「あにつく2024」セミナー参加レポート(感想ツイートまとめ)
忘れてしまわないように会場内ですぐに書いておいたんだが、ツイート数が多いこともありすぐに流れてしまいそうなので、個人的な参照目的でここに埋め込んでおく(半分プチ観光ログ)。
5年ぶりにアキバに来た
インドア & 買い物は基本ネットで済ませる主義なこともありまるで縁がなく、2019年以降来た記憶がない(当然土地勘もない)。
基調講演 (WIT STUDIO のみなさん)
家を出るのが遅れたこともあり到着がかなりギリになってしまった…。
基調講演はさすがに時間が比較的早いこともあってか、席にはある程度余裕があった。この時はまさか本セミナーでは同じ会場の席がぎゅうぎゅうに埋まる事態になるとは知る由もない…
第1セッション: アニメ「ガールズバンドクライ」CGメイキングセミナー (東映アニメーション)
第二会場・第三会場のセミナーも個人的にはめっちゃ興味あったのだが、このセミナー目当てでわざわざ川崎から来ただけに苦渋の決断…。
一部のセミナーはアーカイブ出るらしいけどどうなんだろう。
ガルクラセミナーはとにかく(趣味でアニメの制作現場にも個人的興味がある)作品の一ファンとしては驚き絶句するようなスライド内容の連続で、開始10分でただただ圧倒されていた。なんとなく、セミナー終了後の会場がかなりザワついていた印象もある。
少し休憩
第2セッション: 劇場版「ウマ娘プリティーダービー新時代の扉」Blender 活用事例 - 実際に運用してみてどうだった?編 - (CygamesPictures)
完全入れ替え制だったので、同じセミナー会場でも一旦会場を出る必要があった。油断してて入るのが遅くなった結果かなり奥の方に座る羽目に…。
こちらもガルクラのセミナー同様、一番大きいセミナー会場にも関わらずかなり満席になっていた。
Blender は存在は知っているものの触ったことはなく、細かいコンテキストまでは掴めなかったが、無料の Blender でも一通りプロダクションレベルの CG 映像が作れることを身をもって示されていて凄みがあった。
その前のガルクラのセミナーでは Autodesk の協賛のもと Maya ガッツリ使いました!って話が出てたので大丈夫なんだろうか…?(小声)
移行の壁は学習コストとコンプラ(使える人が広がることによるデータの受け渡し問題?)くらいだとも。
4Fのセミナー会場から2Fの広場(セミナー&展示ブース)に移動後、少し休憩
合計3時間半くらいぎゅうぎゅうの会場でセミナーを聞き続け体力が限界になっていたため(股と腰も痛くなってきた…)、2Fに移動して展示ブースをさらっと見た後、セミナー終了まで2Fの広場でやってた方のセミナーを聞いていた。
第3セッション: 映像制作時の考え方 (exsa)
今まで聞いてきたセミナーと異なり主に業界志望者向けな内容で、進行もゆっくり目だったのである意味助かった(この時点で疲労がマックスだったため…)
(直接は触れられていなかったが)富野監督の「映像の原則」の内容を踏まえた上で(もちろん単に守るだけでなく、敢えてセオリーを外す選択肢もあると)、「映像の画面構成には意味が込められているし、そうした知識は視聴者の感情を動かすという目的に辿りつくための手段である」というテーマでお話をされていた。
一般オタクの私でもある程度知っている内容も多かったが、後半の「何気ない街中で『気づける力』を持っていると、映像に説得力を持たせることができる」という話は今までなかった視点で興味深かった。具体的にはフェンスの上部だけが、雨に当たることでアルミが酸化して赤茶色になっている、など複数の実例をあげて説明されていた。
こうした違いを見抜く観察眼が、特に背景のディティールを上げる際に必要になるのだろう。たまに思わず「チープだな…」と感じる背景を目にすることもあるが、大体不自然なくらいに単色、しかもオブジェクトが極端に少なかったりするよな…と思い返したり。
また少し休憩
第4セッション: アニメ制作ソフト”AnimeCanvas”開発進捗とアニメ制作 DX への取り組み (ソニーグループ)
個人的にガルクラのセミナーと並んで注目していたセッション。一ソフトウェアエンジニアとしても大変興味深い内容が多く、最初から最後までずっと感心していた。
前のセミナーが終わると同時に爆速で席が埋まり、立ち見の観客が数十人以上出るほどには業界関係者の注目と期待が伺えるセッションでもあった。
特筆すべきは、セッションタイトルこそ「AnimeCanvas の開発進捗」が先にあるものの、実際の講演では最初に「過去に取り組み、既に実際のアニメ制作に取り入れられている DX 施策」と「APDX (Anime Production Digital Xformation) プロジェクト」についての説明が行われていたこと。
あくまで『ソニーグループは2年以上前から一貫してアニメ業界のデジタル化に向け、傘下スタジオと協力しながら現在進行形で DX やってます』というメッセージを強く打ち出した上で、さらに『今までは個別具体的なツールの開発をやってきたが、根本的に手書きアニメの制作フローではアナログとデジタルが入り乱れており、非常に非効率で制作の負担が高い』とバッサリ。
『今後自動中割りなど抜本的な新技術を導入するとしても、まずは完全にデジタル化と効率化を最大限高めるツールを開発し、業界中巻き込んで普及させなければ難しい』と、説得力もって AnimeCanvas の開発動機を説明されていた。
個人的には「既存ソフトに習熟しているし不都合はないのでは?」という人にも納得してもらえるように、AnimeCanvas という新ソフトを開発してアニメ業界のデファクトスタンダードにしていくことに、強い説得力を持たせる必要があったからなのだろうとも思う。
AnimeCanvas についての質疑応答タイム
あにつく終了後、感想ツイートタイム
この時点で体力がかなり限界だったが、一般オタクの身でも間違いなくリアルで聞けてよかったと思える内容でもあった。やはりリアルで聴けるのは体験というか頭に残る感覚が違うな…。
ついでにアキバ観光 (外国人並の感想)
秋葉原に来るのがおそらく5年ぶりで、それ以前も頻繁に来ていたわけではなくほとんど記憶にない箇所もあり、ほとんど初訪問みたいな気分だった。
体力が限界すぎてしばらく飯屋で休憩していたら若干体力が回復してきたこともあり、最後に少しだけアキバの街を周回してから帰路に着いた。
とにかく外国人観光客が多かった(欧米系の人も多かったし、顔では区別つかないけどアジアからの観光客も相当多そうだった)のと、怪しいいかにも風俗なメイドカフェ(?)が明らかに増殖していたことに驚く…。
せっかくなら秋月電子で面白いガジェット散策しようかとも思ったが、休憩が長すぎてすでにお店が閉まっていたこと、体力切れが近かったこともあって街中を歩くだけにとどめた。
常に外出時は一眼を携行しているのだが、どこをとっても街撮りが写真映えしてとても良い。小雨で看板の照明が路面に反射してたのもよかった(個人的な癖風景ポイント)。
帰路についた後のセミナー感想タイム (主にガルクラ)
行ってきた感想
散々ツイートしてきた通りだけど、秋葉原まで出向いた甲斐が十分にあるめちゃくちゃ面白いイベントだった。一般人が無料で聴かせていただいてよかったのだろうか…というくらい。
個人的にツボというかちょっとビビったのは、少なくとも500人以上は動員していたと思われるイベントなのに、感想を投稿してる人が弊 TL 以外には全然見受けられなかったこと。
Twitter やってると国民総ツイ廃時代だと思い込みそうになるが、実際 Twitter の非 ROM 専ユーザーってリアル知り合いを見渡してもそんなにいないんじゃ…と思わなくもない。時代はインスタか TikTok 、あるいは Discord などプライベートコミュニティなのかも。あるいは業界志望者はうかつに呟いたら目をつけられそうだと遠慮してるし(そもそもツイートしてる余裕ない)、業界人は外に出す話でもないと思っているし、一般参加者くらいしか積極的にツイートしようと思わない、ってことかもしれない。
結果ガルクラセミナーの感想ツイートは勝手にバズってしまった…(決してバズらせようと思った訳ではない)。
一般オタクなので今後直接やってることに役立つかはわからないが、少なくとも業界内への解像感はより上がったなと思う。
特に 3D 系は SNS だとあまり話題になることがない印象なので、その点の視野が広がった感覚もあった。
インドアなので行くか少し迷っていたが、大満足のイベントで足を運んで本当によかった…。