【嘘日記】ゴースト?を?助けた???
家路につこうと街を歩いていたら、どこからともなくすすり泣く声が聞こえた。
ホラー展開も考えたけど、もしものっぴきならない事が起きているならここで無視するのは人としてのどうなんだ!と、声のする方を探してみる。
と、ポリバケツ(ゆーてゴミ箱)にはまったまま泣いているらしいシーツを被った子供がいた。
慌てて助けようと近寄って固まる。
まって、この子、足透けとるが????
シーツからはみだしたジーパンとスニーカーを履いた足を透かしてはまり込んでしまっているポリバケツが見える。
え、ほんとに幽霊やゴーストの類なの?
もしかして死亡フラグとか立ってる?
でも見た目からして小学生くらいの泣いてる子を(透けてるとは言え)放っておくのは心苦しい。
泣きすぎてこっちに気づいてないみたいだし……
かなりの勇気を振り絞り声をかける
「ね、ねえ。君………大丈夫?助け……いる?」
声が震えたのは許していただきたい。
本当にこちらに気づいていなかったのか子供はビクリと震えたあとこちらを見た(見たんだと思うシーツ被ってるから分かんないけど。)
しばらくの沈黙
そして、バタバタと抜け出そうと暴れる子供!
どうやら恐慌状態に陥ってしまったらしい。
そらな!幽霊とはいえ泣いてるところに突然大人に声かけられりゃな!びっくりするわな!
それで弟泣かせたことあったわ!
幽霊に効くかわからんかったがひとまずシーツごと抱きしめて落ち着かせる。
相変わらずポリバケツからは自力では出られないらしい。
昔弟にしてやったようにぽすぽすと撫でてやれば、ようやく落ち着いたらしい。
子供がシーツの中で身じろぎした。
この子いわく
「ハロウィンだから出てきて。いたずらしようと思ったら逆にびっくりして、よろけたところにポリバケツがあって躓いて、そしたらポリバケツにはまったゴーストが完成してた」
ということらしい。
話してる間もぐすぐす泣いていたので、怖かったのだろう。
どうやらハマっている限り何故か消えてあの世に帰ることも出来なかったようだし。
連絡も上手くできず、友達に助けも求められなかったらしい。
もう一撫で、頭を撫でてやり、子供をポリバケツから救出してあげた。
「怖かったね」
と声をかけると足元にぎゅうと抱きついてきた。
そして逡巡
どうしたのかなとしゃがんで目線を合わせると
はにかむように告げられた
「トリック・オア・トリート!」
ポケットをあさりキャンディをわたす。
子供はそれはそれは幸せそうな笑みを浮かべて走り去っていった。
その背中を見届けて、家に早足で帰るのだった!