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LGB(T)、結婚記念日にカミングアウト

 既婚子持ちMTFが妻にカミングアウトした後の状況は、あまりいい話を聞いたことがない。ネットにあるブログやTwitter、書籍を読んでいると、離婚、離婚調停中、家庭内別居と、多くの夫婦が破局か、破局寸前の状態に追い込まれているように思えます。
 初めのうちは理解を示していたとしても、男性と思って結婚した自分の旦那が、少しずつ女性に変わっていく姿を見ると、それは、心穏やかではいられなくなっていくのでしょう。
 さよならの時が来たとしても、誰も悪くないってことが、またお互いをさらに苦しめてしまう。

 そういう既婚子持ちMTFの状況を知った上で、私は妻の誕生日でもある16回目の結婚記念日にカミングアウトした。記念日を狙ったわけではなく、それは勢いでした。

Preカミングアウト

 カミングアウトする前日、妻と一緒に買い物に出かける用事があって、その帰りの車の中で、LGBTQやGID,MTF,FTMの話をしました。その後に、プレ・カミングアウトとでもいいますか、もしオレがGIDだったらどうする?って助手席に座っている妻に振ってみた。

 妻は一瞬考えた後に、「もし家族が原因で生きづらかったらちゃんと言って」っていうパーフェクトな回答をしてきた。
過去にもLGBTQやMTFの話はしていたのですが、察する気配など全くなく、まさか、自分の旦那がそうであるとは一ミリも思っていないようだ。

私はその日の夜、またLGBTQの話をした。夜の12時を回り就寝の体制に入ったころ、
「実はオレGIDかもしれない。」
「・・・・」

随分と長い沈黙の後、

「えっ? えっ? えーーーー」

 十回くらい連呼した後、「いつからなの? どうしたいの?」と、動揺を隠しきれない様子で私に聞いてきた。私はいろいろ妻に話をした。オートガイネフィリアの可能性もあることも話した。
いろいろ話した後、妻は「きっと、お母さんの事とかいろいろあって、そう思い込んでいるんじゃない?」そう私に言ってきた。
「どうしたいのか自分でも分からない、近いうちにクリニックに行って話をしてくる」と私は妻に言って、その日は話を終わらせて布団に入って眠った。

あなたが愛したオレは、もう、そこにはいないのかもしれない。私自身は何も変わっていないのだけれども。

 その後、妻とはいろいろ話をして、ジェンダークリニックに行くことになったのですが、そこで待っていたのは、地獄でした。

初めて人前で泣いた。

ジェンダークリニックでの話は、心が落ち着いた頃に書きたいと思っている。


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