エンゲージリング
『エンゲージリング』
二人用声劇台本(男:女=1:1)
声劇台本置き場…https://taltal3014.lsv.jp/api-server/public/share/script/5952
《登場人物》
・百合(ゆり)…悟の気持ちに気づいていながら利用する。
・悟(さとる)…百合への気持ちが徐々に強くなっていく。
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百合:(M)ごめんなさい。私が…あなたをこんなになるまで壊してしまったんだね…。
百合:「(首を絞められながら。)ごめんなさい。」
:【首絞められて殺される】
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百合:「悟くん、お願いがあるんだけどー。」
悟:「百合ちゃんの頼みなら、僕なんだってするよ!」
百合:「ほんとっ?今日お弁当忘れちゃって、購買でサンドイッチと野菜ジュースを買ってきてほしいなぁーって。」
悟:「そんなのお安い御用だよ!種類は何がいいかな?」
百合:「トマトが入ってないやつがいいな。」
悟:「わかった。他に必要なものはない?あれば一緒に買ってくるよ。」
百合:「他には無いから大丈夫だよ。いつもありがとう。」
悟:「行ってくるねー!教室で待ってて。」
百合:(M)悟くん私のお願い何でも聞いてくれるから便利なんだよねー。
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悟:「百合ちゃん!お待たせー。」
百合:「悟くん、ありがとう。」
悟:「今日は一緒にお昼食べられるかな?」
百合:「(悟の台詞に少し被って)ごめんね。今日も委員会の仕事があるから…。」
悟:「そっか…委員会大変そうだね。頑張ってね。」
百合:「うん。ありがとう。」
百合:(M)そろそろ委員会を理由にしてお昼断るのも使えなさそうだし、次は何て言って断ろうかな。
悟:(M)ここ最近ずっと委員会の仕事が忙しいって言ってるけど、図書委員ってそんなに忙しくなることってあるのかな?
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悟:「今日も一人寂しくお昼ご飯かぁー。まぁ、いつものことなんだけどね。百合ちゃんに食べてもらいたくて、お弁当作ってきたりしちゃったけど。冷静に考えたら、僕気持ち悪いな。」
悟:(M)僕の作ったものが百合ちゃんの体内に入って、百合ちゃんの一部になるって考えると、もっと料理上手になりたいな…。料理教室増やそうかな。
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百合:(M)最近、悟くんの指の絆創膏が増えてるけど…。まさか、手料理とかじゃないよね。そうだとしたら、怖すぎるんだけど。
百合:「これ以上距離を詰められそうになったら、切らないとかなぁー。便利だから、キープしておきたいんだけどなぁ。」
悟:(M)付き合ってもないのに、手料理は流石に怖いだろうしちゃんと気持ちを伝えてからがいいよなぁ。なんて伝えたら付き合えるかな…。
百合:「悟くん!こんなところにいたんだね。探しちゃったー。」
悟:「百合ちゃん?!どうしたの?僕なんか探して…。」
百合:「『僕なんか』なんて言わないで?最近ずっと指に絆創膏してたのが気になって…。」
悟:「え?!気づいてたの?」
百合:「そりゃあ日に日に増えてるんだもん。気づかない方がおかしいよ。」
悟:「ははは、なんか恥ずかしいな。」
百合:「指怪我してるの気づいてたのに、色々頼んじゃってごめんなさい。」
悟:「そんな!百合ちゃんが謝るようなことないよ。僕が勝手に怪我したんだから。」
悟:(M)まさか百合ちゃんが気づいてくれてたなんて…。僕のこと見てもらえてて嬉しいな。心配してもらえるなんて思ってなかったから、びっくりした。
悟:「(小声)もっと好きになっちゃうよ。」
百合:「ん?どうしたの?」
悟:「ううん。何でもないよ。僕のこと探してたのって、怪我のことだけで?他にも用事があったんじゃないの?」
百合:「え?怪我のことだけだよ。流石に何かお願いする為にわざわざ探すなんて酷いことしないよ?」
悟:「そっか、そうだよね。ごめん。」
百合:「もうお昼ご飯の時間も終わっちゃうし、一緒に教室に戻ろう?」
悟:「!?いいの?」
百合:「何が?同じクラスなんだから、良いも悪いもないよ?」
悟:「…。ありがとう。」
百合:「ふふ。変なの。」
悟:(M)百合ちゃんと一緒にいられるなんて、僕もっともっと好きになっちゃうよ。
百合:(M)怪我の理由はわからなかったけど、もう少しだけ様子見てヤバそうなら切ろう。
悟:(M)こんなにも僕のことを気にかけてくれるなんて、百合ちゃんも僕のこと…好きなのかな?きっとそうだよね。好きじゃなかったら、あんなに心配したりしないもんね。
悟:「嬉しいなぁー。百合ちゃんも僕と同じ気持ちでいてくれたなんて、夢みたいだ。」
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百合:(M)今日は悟くん、全然話しかけてこないけど、どうしたんだろう?このままある程度の距離感保ってくれるなら、切らなくてもいいかな。
悟:(M)今日も百合ちゃん可愛いな。今日は話しかけに行ってないけど、寂しがってないかな?寂しそうにしてるところも見てみたいけど。
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百合:「何か怖いんだけど…。」
悟:「百合ちゃーん。どうしたの?何かあった?」
百合:「きゃっ!」
悟:「あ…ごめんね。びっくりさせるつもりはなかったんだけど。」
百合:「ううん。大丈夫。」
悟:「どうしたの?僕でよければ話聞くよ。」
百合:「え?…大丈夫。特に何もないよ。」
悟:「本当に?僕に隠し事してない?」
百合:(M)…え、怖い。なになに?
悟:「僕に隠し事、してないよね?」
百合:「…し、してないよ。悟くんどうしたの?なんだか怖いよ。」
悟:「え?百合ちゃんは、僕のことが怖いの?どうして?やっぱり何か隠してるの?」
百合:「どうしてって言われてもわからないよ。今日の悟くん何だかいつもと違ってて怖いんだもん。」
悟:「僕、いつもと違う?どこが違うのか教えてくれる?」
百合:「え…どこがって。」
百合:(M)悟くん、どうしたんだろう。喋り方はいつもと変わらないのに、昨日までと明らかに違う。怖い。
悟:(M)やっぱり何か隠してるんだな。僕のことこんなに怖がるなんて、一体何を僕に隠してるんだろう。
悟:「正直に答えてくれる?僕に隠してること。」
百合:「いや、だから何も隠してなんかいないよ。どうしてずっと疑ってるの?」
悟:「昨日まで僕のことそんな風に怖がったりしたことないし、明らかに目が泳いでた。」
百合:「そんなことないよ。」
悟:「ねえ、百合ちゃん。」
百合:「なに?」
悟:「百合ちゃんは僕のことどう思ってるの?僕は百合ちゃんのこと好きだよ。」
百合:「え…。」
悟:「自分のことなんて二の次で朝起きてから夜寝るまでずーっと。いや、寝てる間もだから24時間か。百合ちゃんのことしか考えられなくて、頭おかしくなりそうなくらい大好きだよ。僕ね、百合ちゃんと一緒に自分の手作りのお弁当食べるのが夢の1つなんだぁー。でも料理なんてしたことなかったし、百合ちゃんの一部になるものだからちゃんと美味しいものを作りたくて、そのために料理教室にも通うようになってね。昨日指の怪我のこと心配してくれたでしょ?あの時すごく嬉しかったんだよ、僕。だから、どうやって気持ちを伝えたら百合ちゃんとずっと一緒にいられるのか考えてたんだ。まさかこんな形で伝えることになるなんて…でも百合ちゃんって僕のこと好きだよね?じゃないとあんなに心配しないもんね?僕ちゃんとわかってるよ。」
百合:「…悟くん、何言ってるの?」
悟:「僕も大好きだよ。」
百合:「……じゃない。」
悟:「ん?」
百合:「好きなんかじゃない!私は悟くんを何でも言うこと聞いてくれるただの便利な人としか思ってない!お昼だって一緒に食べるのが嫌で委員会の仕事だって嘘ついて断ってたの。悟くんが私のこと好きなのは知ってた。だから近くなりすぎないように距離保っていられればキープしようって思ってただけなの。」
悟:「キープ?僕の気持ちに気づいていたのに?」
百合:「そうよ!だから、私も悟くんが好きだなんて妄想はやめて。気持ち悪い!」
悟:「…気持ち悪い?え?僕のこと好きだから心配してくれたんじゃないの?僕の気持ちを利用してたってこと?どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして…。」
百合:「(悟の台詞に被って)悟くん!もうやめて!」
悟:「ねぇ?嘘だよね?全部僕の百合ちゃんへの気持ちを試すための嘘なんだよね?」
百合:「嘘じゃないわよ!私は悟くんのこと好きじゃない!むしろ今嫌いになったわ。」
悟:「許さない。絶対に許さない。」
百合:(M)あれだけ温厚だった悟くんが…。こんなにも私のこと好きだったなんて。
悟:「ねぇ?もう僕とは一緒にいてくれないってことだよね?嫌いになっちゃったんだもんね?」
百合:「そうだね…。」
悟:「今までで1度でも僕のこと便利な人以外に思ったこと、ありますか?」
百合:「………。」
悟:「ないんだね。もういい、わかったよ。」
百合:「えっ…ちょっ、近寄らないで!やめて!!!」
悟:「もう、こうするしかないよね?僕は百合ちゃんと一緒にいたいから。」
百合:「お願い…やめて、悟くん。ごめんね。」
悟:「逃げないでよ。僕と一緒にいてくれるよね?だって僕は百合ちゃんが大好きなんだから。その僕の気持ちを知ってて近くにいたんだから、一緒にいてもいいって思っててくれたってことでしょ?」
百合:「違うよ…。」
悟:「違わないんだよ!!!」
百合:「きゃっ!痛い!離して!やめてぇぇぇぇぇ!!!」
悟:「うるさいなぁ。そんなに騒がなくたってすぐ終わるんだから……。最後くらい笑ってよ。」
百合:「(首を絞められながら)いやぁ、やめてぇぇお願いだぁから、ごめんなさぃ。」
悟:(M)許さない…。僕の気持ちを弄んで…こんなにも君のことを思っているのに。
:【首絞めて彼女を殺す】
悟:「これで君は僕だけのものだね…。これからはずっと二人でいられるね。」
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END