孔雀と和傘
メスのクジャクが、花壇に咲く花を引き抜いては、自分の体に刺している。
このクジャクは何をしているのだろう?
そう思っていた。
クジャクのカラダに花がどんどん増えていく。
突然、そのクジャクは尾羽を広げた。
刺した花がパラパラと地面に落ちて行く。
その時、はじめて気付いた。
このメスのクジャク、オスのような飾り羽が欲しいのだ。
(分るよ・・・、気持ち)
「飾り羽には負けるけど、この和傘、結構綺麗でしょ?」
「ここに置いておくから、傘の下に入ってごらん」
「どうよ? 気に入った?」
「飾り羽の代わりだよ」