サイリスタ(Thyristors)とは?
サイリスタは、高速スイッチングデバイスの一般的な名称で、主にAC電力制御やAC/DCスイッチングに使用されます。代表的なサイリスタの種類には、トライアックやSCR(シリコン制御整流器)などがあります。
サイリスタは、3つの端子を持つ半導体素子で、交互のp型とn型の材料から成る4層(つまり3つのp-n接合)から成り立っています。その制御端子は「ゲート(G)」と呼ばれ、他の2つの端子、アノード(A)とカソード(K)は、大きな電圧を受け持ち、主要な電流を流す役割を担っています。アノードとカソード端子は、負荷を通じて接続され、電力が制御されます。
サイリスタは、回路内での電力の流れを制御するスイッチとして使用されます。サイリスタは、シリコン制御整流器(SCR)、トライアック、SIDAC、DIACなど、非常に役立つデバイスを含む半導体デバイスで構成されています。
多くのアプリケーションでは、これらのデバイスが重要な役割を果たし、機械的な対応物が満たせない環境、スピード、信頼性の要件を満たすための大きな資産となっています。
サイリスタの動作原理
サイリスタ回路は、大きな電流を供給する能力があり、大きな外部電圧に耐えることができなければなりません。すべてのサイリスタは、順方向ブロック状態から順方向伝導状態へのスイッチングが可能です。ほとんどのサイリスタは、順方向ブロック状態から順方向伝導状態に切り替わると、ゲート信号を取り除いても、サイリスタは順方向伝導モードのままで維持されます。この特性は「ラッチング」と呼ばれ、サイリスタと他のパワーエレクトロニクスデバイスとの重要な違いです。
一部のサイリスタは、順方向伝導から順方向ブロック状態への切り替えも制御可能です。サイリスタの設計により、その制御性や用途が決まります。
サイリスタの使用
サイリスタは、最も高いエネルギーレベルで使用されることが多いです。これらは、他のデバイス技術よりも大きな電流と電圧を処理できるように設計されています。例えば、1kVを超える電圧や100Aを超える電流のシステムに使用されます。
サイリスタは、ダイオード(P-N)や一般的に使用されるバイポーラトランジスタ(P-N-PまたはN-P-N)とは異なり、4層(P-N-P-N)の半導体デバイスであり、3つのPN接合が直列に配置されています。
ダイオードと同様に、サイリスタは一方向性のデバイスであり、電流は一方向にしか流れません。しかし、ダイオードと異なり、サイリスタはゲートがトリガーされることによって、開閉スイッチまたは整流ダイオードとして動作することができます。
サイリスタの動作モード
サイリスタには、以下の3つの動作モードがあります:
順方向ブロッキングモード(Forward Blocking)
逆方向ブロッキングモード(Reverse Blocking)
順方向伝導モード(Forward Conducting)
順方向ブロッキングモード:
アノードが正でカソードが負のとき、サイリスタは「オフ」状態で、ゲートからのトリガーパルスを受けるまで、または順方向ブレークオーバー電圧が到達するまで、電流は流れません。
逆方向ブロッキングモード:
アノードがカソードに対して負の状態で、サイリスタは逆方向に電流を流すことはありません。
順方向伝導モード:
ゲートからのトリガーによりサイリスタが「オン」になり、順方向に電流を流します。この状態は、順方向電流がしきい値を下回るまで維持されます。
サイリスタの種類
サイリスタは、オン/オフの制御能力や物理的構造に基づいていくつかのタイプに分類されます:
シリコン制御整流器(SCR)
エミッタターンオフサイリスタ(ETO)
高速スイッチングサイリスタ(SCR)
光誘起シリコン制御整流器(LASCR)
ゲートターンオフサイリスタ(GTO)
逆導通サイリスタ(RCT)
FET制御サイリスタ(FET-CTH)
MOSターンオフサイリスタ(MTO)
双方向位相制御サイリスタ(BCT)
サイリスタの主な用途
テレビや映画館のライトディマー
可変速度モータードライブ
高電力電気アプリケーションの制御
ACモーター、照明機器、溶接機など
故障電流制限器や回路ブレーカー
フラッシュ用の写真撮影
防犯アラームに使用
電気ファンスピード制御
自動車の点火スイッチ
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