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【すみかのイベレポ!】高校生のアイデアで、観光客も地域住民も利用したくなるアプリへアップデート!〜さっぽろイノベーションラボ×市立札幌開成中等教育学校〜

今回は11月から12月にかけて市立札幌開成中等教育学校の生徒が、一般社団法人さっぽろイノベーションラボ(札Navi作業部会)が開発推進する観光・地域周遊を促進するサービスアプリ『札Navi』の課題解決に向けて取り組んだ「企業課題探究プログラム」の様子をお届けします!

企業課題探究プログラムとは?

「企業課題探究プログラム」とは、実際に企業が抱える「本物の課題」に高校生が取り組み、柔軟なアイデアや独自のスキルを活かして解決に取り組むプログラムです。

「本物の課題」の解決に取り組むことにより、生徒は課題解決に必要なプロセスを経験し、社会に必要なスキルを身につけることができます。
また、高校生独自の視点で斬新なアイデアが出ることもあり、「生徒自身の興味・強み・特徴が社会の役に立つ」という実感が得られることも企業課題探究プログラムの魅力です。
詳細はこちらのnoteをご覧ください!

背景と経緯

今回の取り組みは、「企業課題探究プログラム」の一環として、一般社団法人さっぽろイノベーションラボ(以下さっぽろイノベーションラボ)が開発したアプリ「札Navi」を市立札幌開成中等教育学校(以下札幌開成)の生徒が実際にアプリを使用しながら課題を発見し、若い世代の視点から新たな改善策を提案することを目的に、11月から12月にかけて約1ヶ月半実施しました。
「札Navi」は観光客だけでなく、札幌市民の日常生活をサポートするアプリであるため、便利で利用したくなるアプリとするための改善策が求められました。
生徒たちは実際にアプリを使用し、課題を分析。グループでアイデアを出し、最終成果発表会で改善策の提案を行いました。
その取り組みの様子をお届けします!

取り組みの様子

1.顔合わせ&札Naviについての説明

まず、札Naviについてさっぽろイノベーションラボ(札Navi作業部会)畑さんから説明をしていただきプログラムがスタート!
プログラムに参加した理由や、自己紹介を交えアイスブレイクを行いながら札Navi誕生の背景や現状について理解を深めました。

2.1週間使用して感じた課題を共有

生徒たちは実際に一週間アプリを使用し、感じた課題を共有。
以下に生徒からのフィードバックを抜粋して紹介します。

・「道路とマップのアイコンのモチーフは工夫が凝らされていて可愛いが、外国人も見る可能性があるサイトのアイコンが漢字でよいのか?」
・「『催し物』という表現は分かりにくい。子供が行きそうな場所を紹介しているにも関わらず子供が分かりにくい表記になってる。」
・「自宅にて飲食店の検索を行うと、1店舗しか出てこなかった。データベースを構築し、運用することの手間を考えると、Google maps APIなどの使用も検討すべきではないだろうか。」
・「札幌っぽさが無い。札幌の写真を入れたり、色を工夫したりすると良いと思う。色覚障害の人も綺麗に見えるようにできているのか気になる。」

このように、忖度なしにユーザー視点からの意見・課題が共有されました!
視覚的なデザインの観点や、検索などの機能面、欲しい情報などのデータ面と、他サービスと比較しながら様々な観点で課題を見つけていました。

学生にお願いをするのは「正直なユーザーの声を聞かせて欲しいから」と、しっかりと意見を受け止めてくれる畑さんたちとともに、解決策を考えていきます。
意見・課題を共有する生徒たち

3.条件を考慮しながらアイデアを考える

札Naviは、「観光客」と「地域住民」の両者をターゲットにサービスを提供しているため、「①観光客に向けた札Naviならではの企画」と、「②地域住民にも便利で嬉しい情報の提供」という2つを考える必要がありました。

①では、「札幌ってドラマの撮影地や、アニメの舞台になっている場所が意外とあるよね?」「有名な観光地はだいたい知っているけど、ロケ地は地元民でもあまり知らなくない?」

と、自分たちの趣味や推しから「札Naviならではの企画」を考える高校生の斬新なアイデアが見られました。

②では、「札幌に住んでいても札幌駅周辺のバス停は複雑でわからないときない?」「それでいうと地下歩行空間は住んでいても迷子になるよ!」

と、「普段の生活から感じる不便を札Naviを使って便利にしたい」と解決策を考えていました。

生徒たちがアイデアを考える際の指針になるよう、
評価項目を提示し、提案に向けて考えるべきポイントを伝えます。
解決策考案に向けて考えられるニーズや、課題を明確にしていきます。
個人でワークシートを記入▷チームで共有▷チームで取り組む課題の決定と、ワークシートを使いながらプロセスを学び、アイデアを深めます。

解決策をグループで考えている様子を見ていて、
「アニメや漫画はあんまり見ないからわからないかも...」
「推し活したことあるから任せて!」
「じゃあ情報収集とスライド担当するね!」
と、グループでお互いの強みを発揮し、弱みを補い合い協働しているところが印象的でした。


リアルで集まれない日はオンラインも活用し、
約1ヶ月半という短期間でアイデアをカタチにするべくミーティングを重ねました。

最終成果発表会

最終成果発表会はジョブキタビルで行いました!

職業体験 〜北海道アルバイト情報社様!〜

成果発表会の前にジョブキタビルの所有者である北海道アルバイト情報社様を訪問し、職業体験を行いました!「働く」に対するイメージや、「仕事」を体感するのも企業課題探究プログラムの特徴です!

①所有者&編集部がある方に見学②営業部の方から編集に関するお話を聞きました! アルキタの冊子について説明をしてもらいました。
②営業部の方から編集に関するお話を聞きました!
アルキタの冊子について説明をしてもらいました。

職業体験を終えて、いよいよ最終成果発表会!
さっぽろイノベーションラボのみなさまや、情報提供・質疑応答に対応してくれた畑さんに改善策を提案します。

生徒の提案内容をご紹介!

最初の発表は推し活を中心に、「札幌の観光をどう盛り上げるか」に重点をおいたグループの発表!観光客が北海道を楽しむための企画として聖地巡礼を提案!
具体的には「ライブで札幌に来たアイドルが訪れたお店を紹介」「ドラマのロケ地・アニメの舞台をリスト化」など、高校生ならではのアイデアで課題を解決してほしいという要望に応える得意を活かした素敵な提案になっていました。

「好き」や「推し」を活かした解決策を提案した前半チーム

次の発表は地域住民を主なターゲットに、札幌の特徴である「地下空間をナビゲート」する施策を考えたグループの発表!
「QRコードを読み込んだら目的の出口までの行き方が写真付きで見れる」「出口など細かな情報を必要とする施策は、地域に根付いた札Naviだからこそできる!」と、アプリ制作に関する知識、データに詳しいメンバーがいるグループだからこそできる、強みを活かした提案となっていました。

日常で感じる課題から「メンバーの強み」を活かした解決策を提案した後半チーム

さっぽろイノベーションラボの方からフィードバック

各チームへはさっぽろイノベーションラボの方から2名ずつフィードバックをしていただきました。以下に抜粋してご紹介します!

①のチームへ
「推し活という若い方を中心に流行っている活動を取り入れるアイデアは新鮮で、高校生独自のアイデアだと思いました。検索機能として新たにハッシュタグを取り入れるという発想がなかったので、さすがだなぁと思いました。前向きにアイデアの取り入れを検討したいと思います!」

②のチームへ
「IT技術を積極的に活用しようとする姿勢が素晴らしいと思います。地下空間は私も迷うことがあるので、課題が明確でわかりやすかったです。札幌の地下にはビーコンと呼ばれる地下でも位置情報を取得できるものがあるので、活用できたら地下のナビゲーションも実現できそうですね!」

交流会の様子

提案が終わったあとは、緊張を解いて交流会!
発表会に参加していただいた大人と、生徒が軽食を食べながら交流を行いました。プレゼンテーションや資料に関する質問から始まり、後半にはお互いの推しを共有したりと、最初はまだ緊張気味だった生徒も徐々に打ち解けていき、最後は楽しい雰囲気に包まれていました。


大人と高校生が交流を楽しむ様子
自信を持って今回の取り組み・学校の話をする高校生

参加者の声、アンケート

[生徒から]

・学校で他者にプレゼンをする機会はあっても、実際にビジネスとしてやっている人に対して提案をすることはなかったのでいい体験ができた。全く関わりのない大人と意見交流をできることが新鮮だった。
・学校でも提言を行う課題やプレゼンなどは行うが、実際にサービスに対して真剣に取り組んでいる方々に対してプレゼンをすることで、より実践的な学びが得られた。普段よりも一層、「どうやったら納得してもらえるだろう」ということを考えられた。将来のどんな場面でも活かせるスキルの向上ができたと思う。
・1ヶ月の準備期間でも、すみかさんが常に連絡や報告をしてくれたので、スムーズに進められた。多様な大人と繋がれる機会になり、普段では貰えない視点でのアドバイスを頂けた。
・実際に札Naviを利用してグループの人やすみかの方々、さっぽろイノベーションラボの方々とお話をして、提案内容をブラッシュアップでき、すごく良い経験になりました。
もう少し、長期間で内容の深い提案がしたかった!

[さっぽろイノベーションラボの方から]

・高校生らしさがありつつも、大人の前で堂々と話せるのは凄いなと感心しつつ、大人が考えるよりも地に足がついた企画内容でびっくりしました。大変参考になりました。ありがとうございました。
ITを積極的に使おうという姿勢が良かったです。大手検索エンジンとの差別化のほかに、どのように協調・連携していけるかを考えられると良いなと思いました。
・「狸小路から地下道を迷わず昭和ビル(出口1)にたどり着くようになるにはどうしたら良いか」とか、「バスセンター前駅のどこから出たら自宅に近いのか」を雪が降る前に色々試行錯誤していたので、ARはあったら便利だしぜひ取り入れたいと思いました。

最後に

同じ課題に向き合ったさっぽろイノベーションラボの方々と、札幌開成の生徒たち。
本気で考えた先に課題解決という枠を超えて、意見交換をしたり、推しを共有したり、大人と交流を楽しみ終了する「企業課題探究プログラム」は、生徒たちにとって「大人との距離が近くなった瞬間」だったのではないでしょうか。

すみかでは「学校と社会をミックスする」をテーマに、様々なプログラムを提供しています。「企業課題探究プログラム」は、高校生の忖度なしの「正直な声」や、「斬新で新しいアイデア」を必要とする企業様におすすめのプログラムとなっています。
現在抱える課題を、高校生が楽しみながら解決策を探究し、提案する「探究テーマ」へと変換し、学校と連携したプログラムをコーディネートいたします!

・高校生向けの商品パッケージ、アイデアに対して意見がほしい
・既存の方法ではなく、新しいアイデアで課題を解決したい
・高校生にリアルな学びの機会を提供したい

という企業様がいらっしゃいましたら、株式会社すみかまでご連絡ください!
「企業課題探究プログラム」の詳細はこちらのnoteから!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


お問い合せ

◎お問い合わせフォーム:https://sumika-edu.com/contact
◎メールアドレス:canauteam@gmail.com

▷主催:株式会社すみか
▷協力:一般社団法人さっぽろイノベーションラボ(札Navi作業部会)