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映画『ふたりの人魚』
目黒シネマのロウ・イエ特集で、前から気になっていた『ふたりの人魚』を観ました。
朝10時なのに映画館に行くまで暑い!上映中何がなんでも中座しない派なんですが、暑いからとたくさん水分をとると上映中尿意で膀胱がおしまいになるのでこの時期は勘弁してくれという感じです。一時期映画を観る前におもち食べておくと尿意を抑えられて良いと話題になりましたが、あれって本当なんですかね。
『ふたりの人魚』はジャンル的にロマンス/フィルムノワールらしいんですが、観た後にロマンスっちゃロマンスだし、ノワールはノワールなんだけど…と思うような、単純にジャンル分け出来ない雰囲気を纏った作品でした。
物語の進め方も面白く、ビデオ撮影を仕事にしているある男の視点から登場人物について語られ、話が展開していく形式です。
「人魚」を共通点に、美美(メイメイ)と牡丹(ムーダン)というそっくりな女性2人の話が同時進行しつつ時に交わり、観賞者の混乱や疑問を誘うのですが、そのさじ加減が上手い。わざとらしくなく、派手でなく、監督やり手だなあと思いました。終わり方もすごく抑揚をつけるでもなく、淡々としてある種諦念みたいなものを感じられたのがよかったです。
90年代上海のネオンの街並みや荒れて汚い蘇州河、ざらりとした質感が退廃的で、できれば朝じゃなくてレイトショーで観たい作品ですね。
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かなり個人的な好みの話ですが、昔からヨーロッパ的な美女には全く心惹かれず、Xiao Wen JuやSora Choiなどの東アジアのスーパーモデルやレン・ハンの作品ばかり眺めてはうっとりしているような思春期を過ごしたので、当然アジア映画に出てくる美しい女が大大大好きでなにかと観に行ってしまいます。
絶対に白肌黒髪、ふくよかでも痩せすぎでもないが華奢な体型で、寂しさや憂いを含んだ表情をしているともう最高です。昼より夜、晴れより雨、明るいセクシーさより湿気っぽい色気、派手な花束より控えめな一輪の花が似合う感じと言ったら伝わるでしょうか。上品で優雅、静か、それでいて時おり強気だとなおいいですね。
鈴木清順作品(ツィゴイネルワイゼンとか)に出てくる女性なんかもビジュアルは好きなんですが、男性の言うこと聞きすぎな感じがあるので微妙に好みと違う。今のところ(男だけど)覇王別姫の程蝶衣と花様年華のチャン夫人がぶっちぎりで理想の美です。