月立ちてただ三日月の眉根掻き日長く恋ひし君に逢へるかも
月立ちてただ三日月の眉根掻き日長く恋ひし君に逢へるかも
(つきたちて ただみかづきの まよねかき けながくこいし きみにあえるかも)
月立ちて…新しい月になって
三日月…月の3日目。ここでは三日月型の眉毛の意味もかかっている。
訳 そう、眉のあたりが痒かったのよ。
毎日きれいに整えてるこの三日月眉のあたりが。密かにラッキーって、思ってたのよね!
だって。新しい月になって、たった3日!
長い間想い続けてきたあなたに会えたわ!
3日だけ待った気分よ。
「眉根描き」ではなく、「眉根掻き」って何だろうと思ったら、その辺りが痒いと会いたい人に会えると言われていたからだとか。
中国の小説に出てくるそうなので、読んでみたいです。
※『遊仙窟』(岩波文庫)
「描き」であったなら、とも考えてみました。
手入れされた細い眉のかわいい、目の表情がくるくる変わる女性かな。
毎日長い間鏡の前にいる若い女の子の姿が目に浮かびます。
大伴坂上郎女
出典 万葉集 雑歌
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