幸運続きだった日の話。
こんばんは、スミレです。
秋の味覚モチーフのお菓子が増えてきたのにまだまだ暑いこの頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
私は毎朝滝汗かきながら登校して、コツコツと出席率を稼いでいます。
さて、その学校生活で起こった豪運エピソードについて語りたいがためにこの記事を書いております。ぜひお付き合いくださいませ。
今週のことです、1日半かけて宝石研磨の授業を受けました。冴えない原石を磨いて磨いて、それはもう美しい姿に変身させる作業です。
先生曰く、1年生のカリキュラムに宝石研磨が追加されたのはかなり最近のことらしいです。宝石云々も大事だけれど、他にも外せない基礎知識が山積みですからね。
その山積み基礎知識の間を縫った末の研磨の授業だったので、実際は「お試し」程度。先を楽しみたければ頑張って進級したまえ、ってわけです、多分。
で、「楽しみすぎるぜ」とテンション爆上がり状態の私は、研磨のための機械がある教室に到着しました。クラスメイトたちも、いつもよりソワソワしたような雰囲気でした。
宝石研磨の授業を担当してくれる先生は開口一番、「みんな今日は運がいいよ」と言いました。
なんでも、研磨する機械はとてもとても重くて準備も後片付けも大変だけれど、私たちは次のクラスのために機械は作業机に出しっぱなしでいいんだそう。もちろん次の人が快適に使えるようにお掃除は徹底しましたけれど。
あの機械の重さを先生はこう表現しました。「『手伝って』の一言は絶対言えるようになりなさい、でないと足の指くらい簡単になくなるからね」。
う〜ん、1人で彫刻台持とうとして骨折中の私には耳が痛い話です。
ですが実際のところ、私はあの機械の重さをまだ実感していません。運んでないから。指折れてるから無理だったというわけでもなくてですね。
ほら、手順の説明のために、まず先生による実演がなされることってあるじゃないですか。例えば講師机から一番近い生徒の分を代わりにやりながら、クラス全体への説明とするとか。
今回はまさしくその流れだったんです。
つまりお手本のために、先生が私の分の準備をやってくれたわけです。あの重い重い機械を運んでセッティングまで先生がやってくれたのです。
そういうのって、楽できる反面、自分でやれなかった分頭に入ってこない面もあると思うんです。
思うんですけれども、怪我のことを伝えるより前に最初の試練を免除されたことは、先生の言葉を借りるなら、めっちゃ運が良かったです。
代わりにクラスメイトたちの机へ小さい・軽い工具をひたすらデリバリーしてました。何かしないと悪い意味でソワソワしてしまう気質なので。
次の幸運は、作業中に濡れることが避けられないと分かった時。
左手の小指はギプスが固定してくれています。ギプスって濡らせないんですよ。加えて未だ「まだ気をつけないとね」と言われているズレた爪周辺の傷を保護しているガーゼもまだいるっていう。
やべぇ、せめて作業用エプロンに隠れる箇所を怪我しておけば良かった、などと意味不明な方向に思考を走らせ。しかし怪我した部分を素直に濡らされるわけにもいかない。
どうしたもんか、と考えてすぐに思い出したのは、家でシャワーする時に手をビニール袋に突っ込んで輪ゴムで閉じてたこと。
作業中もそれやってみようと思ったのですが、あの袋を持ち歩くほど私は用意周到な人間ではないですから、「詰みか……?」と思いかけました。
ダメ元で工具箱を覗き込んだ、その時!
めちゃくちゃちょうどいいサイズの袋が中で眠っていたのです。お手手がすっぽり入って、穴も空いていない袋が!輪ゴムはなかったけれど、代わりに袋は前腕の半分くらいまで覆ってくれるサイズ!
思わずガッツポーズしました、小さくやったから誰にもバレてないと思います。
そんな幸運続きで問題なく終えられたその日の授業。いつもなら下校中には体力ゲージすっからかんでフラフラ帰っていくのが常でしたが、今回ばかりは気分良く帰路に着けました。
せっかくだし、そこのコンビニで甘いもの買おう。と思い至って数分悩んだ結果、選ばれたのはミニサイズのカントリーマーム。
サツマイモ味のバームクーヘンと迷ったけれど、結局いつも食べてる方を選びました。
買ったはいいけれど、どのタイミングで食べようかしら。最初は電車が来るまでホームで食べようかと思っていたのですが、待たなくてもいいちょうどいいタイミングで電車が来るという幸運に恵まれ、カントリーマームはカバンに避難させました。
ふふん、楽しみは後に取っておけばいい、と余裕をかましていましたが、何せ東京の電車は帰りも満員。もみくちゃになって「ギャー!」と内心で叫んでいると、私のカバンから「ベキョッ!!!」っとプラスチックの潰れる音が。
あれ、待って、カントリーマーム、今の一撃で粉々になったのでは……?
憂いながらなんとか満員電車から脱出を果たし、でもすぐ乗り換えの電車に乗るので確認は我慢し、家最寄りの駅についてからお菓子の安否を確認しました。
全然無事だった、めっちゃ無傷だった。袋を開けてみたら、真ん丸いままのバニラ味たちがお出迎えしてくれてました。
じゃあさっきの「ベキョッ!!!」って音はなんだったんだ、とまたカバンの中を覗くと、麦茶が入っているペットボトルが「く」の字に潰れていました。こっちは無事じゃなかったけれど、中身が溢れていないならまあセーフでしょう。
バスが来るまでの待ち時間でささやかなティータイムを過ごせた幸運がその日の締めでした。
いやあ、こんなこと次に来るとしたら何十年後なんでしょうね。豪運と言っちゃえるくらいに満たされた日でした。
まあ翌日には、左手の代わりに右手をこき使ったツケ(強烈な筋肉痛)に見舞われましたけれども。
良い日だったけれど、やっぱり資本となる体はもっと大事にするべきだったな、と反省にもなりました。「手伝って」を言えるようにならなければ……。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
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