

ゲッベルスが生まれたのは今から124年前、1897年であり、今よりも障碍者への風当たりは強かった。またナチスは後に障碍者を殺害するに至っている。

ゲッベルスのやった事を考えれば外見含む差別的発言はとても笑い事ではないし、歴史を繰り返さないためにも、こういう発言はしてはならない。
相手が誰であってもだ。


参考番組
ナチスの興亡「国民の支持」

いいなと思ったら応援しよう!