UVERworldの新曲「PHOENIX」は、彼らが20年拗らせた反骨精神の完成形であり、今の僕の支えである
みなさんはUVERworldの「PHOENIX」という曲をご存知だろうか。
僕のnoteの読者のうち、99.9%は知らないはず。
それもそのはずで、このnoteを書いている2024/11/17時点ではまだリリースされていないからだ。
「ACMA:GAME」という映画の主題歌で、先月から始まったUVERworldの秋冬ツアーでは先んじて披露されている。
僕もまだフルで聴いたことがないので、リリースが待ち遠しい。
UVERworldといえば、僕の中では「疾走感のあるアツい歌詞の曲」が王道なのだが、このPHOENIXはかなり特殊で、異国の血が混ざった新しいロックを見せられているような気がしている。
ちなみに、ライブでの盛り上がりはすでに凄まじいらしい。
そんなUVERworldのPHOENIXという曲は、ファンである僕目線からも興味深い曲なので、その真意を書いてみようと思う。
ジャパニーズロックの頂点に立った、はず
2005年デビューのUVERworld。
正確には19年だが、ここはキリよく(=便宜上)デビュー20年と表現させてほしい。
デビュー当時は女性ファンが多く、2011年ごろから地道に男性ファンを獲得し続け、いまや男女問わず愛されるバンドになった。
また、昨年は72000人キャパの日産スタジアムで2daysのライブを敢行したり、ROCK IN JAPAN FESでは毎年トリを務めたりと、日本を代表するロックバンドとなった。
UVERworldは他のアーティストからの評価が高く、L'Arc〜en〜CielのHYDEさんに「だらけていたらUVERworldに勝てない」と言わしめるほどだ。
また、「ONE OK ROCKのボーカルTakaが一番尊敬するアーティストがUVERworldのボーカルTAKUYA∞」と言えば、その評価がわかるだろう。
圧倒的な熱量と幅広い音楽性と、何より「何も諦めない」不屈の精神で、ジャパニーズロックの頂点に登り詰めたバンドである。
僕がUVERworldファンということを差し引いて、客観的に考えてそう思う。
そのはずなんだけど。
UVERworldはまだ何かと戦っているらしい
本題のPHOENIXに話を戻す。
PHOENIXはそのまま「不死鳥」という意味だが、この曲で歌っていることが、今のUVERworldの立ち位置と矛盾があって興味深い。
僕には「絶望の淵から這い上がってきた」というメッセージに聴こえており、かつ「まだ何かと戦っている」という感想さえ抱く。
名実ともに日本の頂点に立ったUVERworldも、まだ何かに納得していない様子だ。
「日本の次は世界だ」とかそういう単純な話ではなく、もっと違うところにモチベーションがある気がする。
20年拗らせた反骨精神の塊
2006年から19年ファンであり続けている僕の印象だが、UVERworldはいい意味で「拗らせている」バンドである。
もう少し丁寧に書くと、「過去」を大事にし、それを「反骨精神」に変えている。
そんな気がする。
これは本当にいい意味で書くが、彼らは過去を「根に持つ」タイプの人間だ。
デビューするまでお客さんがほとんどいないライブハウスで演奏し続けたこと、ROCK IN JAPAN FESに売り込みに行って出してもらえなかったこと、デビュー時にメンバーを1人減らされたこと(後に復帰するが)など、ファンだったら一度は聞いたことがあるエピソードだろう。
また、自分たちのやりたいことを貫き通すために理解を得られないこともあり、中からも外からも色々言われてきたのだろう。
これらをエネルギーに変え、結果で周囲を黙らせ、今の地位を築いてきたように見える。
しかし、今でもモチベーションとなっているのは「過去」であり、その過去が昇華されることはきっとないのだろう。
もしかしたら、デビュー後の20年よりもデビュー前の5年の方が、彼らの核になっているのかもしれない。
お金も知名度もなく、苦しくも楽しく音楽を全力で続けていた時代が、UVERworldという生き方を築いたのかもしれない。
その期間の彼らの気持ちは完全にはわからないが、想像するだけでも涙が出てくる。
まだ「負けた」気持ちになり、「這い上がる」姿勢を見せるUVERworldが好きだ
PHOENIXの歌詞を見るに、UVERworldはまだまだ「負けた」気持ちになっているのだろう。
「幾度のOverkill」「灰の中から想像」という言葉から、いろんな危機を乗り越えた過去をイメージできる。
その過去をなかったことにせずに向き合い、ファイティングポーズを取り続けているUVERworldが僕は大好きだ。
つけられた傷は跡が残るけど、そこにポジティブに向き合うこともできる、と教えられている気がする。
僕もそんなPHOENIX(不死鳥)でありたい
タイトルに「今の僕の支えである」と書いた。
誇張なしでそう思っている。
僕は4年前に会社を立ち上げて、会社経営というものにチャレンジしてみた。
理由は「やりたいから」だった。
4年経った今、「うまく行っている」とはお世辞にも言えない状況で、一難去ってまた三難」みたいな日々が続いている。
リスクを取って挑戦した、と言えばカッコよく聞こえるが、リスクは回避するか乗り越えなければ姿を変えず自分自身を蝕んでいく。
また、33歳の今、順調にキャリアを築いている友人も多く、その姿が眩しく映ってテンションが下がることもある。
全てを投げ出したくなることも正直多いが、投げ出すことにも別のリスクが伴うので、なんとか踏ん張って続けている状況だ。
我ながら「よく生きてるな」と思う。
そんな中で、PHOENIXという新曲がお披露目された。
まだリリースもされていないこの曲が、今の僕の支えとなっている。
44歳のおっさんたちが「灰の中から想像」とか言っちゃってるのは、めちゃくちゃ勇気が出る。
僕も、どんなことが起こってもへこたれずに向き合い続け、いくら失敗をして取り返しのつかないことになっても、PHOENIX(不死鳥)のように這い上がり続けたい。
自分の今をエネルギーに変えて、今があるからこそ辿り着ける未来を想像していたい。
PHOENIXという曲に、そういう勇気をもらった。
「PHOENIX」という曲は僕へのプレゼントでもある
日本テレビのバズリズム02という音楽番組に、先月UVERworldが出演し、スタジオライブで「Touch off」「IMPACT」というライブのキラーチューンとともに「PHOENIX」が披露された。
運よくこのスタジオライブの観覧に当選し、貴重な時間を過ごさせてもらった。
先月から東京の会社で会社員としても働き始めているのだが、実はこのスタジオ収録の直前に正式に内定をいただいたのだった。
まさに人生の分岐点の瞬間だ。
そんなタイミングだったため、3曲ともぶち上げ曲なのに泣きそうになりながらノっていた。
「僕もPHOENIX(不死鳥)のように飛び続けよう」と思える出来事となったし、PHOENIXという曲は僕へのプレゼントだと思った。
ちなみに、PHOENIXは12月4日リリースである。