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真砂なす数なき星の其の中に吾に向ひて光る星あり

真砂なす数なき星の其の中に吾に向ひて光る星あり

(まさごなす かずなきほしの そのなかに われにむかひて ひかるほしあり)

真砂…細かい砂。まなご。いさご。

 砂粒のような無数の星の中にわたしに向かって光っている星がありました

道を見つけた喜びを静かに振り返った歌。

芥川龍之介が『侏儒の言葉』で引用しました。
芥川さんは星の光をわたし達人間の感情だと言っています。

星が感情を持っていて、わたしに光ってくれたのだとしたら。この歌はずっと考えてきたことが通じた。すなわち、理解された喜びに満ち溢れた歌。

芥川龍之介『侏儒の言葉』星の章から引用しておきますね。

…しかし遠い宇宙の極、銀河のほとりに起っていることも、実はこの泥団の上に起っていることと変りはない。生死は運動の方則のもとに、絶えず循環しているのである。そう云うことを考えると、天上に散在する無数の星にも多少の同情を禁じ得ない。いや、明滅する星の光は我我と同じ感情を表わしているようにも思われるのである。

芥川龍之介『侏儒の言葉』

星は宇宙のかなたにありますが、私達と光で繋がっています。
なかなか出歩けない日々ですが、天気の良い日は星空を眺めるのも良いですね。

正岡子規

出典 竹乃里歌 星

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