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無名作家、イベント初出展する。〜デザフェス60出展レポ〜その2
どうも、sumikaです。
軽く自己紹介をしますと、私はデザイン系の大学・大学院を卒業し、企画職として新卒入社しましたが、自分の手を動かしてモノを作っていくことが好きだと再実感して、モノづくりで生きていくことができないか、作家になる可能性を探っている者です。
こちらの「その2」はデザフェス60を振り返る記事の後半戦になります。
準備から当日の様子を知りたい方は「その1」をご覧ください!
「その2」では、私自身が今後作家になるためのファーストステップとして、デザフェスに向けてどのような目標を立てたのか、その達成度合い、今後の活動の指針を記すものになります。
かなり個人的な内容になりますが、よければお付き合いください。
Ⅰ.目標設定
先述の通り、作家を目指しているのですが、本当に目指したてほやほやなので、今回のデザフェスは最初のステップになります。
そこで、今回はデザフェス終了後にありたい姿を思い描いて、以下のような目標を立てました。
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1.作家としてメインで作っていくモノを決める。
ここで、私の言う作家という言葉の定義なのですが、「何かオリジナルな創作物を作って生計を立てる人」とします。世の中的には作家というと小説を書く人とかのイメージが強いような気がしますが、もっと広く、創作物ととらえます。ハンドメイド作家とか、陶芸家とかも含むこととします。
作りたいものがあるから作家になりたいのでは?と多くの方が思うかもしれませんが、私にとってモノを作ること自体が楽しく、趣味としてもこれまで色々と作ってきました。(レジンアクセサリー作りをしたり、ミシンで布小物を作ったり、粘土細工してみたり、絵を描いたり…グラフィックデザインとしてロゴを作るのも好きですし、部屋の広さが許せば木工で家具を作ったり陶芸したりもしたいくらいです。)正直何か手を動かして自由にモノを作って生計が立てられるなら私としてはなんでも良いのです。
なので、今回デザフェスでは複数ジャンルのモノを作って出展し、お客さんの反応を見て、私が作りたい・作れるものの中でお客さんに需要があるものはどんなものかを探っていきました。
2.ブランディングの方向性を決める。
今回の出展に臨む前に、試しにハンドメイドのレジンアクセサリーをminneで販売してみたり、SNSで作ったものを発信してみたりしました。その時作りたいものを作ってアップしてみたのですが、俯瞰してみると作る系統がバラバラで…立ち返って他のイラストレーターさんや作家さんのSNSアカウントを見てみると、作品の一貫性があって美しく、ブランディングできている作家さんはやはり魅力的に見えました。
最初は「好きなものを作っていたら共通点が出てくるだろう」と自由にモノを作っていたのですが、その中にも「軸」が必要だと感じ、今回は出展するものを作る中でブランディングも検討し、当日にその世界観をお客さんにわかってもらえるようにすることを目標に立てました。
3.知名度をあげる:SNSフォロワーを増やす
現状、知名度が全然ありません。SNSのアカウントは以下の3つをメインに持っているのですが、デザフェス開催前のフォロワー数は以下の通りでした。
ハンドメイドアクセサリーアカウント(Instagram:sumika_handmade_) 29名
イラストアカウント(Instagram:sumi_kappp) 22名
総合的なつぶやきアカウント(演劇多め)(X:@Pchanart)56名
まあ、ひどいもんです笑
そもそもそんなに投稿をしていないのもあり、こんな感じで公開するのも恥ずかしいくらいですが、実際本当に無名です。「無名」を冠しているのは伊達じゃないです。笑
フォロワーは今後の活動を知ってもらう機会を増やす上でとても大事なので、少しずつでも数を増やして、自分の作品が見てもらえる可能性を上げることも目標の一つとして掲げました。
4.収益をあげる
将来的には「生計を立てたい」という気持ちがあるので、今回も利益を上げれるようにと考えてました。大々的に自分が作ったモノを販売するのは初めての経験なのでめちゃくちゃ儲けることは難しいかと思いますが、せめてプラスに持っていくことを目指しました。
Ⅱ.結果:目標はどれだけ達成できた?
準備〜当日の振り返りができたところで、「Ⅱ.」で立てた目標がどれだけ達成できたのかを○△×で自己評価してみます。
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結果はご覧の通り。以下から、順番通りではないですが、それぞれ振り返りやすいものから振り返っていきます。
3.知名度を上げる:SNSフォロワーを増やす→△微増…!
結果はこんな感じでした。
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まあ、まだわざわざ数値出すほどでもないし結局恥ずかしい数値なのですが、少数でも「まあフォローしてやってもいいか!」と思ってくださる方がいてくれるのが嬉しい…TT
デザフェスから数日後にポツポツと増えたので、おそらくショップカードをお家で思い出してくださった方がフォローしてくださったんだと思います、ありがとうございます!(そしてなんと1,2名note経由からXフォローしてくださった方もいて、そちらも大変嬉しいです!)
ショップカード自体は100枚以上は配って、それで累計14名のフォロワー増、と言うのは、費用対効果としてはいかに…?ですが、ショップカードがなければ増えなかったと言うのもまた事実で。
やはりイベントではショップカードを持っていくのはマストなんでしょうね。
4.収益を上げる→×赤字です…
めちゃめちゃ細かくは確認していないのですが、今回の売上としては、出展料+備品レンタル料をギリ賄えたくらいでしょうか…
他には作品の材料費を除くと、
・荷物輸送費
・什器関連購入費(これは今回が初出展のため、次回以降はだいぶ減らせるでしょう)
・アクセサリー台紙やショップカードの印刷代
・パッケージ代
・移動費(私は関東圏に住んでいるので、今回は宿泊費はなし)
これらはマストでかかるので、良い経験にはなりましたが、商売としては全然ですね…
そもそも一般的なハンドメイド作家の日々の売上っていくらくらいなんでしょう?ハンドメイド作家の実態を探るべく、こちらの本を読みました。
こちらでは25名の作家さんのリアル売上のアンケート結果が載っていたりするのですが、月間平均売上でいうと最低5,000~最高250,000円、平均が約71,000円とのことです。
月平均を見ると、会社員で働いている時と比べると、こんなもんか〜…というのが正直なところですが、このアンケート結果をみると、今回本当に初挑戦のイベントとしては頑張った方かな…と思うことにします。笑(本によるとイベント出展した月に最高60万売上たという作家さんもいて、それは大変夢があるなと思いました!)
2.ブランディングの方向性を決める。→○決めれたし、店頭でも伝わっていた様子!
こちらは前回記事でも触れたように、「COOL&POP、シンプルに。」というブランドコンセプトを作り、その元に各作品を作り、展示できました。お客さんにも「シンプルでかわいい!」と言っていただけたので、ここは客観的に見ても達成できていたと思います。
「COOL&POP、シンプルに。」は、私が目指す日常そのものでもあると感じていますし、今後新たに作品を作る上でも軸になってくれる予感があります。
1.作家としてメインで作っていくモノを決める。→○アナログ絵画をメインに活動していこうと思います!
こちらも前回記事で述べていますが、以下のものを作っていました。
・レジンアクセサリー
・布小物
・アクリル絵画
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どれも作っていて楽しかったし、個人的にはどれも納得のいく仕上がりではありましたが、今後はアクリル絵画で動物の絵を描くことをメインにしていこうと思います。そう決めたポイントとしては以下。
①素材への納得感
②一つの作品にかけられる時間
③当日のお客さんの反応
それぞれ詳しく記述していきます。
①素材への納得感
まず作品を制作する上で気にするのが素材。完成度を左右するものなので、素材選定は気が抜けませんし、尚且つ使っていて気持ちがいいものが良いなと思っています。
レジンは、透明感のある壊れにくいプロダクトを気軽に作れるというところは大変魅力的です。私自身小さい頃から、ガラスなどの透明なものが光に透ける様子が好きだったので、レジンに初めて出会った時は、こんな夢の素材はない!と思ったものです。大量生産が比較的容易な点、材料が気軽に手に入る点(ネットでも手芸店でも手に入る。なんなら100均でも手に入る。)、工業製品に劣らないクオリティにできる点もレジン素材の魅力かと思います。一方、レジン液はアレルギーも引き起こす可能性のある取扱注意な素材です。扱うときにはゴム手袋が必須ですし、どれだけ衛生的な環境を保って制作するにしても手に触れないように、飛ばさないように、と気を使うのもちょっとしたストレスでした。そもそも肌が弱いので、ゴム手袋を長時間しているのでも蒸れて手が荒れてしまったり…レジンは作りたいものを高品質に大量に作れるメリットがある反面、制作過程では結構ストレスがかかる、というのが個人的な感想です。
布小物は、布自体は気軽に手に入るのですが、意外と欲しいレベルの布は手軽には買えない、というのが難しい点です。大手の手芸店を練り歩き、ときには個人のセレクトショップのような所も練り歩き、長年使うにも耐えうりそうかつ見た目も気に入ったものを探す、というのは、かなり根気が入ります。本当に真面目にやろうと思った時は多分布の製造からしないと気が済まないんじゃないかな…。また、作品を販売するときに気にしなければならないのが商用利用の可否。いいな!と思う布は大体商用利用不可だったりします。自分が欲しいものを気軽に作るときにお店を練り歩くのは楽しいのですが、販売する商品として布小物を制作する場合の出口の見えない布探しの旅は大変でした…
アクリル絵画については、基本的に完成後の筆の流れが凹凸で現れる感じや、普通の絵画よりもタフな点が扱いやすく、色も混ぜ合わせれば無限に納得のいく色味を探求できるので良いなと思っています。絵の具の品質もホルベインかターナーを使っていれば問題ないでしょう、と勝手に思っています。笑 多少絵の具が散っても健康面の心配はないし、納得のいく色味も自分で研究できるし、完成品もそこそこタフというのが助かります。
そんなわけで、素材の納得感で言うとアクリル絵画に軍配が上がりました。
②一つの作品にかけられる時間
一つの作品にかけられる時間は、原価・商品単価が関わってきます。
レジンは原価は安めですが、商品単価も安くなりがちです。ハンドメイドアクセサリー市場は、かなりレッドオーシャン化していて、価格競争に陥りやすいような気がしています。実際デザフェスでは私の商品を「高い」と感じた方もいらっしゃいましたし、周りを見ても「こんなに作り込んでいてこの値段で出しているのか…」と思うものが多かったです。そうなると、生計を立てるには短時間で量産する必要があるのですが、私個人は慎重に時間をかけないと気が済まないタチ…しかもシンプル主義なので一見手抜きに見えるかも…ちょっと相性が悪いかもなあと感じました。
布小物もレジンと同じような状況に陥りやすいような気がしています。また、布はこだわればこだわるほど原価が高くなりがちなので、そこも悩ましいところ。布と似たようなジャンルで言うと、革小物とかなら高価でも買う!と言う方が増えると思うのですが、個人的に革の匂いが好きではないのと、革ってちょっと心が痛むんですよね…自分がクオリティ高くて長く使ってもらえるものを作れるならいいんですが、動物の命も関わってくる商品なので、より素材へのこだわりであったりとか、長く使ってもらえる工夫をしたりとか、制作がハードになる感覚があります。そもそも革や布は一枚の布から立体物を作るので、結構その辺の知識をしっかり持っていた方がオリジナル商品を作りやすいのですが、まだ勉強中ということもあり、すぐメインに作っていくと言うよりは、今後も私の日常の中で必要なものを作っていきつつ、他の人にも使ってほしい!と思ったタイミングで商品として行く方が良いかなと思っています。(今回もファスナー付きで、カーブが入ったポーチを制作したのですが、安定した品質を作れるようになるまでにまあまあ時間がかかりました…日頃から色々と作っている方尊敬します。私の夢はいつかオリジナルで服を縫えるようになることです!)
絵画に関しては、原画であれば商品単価が高めに設定できるので、その分ゆったり作業ができるし、絵をグッズ化できたりも商売としてはしやすいところ。アナログで絵を描く時間って本当にそれだけに向き合えるし、動物絵は、動物好きなので「尊い!かわいい!」みたいな気持ちいっぱいで書いていて、制作過程での幸せの占める割合が高いのも魅力的。(昔の人が宗教画描く時の気持ちってこんなんだったんじゃないかと勝手に想像しています。)まあ絵も絵描きさんいっぱいいるんですが、アクセサリーや布小物よりも個人が作るイロがでやすいものなのではないかな、と個人的には思っています。
と言うことで、こちらも3つのうちなら絵画が時間をかけやすいかなと。
③当日のお客さんの反応
お客さんの反応としては、レジンと絵は同じくらい好評だったかなと思っています。
レジンアクセサリーは購入してくださった方は色味を気に入ってくださる方が多かったし、絵も遠巻きからでも「かわいい!」と反応していただけて、ちょっとした反応でもとても嬉しかったです。
布小物に関しては、他のものに比べると注目されにくかったです。(他の作品より地味めだったのと、おいていた位置が私の定位置の前で、しかも私がお客さんをガン見してしまうので…ゆっくりと見にくかったことも一因かなとは思います、反省…)
こういった反応を見ると、私の作品として出したときに需要が生まれやすいのはレジンアクセサリーと絵画かなと感じました。
(余談ですが、夫には私の動物絵を結構気に入ってくれていて、やるなら絶対絵でしょ、と言われます。笑 夫にアクセサリーへの興味がそもそもないからだと思うんですけど、どうなんでしょうね。笑)
こちらでは色々と、特にハンドメイドアクセサリーや布小物の製作・販売についてマイナス要素を上げてしまったのですが、その大変さがわかったからこそ、その分野で自分の生き方や働き方をされている方は本当に尊敬しています。あくまで私個人の向き・不向きを考える上での個人の考察で、それぞれ何を重視するかということかと思います。
どれも楽しいので、今後も好きあらば作りたいと思いますし、なんなら別の分野にも手を伸ばしたいなと思っているのですが、絵については特に本腰入れて頑張っていこうと思います!
ということで、こちらの章では結果の振り返りと共に、目標達成度を見てきました。収益や認知度についてはまだまだで、ここから頑張って行く必要があります。一方で、今回のデザフェスの準備・制作・販売を通して、作家として作品を作って行くことをリアルに経験して、そうすることで今後の作品の方向性が見えてきたので、無事最初の一歩は踏み出せたかなと思います。
Ⅲ.今後の方針と課題、不安なこと
その1、その2を通してデザフェスでの私の活動を振り返ってまいりました。
今後の方針としては、ざっくりと
・ブランドコンセプトとして「COOL&POP、シンプルに。」を掲げる
・(アクリル)絵画で動物を描いていく
と言うところなのですが、だいぶざっくりしているので、ここを噛み砕いていかなければなりません。現状作家として食べていくのはどう考えても厳しい、という現実が見えたので、別の仕事も考えていかねば…
私のちょっとした身の上話
実は、年内で新卒から勤めていた会社を退職することになりました。
そもそも、今は2回目の休職中で、うつ状態・不安障害とか呼ばれるものの治療中です。作家になりたいと思い立ったのも今回の休職中の出来事。気分の落ち込みで動けない日やずっと寝てしまう日、ご飯が食べれなくなる日もありましたが、その中で、小さい頃から好きだった創作活動が私の心の拠り所でした。(今はだいぶ元気になってきて大体のことはできるので、ちょっとずつ体を動かしていこうとしている段階です。)
この闘病記は私の気持ちの整理とか、今苦しんでいる人に安心してもらう材料にしてもらったりできるようにいつか書きたいと思っているのですが、まだこのことを考えると眠れなくなってしまったりするので、ゆっくり書いていきます。
今は傷病手当や夫のサポートもあり、不自由なく生活できていますが、手当の支援は永遠ではないので、ライスワークを考えていかねばなりません!ただライスワークとしての会社勤めは、直近では厳しいかなと思い、フリーランスでデザインするなどの活動ができればと考えています。これもまあ大変な道ではあるんですが、前々から憧れの働き方ではあったので、せっかくの機会ですしトライしてみようかと。
フリーランスをしつつ、自分の創作もしつつ、ゆくゆくは作家一本で生きていけたらなあ!
作家としての悩み
そんな感じの状況なので、無理しないを第一に、ライスワークも考えつつ、作家としては、しばらく絵をSNSに上げていったり、このようなnoteなどで近況報告をしていったりで知名度向上を測っていこうと思います。
現状もnote書いたりしながら絵も描いているのですが、動物絵だけだとブランドコンセプトをなかなか表現しづらいなと言うのが今の作家としての悩み。
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もしかしたらアナログ絵部門とデジタル絵部門でちょっと作家性を変えて自分らしさを出して行く方がいいのかもしれません。
まだまだブレブレの軸ですが、ちょっとずつ魅力的な個性として発信できるようになれればと思いますので、ご興味ある方は是非応援いただければと思います!
Ⅳ.最後に、軽い宣伝
今回のデザフェスで販売したグッズの一部は年明けにminneなどでオンライン販売することを計画しています。良いなと思ったらXやインスタなどをチェックいただければと思います!
また、私自身は演劇をする団体にも入っていまして、宣伝美術担当したり、役者もしたりしていますので、そちらもご興味あれば気にかけていただけますと幸いです!
「その1」に引き続き、「その2」も長文になってしまいましたが、ここまで読んでくださってありがとうございました!