「真心でつながる世界」に生きると決めた等身大のヒーラー:福嶋 仁さん(2)
全ての基本は100%の誠実さ
ヒーラーと名乗れるようになったのは母親のおかげ
—— 氣アラインメントの4日間の講座はいかがでしたか?
仁: 初めは全然わからなくて、一緒に講座を受けていた人と居残って練習していましたね。3日目くらいから何となくこつをつかんで、あとは自己練習ということでした。10人にモニターになってもらってレポートを提出して実技試験に通れば、初級プラクティショナーの認定を出すということでした。でも「こんな怪しいことやり始めたのって、知り合いの誰にも言えない。モニターをお願いする人がいなくてどうしよう」と悩みましたね。もう、道でティッシュを配っているお姉さんとかに「ヒーリングしませんか」と声かけようかと思ったくらいで。
—— 怪しすぎますね(笑)
仁: 昔からの友だち何人かに頼んだら、みんな半分は哀れみ、もう半分は好奇心という感じで引き受けてくれました。10人のセッションを終えたところで、いざ認定試験を受けました。いろいろ指摘されて、落とされるのかなと思ったら合格でした。
それから半年間、こつこつと母親にヒーリングを続けました。遠隔でも、大阪に行って直接も。そうしたら認知症のレベルが要介護4だったのが、要介護2まで回復して、クリアに話せるようになったんです。年相応の物忘れなどはありますけど、驚くほどよくなりました。身体もよくなってきたみたいで、「痛い痛い」と嘆いていたのがだんだん言わなくなりました。この時初めて、ヒーリングって本当にできるんだな、親だけでなく、他の人にやっても大丈夫だなって、自分のやっていることに自信を持てたんです。
もう少し、探求の旅を続けて奥を深めようと思いました。
—— ヒーラーとしての旅の始まりでしょうか。
仁: それまでは心のどこかで怪しいことをやっているという思いがあったんです。人に聞かれても、「ちょっと職探し中で」って言ってました。でも母親が身体でというか、結果で示してくれた。そこがわたしの転換点ですね。「わたし、ヒーラーをやっています」と素直に言えるようになりました。
試行錯誤も目の前の人のニーズに寄り添いながら
—— ヒーリングを受けたお客さまには、どんな変化があるのでしょうか?
仁: 慢性的な肩こりや腰の痛みが改善したり、突然痛み出した指が元の状態に戻ったり、身体だけでなくて、昔から電車に乗れない、子どもの寝相が悪いというようなのも良くなられたようです。
—— 寝相が悪いのも、過去の感情が理由だったのですか。
仁: わたしもびっくりしました。詳細は控えるのですが、ご両親の離婚に際して色々あった時に見たものやストレスがきっかけとなっていたようです。セッションから1ヶ月くらい経ってお母様に様子を聞いたら、「そういえば最近、夜、子どもに蹴られてないです」って驚いていらっしゃいました。
—— 実際のセッションでは、対話しながらヒーリングを行っていくのでしょうか?
仁:基本は対話しながらですね。お名前と症状を10段階で聞いています。1度ヒーリングセッションを受けた方であれば、2度目からはメッセンジャーなどで症状を伝えてくれるだけでも大丈夫です。それだけお伝えいただければ、遠隔で対話しなくてもできます。でもまぁ、やっぱりお顔を見て話をしながらの方が、ヒーリングはしやすいです。
氣アラインメントの基本的なヒーリングは、キネシオロジーと呼ばれる筋反射を使った診断です。対面だったら、その人の身体を使って、Yes/Noの反応をみる筋反射(O-リング)テストをするんですね。遠隔の場合はそれができないので、代わりにわたしの身体を使います。その方の潜在意識にアクセスして、わたしの指をその人の筋反射に同期させて診断するんです。
ただ、わたし自身は特別な力がある、いわゆる「みえる」人ではないので、ご本人が許可していないことはできないのです。まずはわたしからヒーリングを受けることに同意をして、アクセスの許可をいただければと思います。15歳未満の方は、保護者の同意があれば良いということにしています。
—— 遠隔の場合、その人が寝ていようが、ご飯を食べていようが、仁さんが遠くからヒーリングしてくださるんですね。
仁:そうそう。その方が楽だなあって、この1、2年でわかりました。それまでは場所を借りて、お客さまと待ち合わせして、1時間くらい話をきいて、それからヒーリングというプロセスだったんです。実費含めて1回で2万円ほどいただいていました。でも、長期間、継続的にやって欲しいという方には、1ヶ月5万円とか、都度相談に乗っていました。お金がない方には、時々、東京や大阪で氣アラインメントの体験会を開催してそこに来てもらっていました。それもコロナでできなくなりましたが。
コロナで変わったこと、変わらないこと ヒーリングジャーニーは続く
—— コロナ禍の始まった昨年、オンラインでの体験会もされていましたね。
仁: オンラインでどのくらい効果を感じられるのかなって実験的にやってみたら、割と好評で安心しましたね。今、なかなか人に会うのが難しい方もいますし、特にわたしが男性なので、セッションルームで1対1になることに抵抗を感じる女性もいるだろうと思います。知り合ってから、ある程度、時間を共有していて信頼関係ができている人であれば大丈夫でしょうけれど、1、2回会っただけとか初めてという場合には不安でしょうから。
—— オンラインになってどんなことが変わりましたか?
仁: オンラインの方が、受ける側の気持ちの負担も軽減されるでしょうし、わたしも移動の時間が短縮できるので、1日にできるセッション数が増えるんです。対面の時は、午前と午後で2枠くらい、できても1日せいぜい3組か4組でした。でもオンラインの今は、Zoomなどを使って、1時間ずつ、30分くらい休憩を挟みながら、1日何人もできちゃいます。
—— ニーズもサービスもオンラインに乗って、近未来の産業になったんですね。
仁: しかも設備投資とかいらないでしょ。まさに手に職ですよ。面白いなって思います。
でもやっぱり、基本はその方への100%の愛情と寄り添いなんです。100%の信頼を築けている人とそうでない人とでは、ヒーリングの効果も全然違います。誠実に生きるということ、100%の誠実さでその方に向き合うということが、対面・オンラインに関わらず、誰に対しても何に対しても、全ての基本なのだと学びました。
氣アラインメントを深めようと思って、上級コースでより深い部分も習得しました。そこで得たものをどう広めて行くのかについても学んだのですが、創始者の先生から言われて今でも心に残っている言葉があります。
普段はマレーシアにいる先生が、わざわざ日本に教えに来るのは、先生のゴールは世界平和で、日本がそのために重要な役割を果たす国だからなのだそうです。実は日本人は世界平和に貢献する資質を持っているのに、あまりにすごいストレスを受けて生活しているので、本来の資質を生かせていないらしいのです。だから日本で育成したヒーラーたちがそれぞれにヒーリングを広げていくことで、日本人が自分たちの本来の資質に目覚めて力を発揮する。それが世界平和への近道になると考えておられるようです。「ヒトシ、お前が学んだものをお前だけで留めるな。ヒーリングジャーニーを続けなさい。その先で待っている人が必ずいるんだ」と言われて、辞められなくなっちゃいました。
——「世界平和」とはどんな状態のことをいうのでしょうか。一般的には国や民族間の紛争などがない状況を思い浮かべますが。
仁: もちろん戦争がない状態ですよね。そして人と人が争うこともない世界。日常でも、ねたみやそねみ、なんであの人ばっかりなどといった感情を手放して、人の幸せを本当に喜んで、誰かが困っていたら、周りが寄り添って手助けする、そんな世界のことです。それが人の本来の姿のはずなのに、なかなかそうなっていない現実がありました。
心の奥に抱えている過去のネガティブな感情をどんどん手放すことで、人が本来のやさしさと真心を取り戻していく。そういう人が増えて、まず家族や友人で助け合いが起きて、会社とか所属するコミュニティにその輪を広げていく。国を動かす立場にある人たちも、人と人が助けあうように、国同士の関係を築いていく。この連鎖がやがて世界、地球全体の平和の実現につながる。それが氣アラインメントの師の旅の目的なのだそうです。
氣アラインメントで学んだことは、ずっとわたしの根幹にありますし、今、恥ずかしげもなく「ヒーラーです」と名乗れている自分がいます。出会う方にも、もしネガティブな感情を手放すことが必要な人がいたらお声をかけて、この世界が真心の人であふれていくようにと意識しています。
(インタビューはオンラインにて2021年5月15日に行いました)
*写真はすべて仁さん提供
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