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「がんばる」という言葉は好きですか?

言葉には、その人の経験が知らずしらずのうちに投影されています。
同じ言葉から受けとるイメージが人によって違うのも、一人ひとりの人生の経験と言葉がつながっているからです。

「がんばる」は、その違いがとくに色濃く出る言葉だと思います。

わたしは、気軽に言った「がんばるねー」という言葉に、「がんばらなくていいのに」という反応が返ってきて、戸惑ったことがあります。

さて、あなたは「がんばる」という言葉が好きですか?

「がんばる」はどこから来た?

日本語の語源をたどる時に必須の『日本国語大辞典』(小学館)をひもとくと、「がんばる」という言葉が文献に現れるのは、江戸時代の中期から。

もともとは「眼張る」という字をあてる、しっかり見ておく、見張るといった意味で使われていたようです。
言葉は生き物なので、意味も変化したり、他の意味が混ざったりしていく中で生まれたのが、現代の「頑張る」。思い切りエネルギーを注いで努力するという意味の「がんばる」です。

正確にはわかりませんが、全力で取り組むという意味に、無理をするニュアンスが入って来たのは、割と最近のことらしいのがわかります。

がんばれる時、がんばれない時

言葉の好き嫌いについて、話を戻します。
好き嫌い、言い換えればネガティブとポジティブを分けるのは、「がんばる」という言葉と結びついた経験から来ているところが大きいと思います。

ネガティブな意を帯びた「がんばる」は、やっていることや方向性への違和感や「嫌い」を抱えながらも、努力し続けなければならなかった経験から。
親に言われたから、会社の方針だから、どこかで折り畳まなければならなかった自分の意思があったのではないでしょうか。

ポジティブな意味合いの「がんばる」は、向かう先への納得感、自分がやりたくてやっているという一致感を持ちながら努力した経験から。
もちろん、続けていく中ではアップダウンもある。
でも、自分が達成したいこと、叶えたい夢につながっていく喜びを味わえる努力でもある。

そしてこの、自分の叶えたい未来を描きながら、自分の思いとの一致感の中で進んでゆくことが、深くてゆたかな人生を生きる秘訣なのだと思うのです。


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