検索技術は現代人の必須スキル ~検索検定3級合格体験記~
「2021年の振返りと2022年の目標」でも少し触れましたが、検索技術者検定(以下、検索検定)3級を受験し、無事合格しました。本記事では検索検定とは何ぞやから、実際に受験するまでの勉強方法などについてご紹介したいと思います。検索検定に興味の無い方でも、「検索」を日常的に行っている方にはぜひ知っていただきたい検定試験です。
検索検定とは
検索検定を実施している一般社団法人情報科学技術協会のホームページでは以下のように説明されています。
今回私が受験したのは本検定において「入門的な位置づけ」に当たる3級です。1級・2級は専門家向けですが、3級は情報学や司書資格を学んでいる大学生や一般の社会人の方も対象としています。私自身も数年前に通信教育で司書資格を取得しており、昨年から図書館で働くことができているので、スキルアップのために受験することにしました。
後にも述べますが、「検索」は今や調べ物をする上で誰もが日常的に行っていますが、例えばレポートのための文献調査をしたり専門的な内容を調べたりするためにはより高度な検索方法が必要となってきます。その意味では特定の専門分野に限らず、誰しもが検索技術を身に付ける必要があると言えるでしょう。
勉強方法
さて、具体的にどのように勉強したのかですが、それほど特別なことはしていません。こと3級に関しては公式テキストが発売されており、試験もテキストの範囲内から出題されますので、とにもかくにもテキストをしっかり読み込んで理解することが合格への王道であり近道となります。公式YouTubeでも勉強の仕方を紹介する動画が公開されていますので、そちらも参考になると思います(一般社団法人情報科学技術協会、検索検定3級試験勉強の仕方版 https://www.youtube.com/watch?v=yH5vQ3_tBpw(参照 2022-1-10))。
まずはテキストを通読し、さらに内容をノートにまとめることでより理解を深めるようにしました。また、公式サイトにおいて2018年・2019年の過去問題と解答が公開されているため、実際の試験と同じように時間を計って問題を解き、理解度のチェックをしました。
試験の約2ヶ月前から勉強を始めましたが、幸いなことに司書資格を取る際に受けた講義と重なっている部分も多かったので、新しく学ぶことよりも復習することの方が多く、それほど根を詰める必要はありませんでした。
受験当日
2020年度から試験方法が会場型CBT方式(全国に設けられた試験会場においてコンピュータに表示された問題に解答する)で実施されています。公式サイトでは実際の試験画面と同じ体験版が公開されているので、この新しい方式に戸惑うことはありませんでしたが、一つ想定外がありました。
それは私の受けた試験会場がショッピングセンター内のパソコン教室であり、当然その周辺では一般のお客さんが買い物などをしているため、その騒音が響く中で受験をしなければならないということでした。一応、耳栓を支給されたのですが、当然それで外部の声が完全に遮断できるはずもなく、集中しづらい環境であったことは否めません(教室の前には「試験中のためお静かに」という注意喚起の掲示はされていましたが)。
また、前日に過去問を解いた際も90%以上正答できていたので、まあ大丈夫だろうと半ば余裕な気持ちで臨んだのですが、最初の設問から過去問にはなかったパターンの出題が続き、意表を突かれました。解答方法は全て選択式ですが、ただ知識を問われるだけではなく実際に検索を行う場面を想定した応用問題も出題され、予想以上に苦戦しました。
それでも無事合格できたときは、正直安堵しました。
受験を終えて
この検定を受けた目的はスキルアップのためですが、それは新しい技能を得るためというよりも、既に持っているものの裏付け――お墨付きが欲しかったという面もあります。
私はこれまでほとんど資格や検定というものに積極的ではありませんでした(中学生の時に内申点になるからと漢検と英検の3級を取ったくらいで、就活の時にはTOEICすら受けなかったほどです)。
ですがこれまで仕事を通じて、多少なりとも知識や技能が身に付いてきただろうと考えた時、履歴書に書けるようなそれを証明するものが何も無いということに気が付いたのです。昨年に日本語検定1級を受験したのも、自分の力試しという意味合いもありました。
今後はさらなるスキルアップを目指して、2級にもチャレンジしようと考えています。
検索技術は現代人の必須スキル
今回、私は今の自分の仕事に直結するスキルであるため検索検定を受検しましたが、そもそも「検索」という行為は「ググる」という言葉が象徴するように現代人なら誰もが日常的に行っています。学校教育において知識より論理的思考力が重視されているのも、学校で覚えるような知識は検索すればすぐに答えが出てくるためと言われています。それくらい検索は当たり前のものとなっているのです。
しかし、普段「検索」として行われている方法といえば、思いついた単語をいくつかGoogleやYahoo!、Bingなどの大手検索サイトに入力し、検索結果一覧に表示された上位のサイトをいくつか閲覧するだけではないでしょうか。
ところがそれでは不必要な結果(ノイズ)が多く含まれるだけでなく、根拠に乏しく真偽が不明な情報が上位に出てくることもあり、正確な検索ができているとは言えません(昨今大きな問題となっているフェイクニュースも、安易な検索によって出てきた情報を鵜呑みにしているのが原因の一つであると思います)。
信頼性の高い情報を確実に入手するためには、有用な情報源と高度な検索方法を知る必要があります。子どもも大人も関係なく、現代人にとって検索技術は必須のスキルと言えるでしょう。検索検定は、そのスキルを磨くためにおすすめな検定試験だと思います。