考察系VTuber「都まんじゅう」からみるリアルと紐づいたゲーム勃興の予兆
皆様こんにちは。華月です。
「今度VTuberの興りとかについて記事を書こうかなぁ」とか考えていた矢先、ネット上にて話題に上がり始めたとあるVTuberが現れ、「これはARGを世間に広めるチャンスでは?」と思い記事として取り上げさせていただこうと思いました。
今回も、ゲームプランナーとしての視点やシナリオライターとしての視点で、これがどういったものなのかを解説したいと思います。
例によって例の如く文字多め&クソ真面目の内容なので、ネタ記事を読みたい方は別の記事を読んでいただけますと幸いです。
◇事の発端
このVTuberたちがバズったのは、以下のツイートが投稿されてから。
VTuberという体を授かりながら死という概念を持っていたことから、その特異性が今回注目を浴びたと思われる。
一瞬だけ「こういうのは不謹慎、ネタだとしてもやるな」とバズったようだ。
これについては、ハリウッドの映画や小説、ゲームなんかでもキャラを殺すことはあるし、自分もやったりするので、ゲーム体験として人の死を描く必要があったこともあり、しょうがないと感じる。
むしろ、今回これだけ小さな火種でここまで注目を獲得できたことについて賞賛を送った方が良いのではないかと感じる。
もしかするとはじめからバイラルキャンペーンを狙っていたのかもしれないが。
そして、12/1に企画元がSCRAPという、リアル脱出ゲームを制作している会社としては有名な企業が行っていることが明かされる。
公式サイトは以下。
◇都まんじゅうの概要
都まんじゅうは、VTuberとしてデビューした女子高生バンドである。
メンバーは以下の六人。
そして、動画が投稿されたと同時、意味深な表現を発見した人物が現れそれを考察する人物が出現。
それが以下ツイート。
その後の概要は詳しくまとめている方がいたので、謎解きとかを楽しみたい人は以下の記事を読んでもらいたい。
一応、以下の記事をまとめた方とは一切関係がないので、その点ご了承いただきたい。
さて、私がやるべきことはこのグループについて「謎解きグループだって! どんな謎が出てくるのか、続きが気になる!」と楽しみにすることでも、「このVTuberはどういったグループなのでしょうか? 気になるメンバー、彼氏、年収は?」でも、「いかがでしたでしょうか?」でもない。
彼女たち、もっと言うならば今回のこの企画が、ARG業界にどういった影響を与えるのか、ということだ。
ARGについて知らない人も、今回のこの都まんじゅうが気になったからこの記事を覗きに来ただけの人も、初歩的な部分からしっかりと解説していくのでブラウザバックは一旦やめていただきたい。
◇ARGとは?
では、ARGとはそもそも一体何なのか、という部分について解説していこう。
ARGとはAlternate Reality Game の略で、日本語では多くの場合「代替現実ゲーム」と訳される。
内容としては、日本でよく実施されているような「とある場所からの脱出ゲーム」と言うよりかは、「ゲーム内で登場人物が物語を繰り広げ、その中で発生する謎やゲームをリアルタイムに、ネットや現場で解決することで物語が進むタイプ」のゲーム体験である。
今回のこのVTuberの出現についてまとめたいくつかの記事を追ってみたが、ほとんどの記事で「リアルとバーチャルが交差する、全く新しい謎解き」と表されていた。
が、私はそうは思っていない。
同様の形式のゲームが実施されていたが、それはその記事を書いたライターの目に留まっていないだけである。
確かに、ARGというのは日本ではあまり聞きなれない。
が、アメリカなどでは1000万人以上の観客を得て成功したという前例もある。
それほどまでに、ARGは世界ではポピュラーとされているのだ。
そして、今回のこの都まんじゅうの企画は、ARGの中でもフェイクドキュメンタリーの形式を取っていると言えるだろう。
もし今回のこの都まんじゅうの企画が成功したとなれば、同じようなパターンのゲームが現れることも想像に難くない。
◇ARGに準じたゲーム体験
では、もし今後この都まんじゅうと類似した企画が現れるとしたらどういったものが現れてくるのだろうか。
その足掛かりとして、「ミラーワールド」というものがある。
このミラーワールドは、仮面ライダー龍騎に登場するミラーワールドではもちろんない。
が、意味としては似ている。
ミラーワールドは「鏡像世界」と訳される。
要約すると現実世界の地図情報をバーチャルで作り出し、現実と全く同じものをコンピューターで見れるようにする、というものがミラーワールドだ。
グーグルアースと言うのが分かりやすいだろうか。
この、一見すると全くゲーム業界に関係がなさそうな技術がどうゲーム体験へと変わるのか。
実は、この片鱗を多くの人は既に体験している。
「Pokémon GO」である。
自分の足で現場に向かえば、まさにそこにポケモンがいるかのように出迎えてくれる。
そして、モンスターボールを投げれば、今までのゲームの中のキャラクターと同じように自分も「ポケモン、ゲットだぜ!」と声を上げることができる。
ミラーワールドを用いれば、現実世界と全く同じ場所で、リアルタイムに物語を作ることだって可能になるのだ。
そう考えれば、都まんじゅうよりもっと大規模で、もっと現実に干渉した、「デジタル空間とリアル空間を接地させる」ゲーム体験が現れることも簡単に予想できるだろう。
スマホを覗くことで物語に干渉することができるようになるまで、それほどの時間はかからないと私は考える。
物語を読んでいて、「このキャラが犯人だよ!」とか、「このアイテム重要だよ!」と教えられたらいいな、と感じたことは無いだろうか。
物語の人物が現実に影響を与えたり、現実の人物が物語の人物に影響を与える。
これを、ARGは、ミラーワールドやスマートシティを用いることで再現することができるのだ。
ミラーワールドとスマートシティが併用されることによって、新たなゲーム体験を得ることができるようになるのも時間の問題かもしれない。
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