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ご褒美から学んだ事

文具大好き。もちろん手帳はアナログです。

思い出して、思い立ち。


先日の金曜日、仕事中に週末の予定やToDoを書き込んでいた時のことです。ふと、手帳の後ろに書いたウィッシュリストの存在を思い出しました。開いてみると、すでに達成出来ていることや、ペースが大幅に遅れてるもの、書いたことすら忘れていたものなど色々な発見が。書き足したり、チェックを入れたりと、手帳の修正が始まります。

そして書いていた中に「ご褒美リスト」というのがありました。
自分が頑張った!と思った時や、目標を立てる時に達成したらこれをやろう、ということをリストアップした、いわばニンジン的なものです。「ヘッドスパに行く」「デパ地下でマカロン買って帰る」「美味しいお肉を食べる」…。

見返していくうちに、その中の「A駅前の星乃珈琲店に行く」という書き込みに目が留まりました。


ある時、仕事終わりで用事を済ませに、自宅の最寄駅の2つ手前のA駅に降り、そこで見つけたのが星乃珈琲店です。
ガラス越しにお店の中の様子を伺うと、平日の夕方だったこともあり、数名のお客さんが広い店内でゆったりと過ごしている様子でした。
その雰囲気が心地良さそうで、いつかここでお茶をしようとリストに書き込んだのです。


この一週間、締切があるものを抱えながらも、なかなか手が動かない事に、焦りと苛立ちを感じていた私は、「気分転換にいいかも」と思い立ち、仕事終わりA駅で降りたのでした。

束の間の癒し

お店に着き、扉を引き開けると、レトロなドアベルの音と共に、涼しい風が奥から流れ出てきて、思わず目を細めます。
「お好きな席へどうぞ」と促され奥へ進むと、席の間隔が広く取られたフロアがひろがっていました。3組ほどがそれぞれの時間を楽しんでいる様子でした。1人用ソファチェアーが向かい合う席に腰を下ろし、注文を済ませてお水を一口。
キッチンから聞こえて来る調理や洗い物の音、店内に流れるピアノジャスのBGM。
家にいる時とはまた違った、ゆったりとした時間が流れています。


程なくして運ばれてきたパンケーキとコーヒーを味わいながら、暑い時期にあえてホットを飲むのが良い…とかバナナとチョコって相性最高!なんて取り留めのない事を考えます。

家にいるとついつい、アレコレ考えたり、スマホに手が伸びがちですが、こういう場所に来ると、ちゃんと食べる事に集中できるから不思議。

バナナカスタードブリュレの
スプレーパンケーキと星野ブレンド



季節限定の美味しいスイーツと、快適な空間をたっぷりと味わいお店を出ると、最近のご褒美後とはちょっと違い、スッキリ元気なっていました。吹きつけてくる生ぬるい風にも、全くイライラしない。
せっかく気持ちも上がったし、ついでにと少し足を伸ばして、近くにあるKALDIに寄って、なんだか珍しい食材と、雑貨店でクナイプのバスソルトを買って帰り、「あ、待って。ご褒美って本来こういうものなんじゃないの?」と気がついたのです。

それはご褒美?


ある時から私は、「自分にご褒美」を作るようになりました。それまでは、ダンス業界という、ゴリゴリの体育会系環境の中に身を置いていた為「そんな事でいちいち自分を褒めてたらキリないし、成長しないでしょうが!!」と思っていた人間でした。

ある時、「人には許したり褒めたりする程の事を、自分にしてあげられないのは、一番大切な人を蔑ろにしてるのと同じ」というような事を聞き、まさに目からウロコでした。
それまでの自分への扱いを反省し、ご褒美制度が始まったのです。

初めの方は、マメにご褒美リストからその時の気分のモノを選んで楽しんでいたのですが、
最近は「出歩くより、食べたいもの買って帰った方がゆっくりできるよね」と、その時思いついたものをテイクアウトすることがほとんどでした。
その時はテンションが上がって色々買うのですが、家に帰ると、すっかり疲れてすぐに食べる気にもならず、少し時間が経ってから、大して欲しくもない時に仕方なく食べる、という事が続いていました。
こうなってくると、もはやノルマです。

星乃珈琲店のご褒美が教えてくれた事

近頃の私は、ご褒美という名の「間に合わせ」を自分に押し付けて、「ほらご褒美あげたんだから頑張れ!!!」という、人にやられたら割と腹立つ事を自分にしていたんだと気が付きました。
今の自分の状態をちゃんと考えて、今の私が望むのは「帰ってもう寝たい」なのか「少し疲れててもあそこに行きたい!」なのか「お店でゆっくり食べたい」なのかをちゃんと聞かなければ、どれだけ高級なものであってもそれはご褒美とは言えないということ。

それに、せっかくリストアップしてたお店を、「近いからいつでも行けるし」と思ってずっと先送りにしていた事にも反省。

ついつい考える事が面倒になって、疎かにしがちだけれど、自分と一番長く居るのは自分。
これまでも、これからもずっと。

私の大切な人と同じように、自分の事もちゃんと考えて、決めた通りに自分にあげる事で、前に進む元気が出る。ご機嫌にもなれる。

改めて、自分との約束を守るのは結構大変で、大切なんだわ、と思った夜でした。

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