夜空と才能 君がどんなに眩しくても
こんばんは。口寄せです。
今回は『星座になれたら』のおはなし、『月光』を引き合いに出しつつ自分の中の"眩しさ"概念をまとめていきます。
曲①星座になれたら
大ヒットアニメ ぼっち・ざ・ろっく の劇中歌である『星座になれたら』になります。
本編抜粋(公式)はこちら
曲の趣旨としては
みんなに愛される君 と ぼっちの自分
という対比があり、その上で「君と星座になれたら」という歌になっています。
なんで「"僕"がどんなに眩しくても」なの?と思われると思いますが、本編のキャラ・ストーリーとリンクしているためです。以下で説明します。
・引き合う異なる才能
ぼっち
才能:ギター
目標:人気バンドになる(そして学校を辞める)
喜多ちゃん
才能:人気者の星に生まれている
目標:ギターの上達(そして結束バンドに貢献する)
とそれぞれ欲しいものと持っているものが対になってる2人をベースに歌詞が構成されています。
本編を含めた読み込みはひとまずこちらのnoteがお勧めです。ぼざろ未履修であれば一読した後本記事も見てくれれば。
作詞は後藤ひとり(通称ぼっちちゃん)が担当していますが、期せずして喜多ちゃんの想いとしても読める歌詞になっているわけですね(同じこと考えてるからだろ!!!)(へへへへへへへへ)。
お互いがお互いを眩しく感じつつも、「つないだ線 解かないよ」と結束バンドに掛けた表現で曲は締めくくられます。
※本編を見返して思ったのですが、これギターヒーローであるぼっちに喜多ちゃんが「私が来た!!」するシーンじゃね!?!?
そうなんです。例えテクニックはギターヒーローに敵わなくったって、駆けつけることは出来る。手を引くことは出来る。
才能(個性)はそれぞれ光る場所・タイミングが異なるものです。
曲②月光
補助線として『月光』をシェアします。
本楽曲はボカロPのコラボ作品となっています。
はるまきごはん×キタニタツヤ
本人歌唱版もあるので、ボカロが耳に合わない方も是非。(とはいえ、はるまきミクは一聴の価値あり)
憧れた誰かの輝きを追い続ける乾きが表現されています。この曲にボカロP歌唱版あるの、ほんとさぁ……。
絵描き、音楽クリエイター、役者、アイドル、芸人、ヒーロー、呪術師………何かに感化されてその道を目指しますが、自分の持っている才能はそれじゃないかもしれない。
それでも眩しさから逃げず向き合い続けることで、「僕だけの光」という境地に辿り着く。そしてまた向き合う…といった歌詞になっています。
夜空と才能
それぞれの曲でのモチーフを整理していきます。
①星
『星座になれたら』では星は才能ある人として登場します。自分からは遥か遠い次元で輝く、そんな存在。
『月光』では才能ある"憧れの誰か"は月として登場します。まぁ地球視点だと夜一番でかい星なので、「TOP of 星 としての月」になります。
それに対して星は自分たちのような凡人を差す語
になっています。"数多の星の屑"まで言わんでも…。
「ユースタシー」をググったんですが、海面の絶対的変動を意味するようです。つまりここでは月の引力によって潮が満ちる現象を示しています。
あまりに強大過ぎる存在が現れることによって、他の存在が沈み消えゆく。インフルエンサーだし五条悟なのよ…。
ひとり、遠くへ行きすぎるなよ…
↓ひとりが月だった世界線
②月
『星座になれたら』での月は時間経過の象徴になっています。月日って言いますし、定番ですね。
竹取物語を引いているというコメントもありました。古典ですね。
高校で組んだバンドメンバー、果たしていつまで一緒にいられるんでしょうか。
いや、別れは必ず来るので、どう過ごしどうその時を迎えるかが大切なのかもしれません。
ぼっちは地球外生命体と専らの噂
ある日突然星屑となって消えてしまう、そんな儚い存在…。
きっと散り際が一番輝くんだろうな…。
『月光』の月は前述の通りtalentedでgiftedな憧れの誰かとして描かれます。歌詞以前にMV見れば一発だったりするんですけどね。タイトルも月の光なので、そこ(眩しさ)が描きたいんだと思います。
そして『星座になれたら』では月に関する別のフレーズも登場します。
暗闇さえ光に変えるような力は自分にはない。
(自分は満月にはなれない)
それでも絵空事のような目標に向かい、共に歩み続ける…。
自分、しっとりとした曲に見せかけて激重いの好きオタクなので……。
何がカルマ(業)かって、本当に何の因果か分からないような出会い方だったのにその後の人生(行為)への影響がデカすぎるんですよね。
もっと地に足をつけて生きていく未来もあったはずなのに、遥か高く浮かぶ月の光を、絵空事を追い続ける選択をしてしまった。
原義ではカルマ自体に善悪は無いそうです。確かに何が善だったのかは分かりませんが、得るものの代償はあったと思います。結束バンドはそんな"縛り"の上に成り立っているのかもしれません。
天与呪縛の「天」、ほんとにな…。
③星座
ここで星座という概念が出てくるのが救いになっていると自分は感じました。
絵空事を一人で追い続けるのは余りに険しい。
だから、君と星座になれたら。
なることが出来れば、空を見上げることができる。
『月光』では星座というワードはありませんが、"共に月を見る存在"と考えると、なぜこれがクリエイターのコラボ作品なのかしっくり来ます。
月の光は無慈悲。
しかし遥か遠くにうっすら、同じ月を見続けている星が見える。そんな感じではないでしょうか。
星座を構成する星々も実は何億光年も離れている
というのも良さを感じます。
塾の模試結果ランキング、顔も知らない奴と競り合って一喜一憂している。そんな世界もあったかもしれない(存在しない記憶)。
あなたにとっての月はありますか?
一緒に月を眩しく思える誰かがいることを願って。
おまけ
やると思いましたよね。やります。
以下森羅万象のネタバレを含みます。ネタバレという現象がOKな方は進んでください。(ネタがバレた程度で成立しない術は雑魚)(バンジーガムを見習え)
月の引力が強すぎて海が動き、星屑共は沈んでいきましたとさ。
2番のB小町が引き立て役になってしまうあたりの歌詞とか、エンデヴァー クロコダイル辺りに聞かせてあげたいし喜多ちゃん………。
喜多ちゃんがこうならずに済んでいるのは、ぼっちと才能の種類が違うからです。お互いにそれを自覚し、補い合う関係になっている。
自分が競り負ける分野で頭が一杯になってはダメなんです。今自分の何を活かせるか、突出できなくともどう組み合わせれば戦えるか、どこで戦えばいいのかにリソースを割く。
・一番星の辛さ
では一番星は総てを手にしているのか??
そんなはずはないですよね。
※『月光』では結構ここがカットされています。歴史上の画家だったり故人が"月"である可能性もあるので仕方ないですが…。(でも画家って死後評価されがちですよね)
星野アイはアイドルとしては天才でしたが、「愛が分からない」という自意識上の特大issueを抱えていました。(課題とすると問題みたいなニュアンスになるのでissueとしました。命題みたいなニュアンス)
しかもアイドルとしての才能も元を辿れば「その場を最善でやり過ごすための嘘をつける才能」になります。
何度も書きますが、強い出力は何かしらの縛りで成り立っていると考えるのが妥当です。
誰かにとっての月(一番星)である存在も、また別の月を月として乾きながら追い続けている。
直哉→甚爾→恵(呪術の才能、術式)
その点「星座」の概念は「私も星、あなたも星」という対等さがあり、狂信的な憧れや独りよがりな信頼を予防できているように感じます。
でなければ「つないだ線解かないで 僕がどんなに眩しくても」という歌詞は出ない。
推しの子はある種「双子がアイという一番星を追い続ける」話になるのではと予想しています(アニメ勢)が、アクア君は既に危うい追いかけ方ですね。
↑描くな絵空事(せめて星座になれたら描け)(星座になれず月になってしまった五条)
圧倒的天才だったアイに追いつこうと食らいつく双子ですが、なんというか気構えが違すぎる。ニヒルな男だよ、アクア…。
監督すこという話でした
使える武器全部使って10年ぐらい頑張っちゃう夏油傑はどうすればよかったんですかね……。
でもそんな「眩しさを諦めない」ところが好きですね。
つながりの時間的隔たり ジョジョ6部を添えて
最後に「つながり」の時間的イメージをお伝えして終わりにしようと思います。
ジョジョは部を跨いで一貫する「ジョースター家のカルマ(血の運命 -さだめ- )」というテーマがあるのですが、6部の結末は特にそこを意識しないとどういう勝利か分かりにくいと思います。
ジョジョの6部は世界が一巡するというトンデモエンドを迎え、無事ボスは倒せたもののエンポリオを除いて前の世界を覚えている者はいない状態で終わります。
ここで「前の世界の皆は!?」となる気持ちも分かりますが、作者は「つながりこそ勝利」「過去とのつながり(糸)を持って生きろ」と言いたかったのではないでしょうか。
・「主人公が殴って勝つ」から「主人公が繋いで勝つ」へ
第3部「スターダストクルセイダース」は承太郎(星)が吸血鬼であるDIO(夜)を殴り倒して勝ちを迎えます。
承太郎の娘である徐倫は父からスタンドの矢(宇宙の力の媒介)を受け取り、意志を仲間と繋ぎ、最終的にはディスクというバトンが決め手となりプッチ神父を倒します。
ボスを倒した時にもう主人公はこの世(この世界線)に居ない。だが確かに前の世界から繋いだ糸(星座の線)が勝利を導いたと確信できる。そういうストーリーにしたかったんだと思います。
あなたの輝きが誰かに、今すぐでない未来でも、届きますように。
おわり
あとは書きたかった要素をつらつらと。
花京院は「自分以外スタンドが見えない・使えないから僕には真の理解者が居ない」とどこか心を閉ざした幼少期を過ごしていました。
そんな中現れたDIOに一度は利用されてしまったこと、その後真の仲間となったスタンド使いもといバンドメンバーの皆との絆は想像に難くないですね。(そもそもスタンド名が大体バンド)(3部があまりにバンドだったから4部からタロットじゃなくてバンドになった説)
(めちゃくちゃゲームやり込んでる花京院本当にぼっち)
「カルマだから何度も出会ってしまうよ 雲の隙間で」がウェザー・リポート過ぎて泣きました。
雲を払える能力が星の輝きを繋ぐの話が上手すぎる。
アイドル関連でオッと思ったツイート
当方月属性推しがち人間ですよろしくお願いします。
白西とかいう公式でインフルエンサー出してる組み合わせズルすぎる。
執筆中のシンクロ
こう言われると反転であるところのアンハッピーリフレインも確かに月光の系統かも…。
MV見に行ったらめちゃくちゃOFAみたいなことしてて笑ってしまった。そうだよ。繋がりの時間的隔たり。
編集中にYouTubeのサジェストが祝福してくれました。本当にサジェストってものは凶悪ですね。
他、この流れで聞いてほしい曲
次のnoteは呪術廻戦2期真っ只中になりそうです。遂に時が来てしまった。
また次回お会いしましょう。
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