彼に結婚する気がなさそうに見えたら
これは、私が彼と付き合ってもうじき10年が経とうかというときに逆プロポーズをしたときのお話。
☑結婚したい相手がいる
☑いざ結婚したけど結婚生活に幸せを感じない
☑夫や彼に振り回されてばかり
そんな人は最後まで読んでもらえると
少しだけ、ほんのちょっとだけ
見える世界が変わる・・・かもしれない。
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ある日、彼と久しぶりのデートでドライブをしているときに
男性なら自分のタイミング以外では敬遠しそうなテーマを投下した。
「結婚に対してどう思ってるのか」
という爆弾を。
小出しにするでもなく、回り道をするでもなく、直球どストレートで。
下手したら破局かもしれない。いやまじで。
なぜならこれまで結婚のけの字も口にしない彼にとって、これはタブーかもしれないとずっと思っていたからだ。
だからといって、結婚しない気でいるというわけでもなさそうだったし、私のことは大切にしてくれていた。
なんせ付き合って8年経つ。早いか遅いかはよくわからんが、そろそろいい頃合いじゃないかとは思ってる。
だけど、一向にそんな雰囲気はない。
プロポーズにうってつけの記念日や誕生日やクリスマス・・・
そのイベントというイベントごとはことごとくスルー。
会えば、ワンピースや刃牙などのアニメや漫画の話。楽しく冗談を言い合いながらご飯を食べて「じゃあまたね!」と帰宅する。
一緒にいると楽しすぎるので、帰宅してから私もハッとする。
刃牙の新刊がね♡とかどうでもいいから!花山薫の外伝が出たとかどうでもいいから!
プロポーズわい!
彼から言い出すのを待っていては、どこもかしこもシワだらけになりそうだ。
一応、私は私で自分が思い描いていた人生設計というものがあった。
25歳で結婚。
そのタイムリミットまで約1年というところが見えてきたのだ。
さらには付き合って10年に差し掛かる前に決断を!!という気持ちもあった。
正直なところ、今まではこれが柔道だったら受け身で世界タイトル捕れるわ!ってほど、とことん受け身でここまできた。
だがしかし、私の時間にも限りというものがある。
大外刈りか、一本背負いか。地味だが内股か。何故詳しくもないのに柔道を例えに出したかわからんけれど、とにかく責めねばならん。
今までの待ちの時代はもう終わりや!!!
隣で運転をしながら、気持ちよさそうに歌っている彼をちらりと見る。
オーディオから流れる歌手の歌声をかき消さんばかりの大声量で歌っているが、ちょっと※お口はミッフィーになってもらおう。
(※黙らせるという意)
大きく息を吸い込んだ。
「あのさ、、、結婚に対してどう思ってる?」
彼のジャイアンばりの1人リサイタルを、強制的に終わらせた。
オーディオから流れる音楽だけが、車内に充満する。
空気が一瞬ピリついた後、彼が言った。
「俺、結婚願望ないんだよね。」
Oh My God。うそでしょ。
終わった。
なんやったんや、この8年間は。
え?もしかして付き合ってなかった?私の勘違い?1人で結婚まで考えてた?え、じゃあ私達の関係って何?NKYP(なかよぴ)?マブダチ?え?は?
次の言葉が出てこない私に対して彼は続けた。
「俺、結婚にポジティブなイメージがあまりなくて」
「それに俺の家族も結構クセ強めだから、苦労させるかもしれないし・・・」
「経済的にも、もう少し安定してからって思うところもあるしね・・」
彼は一通り、結婚願望がない理由を話した。
私の頭は真っ白だ。
少し期待してた。
「もうそろそろって思ってるよ」
なんなら今すぐにでも
「結婚しよう」って言ってくれるかもって。
今より一歩先に進める言葉を。
「そっか。じゃあ別れよっか。」
これを言ってしまえば、多分全てが終わる。
だけどこんな冷静じゃないときに発するもんじゃない。
まだ冷静ではない頭で、ボーッとただただ前方に続くアスファルトを見つめながら、ふと、昔観たテレビ番組を思い出していた。
あれは多分中学2〜3年の頃観た番組だったかな。
なかなか日の目を浴びない芸人やバンドマン。いわゆる低月収な彼らが、長年付き合っている彼女の家に挨拶をしにいき、厳格な父親に「お嫁さんを僕にください!!」と頼み込みにいくところをモニタリングするという企画があった。
挨拶に行く前に、男性側に心境を聞くシーンがあったのだが、皆口々にこう言った。
・自分は結婚に向いてるかわからない
・今は稼ぎがないから不安
・幸せにしたい気持ちはもちろんあるけど、彼女に苦労させるかもしれない
そんな気持ちから、今までなかなか結婚に踏み出せずにいたと本音を話していた。
そのシーンを見ながら、
結婚というものには、男性が女性を幸せにするという価値観が存在しているのだな。
男性は稼ぎひとつで、結婚相手のふるいにかけられることもあるのだから大変なもんだ。
と中学生ながらに思ったもんだ。
同時に疑問にも思った。
なぜ結婚というものは、男性が女性を幸せにするという価値観になっているのか。
私も誰かに幸せにしてもらう日がくるのかしら・・・。
まぁ、そんな難しい話はまだまだ先の話か。
とソファにもたれ、ぼんやりとその芸人がお義父さんに頭を下げる姿を見つめていた。
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いま隣にいる彼も、かつて観た画面の向こうにいた芸人たちと同じように、別に抱えなくて良いものを抱えてるのだろうか
ふと、そう感じた。
私は思考停止状態の頭を再起動して、もう一度彼が話してくれたことを整理することにした。
・私のことは好きだ
・だけど結婚となると相手を幸せにできるか?という責任が問われる
・その不安は世間でいう男が女を幸せにしなければという価値観から?
・私はどうしたい?
私は考えた結果、私自身の想いを伝える。
この一択に賭けた。
玉砕覚悟や!!!気合やっ!!ハッ!!!
「今話を聞かせてくれた中で、私を幸せにできるか不安に思ってるんだってことがわかった。それは逆に、私を幸せにしなきゃいけないって思ってくれてるってことだよね。」
「でもね、私は結婚して、たけさんに幸せにしてもらおうなんて微塵も思ってない。」
「私は勝手に幸せになる!」
なんか最後、
海賊王に、俺はなる!
みたいな言い回しになってしまったけど。
男心も男性の世界というものも、日本の価値観もなんだかよくわからないが、きっと色んなものを抱えて、前に進めないんだろうということだけは解りながら、ありったけの想いを吐きだした。
彼は呆気にとられた顔をしていた。
「そっか・・・。俺、自分が幸せにしなきゃってすごいプレッシャーだったかもしれない。」
その告白から一年後、私達は夫婦になった。
当時のことを彼はこう話す。
『あの時、ゆみがあんな風に言ってくれて、肩の荷がふっと降りたんだよね。
自分が結婚相手を幸せにしなきゃいけない、するのが当たりと思ってた。
だけど、私を幸せにするのはあなたじゃなくて私自身という固い意志を伝えてくれて、この人となら絶対幸せになれると確信に変わった。
今本当に幸せ。なんでもっと早く結婚しなかったんやろうって思うほど、こんなに幸せな時間を、毎日をありがとう。』
満面の笑顔で伝えてくれる彼が、泣けるくらいに愛おしい。
こちらこそ、だ。
私が幸せそうで、彼が幸せ。
彼が幸せそうで、私が幸せ。
子どもたちにも、
【幸せは自分次第】
そういう姿を見せていられているのなら嬉しく思う。
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結婚というものへのイメージは、それぞれの家庭文化や周りの環境によって大きく変わる。
男性が女性を幸せにするという1つの価値観を否定するつもりはないけれど、それが、依存関係をつくってしまうこともある‥ということも忘れちゃいけないよね。
幸せにするって誓ったんじゃないの?
あなた私に何してくれてる?
稼ぎもないくせに。
相手に依存している状態だと、自分の幸せも不幸も全部相手で変わってしまう。
本当にそれでいい?
夫婦、家族、友人、職場。
どんな環境にいようと、誰と過ごそうとも、自分で自分の人生の舵をとるという意識さえ持っていれば、きっと豊かな人生を送ることができる。
男の人が女の人をひっぱっていく。これは一見カッコいい。
そんな相手からのアプローチを待っている女性も多いかもしれない。
だけど、結婚は大きな変化だ。男性も怖くて不安なのだ。
相手がもともと持っている結婚へのイメージをこちら側が変えることはできないし、
ましてや、誰か他人の結婚話を話せば話すほどプレッシャーになるもんだ。
結婚にマイナスイメージを抱く男性には
、もちろん自分でも克服していく必要もあるかもしれないが、
女性がドン!と構えて
私は自分で自分の機嫌をとる。
自分で勝手に幸せになる!
という毅然とした姿で
結婚前も、そして結婚後もその心を忘れずに過ごすことが
夫婦円満で居続ける秘訣だと
私は確信している。
そんなわけで、
私は勝手に幸せになる!!ドドン!!
この意思を胸に皆ハピネスであれ!!