本とおしゃべり
学生の頃は読みたい本が次々に湧いてきて、思い浮かぶ度に手帳の後ろのページに書きこんでいました。
その頃はどんな絶版の本でも置いている大学の図書館が近くにあったので、手帳の後ろのページを眺めて本をどんどん借りました。
私は目標を文字にする習慣はありませんでしたが、その時読みたいと思った本を見返すと何に悩んでいたのか、何をしたいと思っていたのかよくわかります。
物理学科に転科を考えた頃、学生のままのらくらしていていいのかと考えた頃、理学という実学とは程遠い学問をしていることに不安を覚えた頃。
一時期、池田晶子さんの本を読みまくっていたころがありました。
科学的な話になると正確でないなあという部分もあるのですが、ひたすら面白かったです。
それから今でも、内田樹さんの本はおしゃべりする気持ちで読み返すことが多いです。
「ここは私の意見と違うな」と考えながら、本を書いた人とおしゃべりする気持ちでした。
悲しいことに大学の同級生とおしゃべりしても、あまり楽しいと感じることがなかったので本の中の人とお話しばかりしていました。
学部3回生になって研究室に配属されると、私が欲していた会話が、そこにはありました。
今では読みたい本があればすぐにAmazonで検索して、注文するか買いたいものリストに入れます。
便利ですが、ちょっと味気なくなりました。
一覧で見たいので、試しにGoogle Keepで復活させてみます。
著名な著者の方は、本来は「さん」をつけないのが正しいはずです。ですが、私はいつも相手がそこにいておしゃべりしている気分なので、「さん」をつけるのが好みです。
そういうわけでさんづけしました。