Netflix 「First Love 初恋」に惹かれた理由
宇多田ヒカルさんの歌を、好んで聴いたことはありませんでした。最初から、なんとなく自分とは合わない気がしていたので、避けていたと言ってもいいかもしれません。
Netflix で昨年リリースされたシリーズ「 First Love 初恋」。これも、満島ひかりさんに以前から違和感があったので、観る気はなかったんです。
ここで少し話はずれますが、私はもう10数年、Netflix にお世話になっています。カリフォルニアでもともとDVDレンタルサービスを提供していたこの会社は、2007年にストリーミング配信サービスに移行しました。その当時ニューヨークに住んでいた私たちは、家族揃って映画が大好きだったこともあり、このサービスのことを知ってすぐに登録しました。今までたくさんのいい映画を、このサービスを通して観てきましたが、先月は、大好きな「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」を観終わってしまった後、何も観るものが見つからず、おすすめに何度も上がってくる「初恋」を1話だけのつもりで観てみました。
1話目ですぐに虜に!まず思ったのが、なんて暗いトーンの作品なんだ、ということ。でもそれが、その時の私の気分に合っていて心地よく、満島さん演じる主人公のヤエは、事情があって息子とは別々に暮らしていて、時々彼と会うのを楽しみに、タクシーの運転手をしながら、静かな日々を淡々と生きているという感じに、自分を投影して胸が締め付けられました。(The Lumineersというバンドの「クレオパトラ」という曲のミュージックビデオを思い出しました。タクシー運転手の中年の女性が、様々な乗客たちを乗せる映像の後、自分の息子を助手席に乗せてドライブし、最後に父親の家に送り届けるラストシーンが切ないビデオ。)
映像の美しさや役者さんたちの演技の素晴らしさについての解説は他の人たちに任せるとして、私から伝えたいのは、この物語は今までにないストーリー展開だということ。暗めの静かなトーンで話は淡々と進みますが、最終話の後半は、まるで違うシリーズかと思わせるくらいにトーンが変わって、しかもこの作品は、世界に向けて作られた作品なのだと分かります。(ラストシーンの爽快感は、「ショーシャンクの空に」のアンディが脱獄した後に見つかった穴のことを思い起こさせました。)
そして宇多田ヒカルさんの「First Love」の後に、ラストシーンで流れる「初恋」という曲。最初に耳に入ってきた時、別の人の歌だと思いました。これはすごい曲。そしてこの2曲を、「効果的に」なんて言葉じゃ足りないほど素晴らしく使っている寒竹ゆり監督に脱帽。
先月はこの2曲ばかりを Spotify で聴いていました。かといって、宇多田ヒカルさんの他の曲はそんなに聴いてはいないのだけれど、食わず嫌いで終わらなくてよかったと思います。
みなさんも、機会があったら、ぜひこの作品を観てみてください。
( Netflix の回し者ではありません、笑。ただ、私の過去10年は Netflix と Spotify に本当に支えられてきていて、この場を借りてお礼を言いたいくらい。)
ということで、最初の投稿、読んでいただいて、ありがとうございました。
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