古着回収はなんのため?

うちの子たちが通う小学校では、
5年生が、生活科の授業で古着回収をします。

学校から「古着回収をします」とお知らせがきて
それほど日を空けずに、一番下の子が通う地元の保育園にも
回収ボックスが設置されます。

回収した古着は、「なんみん」に送るのだそうです。

さて。これを読んでいるあなたは、
自宅のタンスの奥底に眠るコヤシたちを
小さくなって(本当は子どもが大きくなって)着れなくなった子ども服を
「ラッキー!」とばかりに、回収に出しますか。

私は、古着の回収に加担(笑)しないことを信条としているので
決して出しません。
ちなみにPTAのバザーにも古着を出したことはありません。

これはあくまで私の信条なので、
これを機にタンスの整理に取りかかる人に
「それはどうだろう」と、言うつもりはありませんし、

「古着回収断固反対!」を皆さんに押し付ける
気はサラサラありません。

ただただ私の信条で、私の考え。

さてさて。時は遡り20数年前。
私が小学校の頃の話です。

小学校にJICAのOBの方が講演にいらっしゃいました。
話の詳細は忘れてしまったのですが、
今でもよく覚えているエピソードがあります。

その方は若くして海外協力隊に参加されるほどですから
早くから「国際協力」「人道支援」「途上国支援」などに興味があったようで、
子どもの頃に、恐らくは、途上国支援の話を聞いて、
文房具が買えない、学校に行って学ぶことができない
途上国やの子どもたちに文房具を送ろう、と思い立ったのだそうです。

思い立ったら、即行動。
使い終わって短くなった鉛筆をたくさん、
クラスメイトから集めたのだそうです。

さて集めたたくさんのチビた鉛筆。
いざ送ろうと手配しようとすると、
支援団体の人から
すぐに行動に移せたことを褒めてもらって。
その直後に、お叱りを受けたのだそうです。

「誰がこんなに短くなった鉛筆なんか欲しがりますか」と。

小学校に講演に来てくださったJICA OBの方は
はっとしたと言います。

そうです。
文房具が手に入らないから、短くなった鉛筆でも喜んで受け取る?
着るものがないから、古着でも喜んで着る?

いえいえ。
誰だって、新品の鉛筆が欲しいですし
女の子なら、自分専用のまっさらで真っ白なドレスが欲しいはず。

途上国に暮らしているから
難民だから
短い鉛筆や、古着で我慢できる

そんなワケない。

この話の締めくくりは、正しいか間違っているか
まず行動してみないとわからない、というものだったのですが。

小学生だった私は、
途上国の子どもだって、日本に暮らす私たちだって
同じ地球の子どもで。
使い古しや、いらなくなったものよりは、
大切にしているもの、新品を使いたいと思っているものなんだ、
という点が
ものすごく刺さったのを覚えています。

だから、だからです。
着なくなった古着を、捨てるのもなんだから回収に出して
「なんみん」が着てくれるんなら、良いことした気がするし
Win-Winだな、なんて思わないのです、私は。

もし、服が必要な子がいるなら、新品の服を買ってプレゼントしたいし、
鉛筆が必要なら、まだ削っていないものを箱ごと渡したい。

とても気に入って好きな服だけれど、
サイズアウトして着られないなら、
その服が似合いそうな子、大事にしてくれそうな子に
事情を説明して、プレゼントしたい。

だから、毎年古着の回収をしている5年生の皆には申し訳ないけど、
私はこの活動に参加しないし、支持もしません。

古着を難民に送って、良いことした気になるのも、
貧しい街に、古着ばかりが溢れかえる様子を想像するのも嫌なのです。

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