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ハッスルメイツ!(宝塚歌劇・宙組)

2018年に発足20周年をむかえた宝塚歌劇宙組。
そして宝塚バウホールも40周年。
平成最後の夏、この記念すべきタイミングで、和希そら率いる16名のハッスルメイツがハッスル!ハッスル!したバウホール公演の感想です。

バウ・Song&DanceEntertainment ハッスルメイツ!

期間
2018年8月2日~8月13日

出演者
・美風 舞良 (副組長:82期)
・松風 輝(92期)
・花咲 あいり (94期)
(96期)
・和希 そら(主演)、瀬戸花 まり
(98期)
・穂稀 せり 、瑠風 輝 
(99期)
・華妃 まいあ 、澄風 なぎ
(100期)
・天彩 峰里、舞華 みりあ
(101期)
・鷹翔 千空、湖々 さくら、花城 さあや
(103期)
・なつ 颯都、亜音 有星

状況
公演プログラムの石田先生(演出家)ご挨拶の中に、下記のような部分がありました。

本年宙組は20歳=ハタチを迎えた。制作サイドの仕事としては先ず…『WEST SIDE』『宝塚巴里祭』『ハッスルメイツ!』…どの公演に誰を出演させるか?…という難しい「班分け」から始まった。
ショー形式の公演として16名の出演者は少ないという意見もあったが武道館公演でも出演者は16名程度だ。

いやいや、人数でいったら同じくらいかもしれないけれど、武道館公演で真ん中(主演)にいるのはトップスターだから!!和希そら・研究科9年・初主演とは状況が違うから!!
と一応つっこみを入れたくなりつつも、逆にいえば、この状況でショー形式のバウホール主演を任せられると認めてもらえたとも言えるわけです。

とにかく平成最後の宙組の夏は、踊れる人はWEST SIDEに必要だし、歌える人は宝塚巴里祭に必要だしという、単に3つに分かれるだけでなく、明確な実力(得意な部分)配分まで考慮した采配が必要な状況だったということですね。

その結果、出演者を見てもらえばわかるとおり、メンバーが若い!ほぼ下級生!主演のそらの上が、あおいさん(美風)とまっぷー(松風)とあいりちゃんしかいないこの状況で、宙組の20周年記念な公演をどうおこなうのか。

個人的には和希そらの実力には信頼しかないし、きっと楽しい公演になるだろうという期待は多いにありました。結果、16名とは思えない熱い熱いハッスル公演を魅せてもらえたので、この気持ちが薄れないうちに和希さんのお茶会での話を含めて、印象的な部分を記録しておきます。

一幕

開演アナウンス
公演の中身ができたら当初の想定以上にハッスルな内容になったため、先に録音していた開演アナウンスのテンションが合わなくなり録り直しをするという珍しい事態に。オープニングに対して「このアナウンスでは暗い(落ち着きすぎている)」ということで、フレッシュを意識したとのこと。
スカステで放送があるときは、開演アナウンスから注目して聞いてみてください(笑)

君のSORA
オープニングの主題歌「ハッスルメイツ」で始まり、トークを挟んで第二主題歌の「君のSORA」。青空にビルのシルエットな背景の元、そらソロ場面です。そらには青空がとても似合う。

自分の初回で聴いたときも、いい曲だな~と感じていたけれど、「観にきてくださる現役のかたもOGのかたも、あれ良い曲だね~ってよく言われます」とのことで納得。

しかし本人的には練習しすぎてそういう客観的な判断ができなくなっているので、みんなから言われて「あ、やっぱり良い曲なんだな」と実感しているそうです(笑)

Copacabana
このもえこはいいもえこ!というわけで、ミュージカルの男なもえこ(瑠風)が娘役全員を引き連れてソロ場面です。裾がプリーツっぽくふりふりになっている白燕尾。

こういうお衣装はやはり高身長に栄えます。いいもえこ!そして曲が似合っている。いいもえこ!娘役全員に囲まれている図も素敵。

私だけに/最後のダンス/キッチュ
娘役による私だけに続き、男役で最後のダンス。
エリザベートは本当に版権が厳しくてという話で、ボーダーを着てキッチュを歌ってはいけないなどの決まりなどもあり。なので次の場面でのそらルキーニはボーダーのスーツを着ています。

パーシャルタイム監獄
パロディコーナー。ここは出演者にはなんの罪もないけれど、あぁ…相変わらずの石田先生だな…と遠い目をして眺める内容となっておりました。本当にみなさんおつかれさまです。実際のそらちゃんは青汁飲めないそうですよ。

楽しめる部分はいろんな登場人物を見られるところ、見どころはジャンヌダルク役のあいりちゃんの可愛さとせっちゃん(瀬戸花)の怖すぎる看守。

そんなせっちゃんですが、前回の公演に続きマイク袋を作ってくれたそうです(しかも出者全員分)。ハッスルメイツのロゴ風に名前を刺繍をしてくれていたが、表記がカタカナ故に「ソラソラソラソラ」に対して「ンランランラ…?これなーに?」と無邪気に尋ねてしまったソラカズキ。私が悪い!と反省するソラカズキ。

ア・カペラ/アマポーラ
ほまちゃん(穂稀)たっく(澄風)こってぃ(鷹翔)とっぽ(なつ颯都くん:そらはこう呼んでいるそうです)・まいあ・ここさく(湖々)の6名でアカペラ。

歌い終わるとあおいさんが出てきて、いかにこのようなコーラスが難しいか説明してくれます。少しそれぞれの声(コメント)も聞けて、普段の公演では難しいこういうところが少人数公演の嬉しいところですよね。

応募曲・ショーメドレー・明日へのエナジー
事前に公式サイトで募集した曲含め、宙組ワールド!
そらはソーラーパワーができて嬉しいそうです。か・ん・じ・て!
もうただただ楽しい!!

二幕

宙組大漁ソーラン
当時の映像をみんなで見て、「ふぅー!すっしーさんかっこいいー!」と盛り上がっていたハッスルメイツたち。みんな大好きすっしーさん。宙組のお父さんすっしーさん。

上手と下手で旗を操るのはとっぽくんとキョロちゃん。旗の扱いというものは本当に難しいらしく、お稽古場でもずっとふたりで練習していた。その様子を「青春やわー…」と眺めるソラカズキパイセン。

宝塚行進曲
ソーランからそのまま舞台に残り、宝塚行進曲の説明をするそら。ソーランで息が大変なことになっているのに、そのまま長々と話し続けないといけないので、最初は息がどうにかなって死にそうだったが、ようやくコントロールできてきた。良い経験をさせてもらっているということでした。経験値って後々大きいよね。

しかし元々は全部セリフ(説明)だったのに、「花月雪に星と宙」部分は歌おうということになり、譜面をもらっていない(場面には出ていないから)から音程が分からず、毎回通しのたびに「和希は宝塚行進曲の音程な」とダメだしされるそらちゃん。
「ダメだしして欲しいところはもっと他にたくさんあるのに(笑)石田先生がとにかくこの宝塚行進曲のエピソードが好きなんだと思います」

和物メドレー
日本物が少ない宙組だけれど、ちょうど次回が日本物。いまの宙組でどんなものをみせてくれるのか楽しみになりました。そらの風雲に生きるはとても良い。ほんとにええ声。

雨のコーナー
雨宿りの青年なそらと、雨宿りの少女なじゅりちゃん(天彩)と、雨の男なまっぷーのお芝居仕立てなコーナー。

もうね、ここのまっぷーがね!雨の男っていうか、神様なんだけどね!最後に一言だけセリフを言うのだけど、そのセリフでぽろぽろ泣いてしまった。それで気づいたのだけど、わたしまっぷーの優しい口調に弱いんだわ。たった一言にふたりに対する愛しさと、優しさ、そしてどうにもできないせつなさがにじみ出るまっぷーのお芝居すごい。

そして言うまでもないことだとは思いますが、じゅりちゃんが、とても、かわいい。とてもとても、かわいい。見た目のかわいさに加え、じわじわ露呈してきてる本人の内面の面白かわいさが役にマッチしていて、よりかわいい。

NEVER SAY GOODBYE
本人念願のそらが裸足で踊ります。わたしは和希そらのダンスが大好きなので、ただただ待ってました!の気持ちでした。

こういう姿を見ることができるのは、本人のこれまでの努力と、応援している人たちの気持ちと、そこに運とタイミングという全てが重なりあっているからで、そのどれもが大切だよなと思う。素敵なものを魅せてくれて、ありがとうございます。

ボヘミアン・ラプソディ
こちらも和希そらのダンス能力を魅せつけられる場面。「体幹が大切です」byそら。

最初は日本語で歌う予定が、やはり英語にしようとなったのが振付日の直前。歌詞を覚えるだけでなく、当然ながら内容も把握しないと気持ちをのせられないため、1日で死ぬ気でやりきったそうです。

リフトしてくれている最下級生(とっぽとキョロ)が高身長なため、お稽古場で「わー!たかーい!」と内心きゃっきゃするそらちゃん。

あなたの空を翔びたい
戦死した恋人のソルジャー(そら)を想って歌うじゅりちゃんのソロ。
わたしは燃ゆる風の松寿のソロで泣いていたので、こういう感情のこもったじゅりちゃんのお歌が好きなのであります。

「わたしは(ボヘミアンラプソディで)ママ、ママ、歌っていて、まったく恋人の存在がでてこないのに、わたしのことを想って歌ってくれていて、なんていいこなんだと思います(笑)」

愛(黒燕尾)
キョロちゃんは前回の公演で白燕尾に少し出ただけで黒燕尾は初めて、とっぽくんは完全に燕尾初めて、というメンバーによる男役8名の黒燕尾ナンバー。

そらやまっぷーは自分が踊っていない振りも全部覚えて、ひとつひとつ細かく指導したそうです。まっぷーのような上級生がひとりに対して1から10まで確認して指導してくれるって本公演ではなかなか無いことだと思うんですよね。

これと似た話を最近どこかで…と考えたら、あれですよ、ちゃぴちゃん(愛希れいか)のバウホール公演。愛聖女(サントダムール)も出演者は20人で、その中で研1さん5人に対して直接ちゃぴちゃんが踊りを教えていたと。スカステにてさち花が「普段の公演では絶対にない(できない)ことだから」と興奮していたのを思い出しました。

とっぽくんとキョロちゃんにとって大きな経験となったことは間違いないし、今後の本公演で黒燕尾に入れたときに確実に活かせることだろうし、こういう経験ができるかどうかもジェンヌ人生における運なんだろうなぁとしみじみ思った2018年夏でした。

フィナーレ・パレード
主題歌ハッスルメイツをまずは娘役さんだけで。振りもオープニングとは変わって娘役さん仕様になっているので、そらはお稽古場から「かわいいわー宝塚っぽいわー」とうきうき眺めていたそうです。

最後は「君のSORA」を全員で。やっぱり良い曲だ。

ハッスルメイツはそらのキャラクターや若めの年齢層などで舞台上の熱量がすごくて、この熱量を生で体感できて嬉しかったです。
そしてすみれコードがあれなので気持ちは小声の感想ですが(笑)この内容を〇〇歳以上離れた若者と違和感なくやりきれるあおいさんが本当にすごい。もし自分がやれと言われたら、主題歌ハッスルメイツの1番で確実に倒れてるわ…。


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ごま
読んでくださりありがとうございました。少しでも楽しさを共有できていれば幸いです。