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『絶対内定』 杉村太郎・藤村健司著 :ライフワークの言語化におすすめの本②

あ、懐かしの就活本!と思う人もいるかもしれません。
ライフワークの言語化についてなのに、なぜ就職のハナシ?
と感じる方もいるかもしれません。

藤村健司さんと、今は亡き杉村太郎さんによる『絶対内定』(ダイヤモンド社, 2023)

就職活動をしている人向けに書かれた本ではありますが、その内実は就活を超えて、自分の人生をどう生きるかについて探求する1冊でもあります。
この本で扱うテーマ、経験や内面を深く掘り下げて未来を描くワークは、ライフワークや仕事を通して届けている価値や、その意味を考える核心ともなるものばかりです。


言葉にする方法やスキルのまえに

言葉にしてゆく方法、文章を書く技術についても発信しているわたしが言うのもなんですが、その文章がどれだけ人の心に響くかは、その言葉を発するエネルギーの質と量によると思っています。

文法や言葉は正確でなくても、なにか惹きつけられる、読んでいて熱い気持ちになる記事や投稿に出会ったことはないでしょうか?

どれだけ、その仕事、商品やサービス、受け取り手や関わる人のことを考えているか、それと同時に自分の内面との深い一致感をもっているかが、このエネルギーになります。

この『絶対内定』は、自分の核心をさまざまな切り口から掘り下げ、仕事、生き方、未来を描いていく指南書となる1冊。
自分では考えたこともない問い、見つめるのをスルーしてきたような側面、直視したくない経験も、「心から望む生き方」をしたいなら向き合え!と
鋭くも愛情深くつきつけてくれるのです。

自分の想いは、探りながら深まっていく

わたしは、留学した後にアルバイトをしながら転職活動をしていた30代前半にこの本に出会いました。
目先の採用情報や、これからどうなるのかといった不安に取り巻かれていた時期に、痺れるほどの衝撃でした。

就職、向こう数十年の仕事を超えて、「どう生きたいのか」を問い、収載されているワークを進めながらみつけて行った自分の大事な思いや価値観。
その後のいくつかの仕事や経験があっての今、自分の持っているスキルや経験、視線の変化はあったけれども、生き方としては大きく変わっていません。

この本のキーワード「我求」はまさに自分を探求するためのもの。
「風の時代」とも言われる今の流れから見ると少し違和感を感じるところもあると思います。でも、本気で生きようとしたら、避けては通れない本質的な問いはどんな時代でも変わらない。それを、ここまで真摯に凝縮して伝えてくれる本には、なかなか出会えないと思います。

セルフワークには、やっぱり限界があると個人的には思います。

(見たくないものほど、頭で理解して「あの時は、あの人も〇〇だったから、仕方なかったよね。もうこれからは大丈夫!」と言い聞かせて、そっと心の押入れの奥にしまい込む・・・とことを繰り返して、でもやっぱりうまくいかなくてまた向き合うことになる、というのは、わたしの実体験でもあります)

就活という文脈は、「会社」や「面接」を自分の経営するお仕事やお客さまへのオファーなどに置き替えながら読むだけでも、衝撃とともに、自分のお仕事やライフワークを見つめる視点と思いを探りながら深める切り口をもらえるはずです。

毎年、最新版が出版される「絶対内定」シリーズ。
12月に高校生向けの講演をすることになり、6年ぶりにわたしも最新版でワークに取り組んでいます。
ふたたびの衝撃で痛い!くらいです。
でもこの原型を書いてくださった、亡き杉村さんにも、その精神を受け継いで、今の私たちに向けて書いておられる藤本さんにも、読みながら、あらためて敬意を感じずにはいられません。


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