ウサギとオオカミの運動会

PTAの集まりがコロナの影響で中止になり、集会に行くはずだったウサギは、今日は予定外の休みとなった。

折角なので、オオカミも午前半休を取り、お仕事を休みました。
午前中は久しぶりに、二匹だけの時間をまったりと過ごそうかと思いきや、運動会が始まってしまいました（笑）

保育園の休園や、お月様からウサギへの強制餅つき依頼など、いろいろとタイミングが合わず、延期を余儀なくされていた運動会ですが、久しぶりに今日開催する運びとなりました。

昔の頃のように、運動会がしたくてたまらないってことはなくなったけど、でもゼロではありません。

運動会開催中、ウサギはこれまでにない大きな鳴き声だったので、近所迷惑になってしまったかもしれない。
ちょっと恥ずかしいが、仲良しということで、許してもらうことにします。

小さな運動場、走り回るウサギにオオカミはついていくが・・・、オオカミはコケてしまった。痛くて涙ぐむオオカミは、ウサギに気づかれないよう、ウサギの後をついていく。

ウサギが先にゴール。また、オオカミだけ取り残されてしまった。
でもいいんですよ。普通じゃないオオカミだから。

でも、たまには運動会で（一緒に）テープを切りたい、オオカミはそう思ってたりします。

オオカミはウサギに、ゴールまで連れてってとお願いしました。

コールまでオオカミの手を引っ張って行くウサギに、オオカミは言った。

「ウサギと・・・、体、交換したい」

「・・・」

「あまりいいもんじゃないよ。毎月、お月様からの餅つき依頼は面倒くさいし」と、ウサギはオオカミに答えた。

「そうだね、餅の準備して、餅をついて、団子作って、自由な日は、月に一週間くらいだね」と、オオカミはウサギに言いました。

「そこまで大変ではないけど・・・」と、ウサギもオオカミに言った。

「あれ？」

「いつのまにゴールしたの？」

「さっき」