持たざる者のお金の稼ぎ方
大きなお金(私の前を通り過ぎていくだけですが)の案件に関連して某外資系の保険会社の方が来られた。
蒸し暑いのにスーツ着て、髪の毛は散髪したてのようにすっきりしていてキレイな靴に鞄、そして指先には透明のマニキュアまで塗られていた(お見事!)
私のような庶民相手ではなく、お金持ち相手の商売。そこからのコミッションも当然大きい。そのコミッションでお金持ちになって、お金持ちとの付き合いを継続してさらにお金持ちになっていく。
そういうのってほんとうに厳しい世界だと思う。私の周りでもフルコミッションの世界に行った人は多く、「オレならいける」と自信を持って飛び込んでいっても9割は元の世界に戻ってくる。やめた友達に話をきいたら「オレには無理やったわ」的なことを言っていた。
行政書士も、キレイな格好して、中小企業の社長(建設、運輸、その他)に受け入れられる要素を持ち、それで彼らに有益な情報を提供することができる中身を持ち、そして、そういった社長さんにつながる人達と積極的に会って「あーこいつを社長に引き合わせてみたいな」と思ってもらえるようになれば、良質な仕事がどんどん入ってくるんだろうけど、書くのは簡単だけど、とても難しい、それができれば苦労しない。
このあいだ、かなりのお金持ちの方から業務の相談を受けた。丁寧に説明して、さらに面談の内容を書面化したものを送ったけど、多分、その件はお断りの連絡が来ると思う。ある程度以上の層にとっては、法律的な問題を解決するのは弁護士であり、かつ自分の周りには弁護士がたくさんいる。そんな中で、行政書士という立場で、長い付き合いのわけでもない私が選ばれるというのはやはり難しい(まあゼロではないけど、そうとう厳しい。)
本日、某行政書士、司法書士事務所から、アフターコロナを勝ち抜き、受注担当者1名で3600万円の売上を!みたいなダイレクトメールが届いていた。これからは身元保証人が熱い!みたいな感じで「身元保証相談士」という民間資格を作ったから受講してねということでもあった。
こういうのは、「お金がもっと欲しい。成功したい。そしてそれはやり方次第でなんとかなる」と思っている層を対象とした営業方法になる。私のようなすれたおっさんが読むと、「行政書士1人だけあるいは事務員さん1名くらいの規模で年間3600万円の仕事は処理不可能、以上」となってゴミ箱行きになるけど、売上上限の天井がまだ見えていない登録から年月がたっていない行政書士の方相手だと有効なのだろう。こういったことを考える人達は頭がいいので、それぞれの分野に適した営業方法を提供しているだろうと思う。お金持ち相手には、またまったく違うアプローチをしていることだろう。
異なる層にたいして、それぞれ違う営業を提供できれば理想だけど、現実には、自分自身と似た環境にいた人への営業は得意で、それ以外は苦手という方がほとんどだと思う。私もそれは同じで、得意層、苦手な層が明らかにある。頑張ってはいますがなかなか難しいところです。
ほとんどの行政書士さんも同じような悩みを持っていると思うので、それらを一気に解決してくれるように思えるこうしたセミナーに飛びつきそうになる気持ちはよくわかる(私も大阪会場のセミナー、ちょっと行こうかなとか思ったりしちゃいます。
でも、足が速い人、勉強ができる人の7〜9割くらいは遺伝であるように、お金儲けが得意な人というのも、多分7割〜9割くらいは、その人が生まれ育ち、その方の職業が行政書士なら、行政書士になるまでの人生の中でほぼ決まってしまっていることなのだろうと思う。何をしようが劇的にそれが変化することはないと思う。
お金を持っている層に選ばれてお金を稼ぐ
お金を稼ぐ能力を持たない人からお金を稼ぐ
この2つが、現状、そんなに仕事でお金を稼ぐことがうまくできていない人が現状打破、改革しようとしたときに思い浮かぶ方法だと思います。
私もなんとか飯は食えてるけど、例えば子供が中学受験すると言われたら「ちょっと待って!」となってしまうレベルの暮らしなので、もっとお金は欲しいのが正直なところです。
私が主業務としている遺言相続において、顧客層(遺言作成なら80代、相続なら50代くらいの方、そしてできればちょっと平均よりは資産がある方)に選ばれるためには、どんな要素が必要なのか、どういう広告アプローチが有効なのか、そんなことをしっかり考えて行動していかないといけない(遺言の宣伝をインターネットでやっても、現状では遺言者はネットで遺言作成の手伝いをしてくれる人は探さない。探すのは親に遺言を作ってもらっておいて欲しい子供)そしてそれだけでは稼ぎが足りなければ、そういった試みを自分ではできない人を対象にして、セミナー等を開くことも考えないといけないです。
1人事務所の大変なところは、こうしたアイデア出しについて、ブレスト的なことができないところ。とはいえ、とにかくいろいろ考えてアウトプットして、試行錯誤して前に進んでいかないといけない。自営業って大変だなあって行政書士登録15年目にしてあらためて思います。
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