情シスのお姉さん、愛について考えてみた。
sumi@情シスのお姉さん(31)です。
いつもお世話になっている corp-engr Slack の Advent Calendar 12/6 を書かせていただくことになりました。
呑んだ勢いで理想を綴りました。ご容赦ください。
はじめに。
最近、社内に「カスタマーサクセス」という部署が出現し、そこの長が「カスタマーサクセスは、愛だ!!」と豪語しており、カスタマーサクセスとはなんぞやと調べてみたところなかなか興味深かったので、「カスタマーサクセス」の概念を情シスにあてはめて考えてみることにしました。
カスタマーサクセスとは愛。
まず、カスタマーサクセスとは、顧客の成功体験づくりを支援する概念です。顧客が商品やサービスを利用する際に生じる疑問点や課題などを先回りして解決し成功に導く考え方のことを指します。
『カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則』という書籍の中では、カスタマーサクセスの定義を「ロイヤルティ(特に心理的ロイヤルティ)の創出」であるとしています。
「ロイヤルティ」には心理面(心理的ロイヤルティ)と行動面(行動的ロイヤルティ)の2つがあり、心理的ロイヤルティは、そのブランドに対する熱烈かつ好意的な情熱を指し、行動的ロイヤルティとは、ほかのブランドを選ばず、そのブランドを繰り返して購入することを意味しています。
この、心理的ロイヤルティとは簡単に言えば「愛」です。
「愛」は「頼りたい」という気持ちを生み出し、共に伴走する関係を継続することができます。つまり、カスタマーサクセスとは愛。
カスタマーサクセスの概念を情シスに置き換えてみる。
情シスの業務で考えると、社員それぞれの抱えている課題解決にフォーカスした企画を考え、提供し、課題がしっかり解消されて最高のパフォーマンスで業務をしてもらえているか、というところまでフォローアップする事で関係性を構築する。といった感じでしょうか。
この、「相手のことを想う姿」はまるで男女が愛を育んでいくようなものではないでしょうか。そう、LOVE!!
社員は顧客ではないのでサブスクリプションのような契約の継続が切れるということがない点ではカスタマーサクセスとは違う!って言われるかもしれませんが、相手のことを想い、相手から頼ってもらうという関係性は情シスにとっても非常に大事です。
現場と情シスが相互に協力的な関係を築き、対等な立場で仕事ができるのです。
情シスは現場の「サポート」ではない、共に「サクセス」を目指す仲間
情シスをはじめとしたバックオフィスは、「現場のサポート」という認識が強くなる傾向がありませんか?
私は、情シスとは「現場のサクセスを支援する仲間」だと考えています。会社全体の業績向上に向けて、社員が最高のパフォーマンスが発揮できるようにサポートすることに日々全力の愛を注いでいるのです。
そもそも「サクセス」と「サポート」の違いは、社員に対して満足のいく対応を能動的に提供するか、受動的に提供するかにあります。
サポートの場合、社員に対して受動的な対応を提供します。
日々社員からのあらゆる問い合わせを受け、そのための解決策や対応方法を提供していきます。
一方、サクセスの場合は、社員に対して能動的な対応を提供します。
例えば、社員のPCや利用しているサービス・ライセンスなど、あらゆる情報を分析し、そのデータを基に、率先して問題や課題の解決に向けた支援を提供します。
もちろん、サポートも必要ではありますが、
対応したからはい終わり!みたいな愛のかけらもない対応で社員の業務をサポートするのではなく、社員の・会社の成功を最大の目的として能動的に支援していく姿勢は最高に愛のある対応と言えます。
愛をこめて「サクセス」を届ける情シスが増えたら、自社のプロダクトがさらに良くなり、世の中はもっと幸せに満ちた世界になるのではないかと思います。
「都合のいい人」にならないこと。
大切な社員にできることをしてあげたい。
そう思って社員のためにやったことなのに、そのうちだんだんと情シスに対して要求が増える。さらには、求める内容のレベルがどんどん高まってくるようなら、ちょっと立ち止まって考えましょう。
単に都合のいい便利屋扱いされているだけじゃないのか、と。
社員と向き合い続けることから逃げるわけにはいきませんが、「社員からの要望が絶対正しい」とする受け身な考え方では、どこまでいっても情シス側が疲弊するだけでただの自己満足にしかなりません。
あくまで社員と情シスはフェアな関係です。
カスタマーサクセスの概念で考えてみれば、単純な「社員の満足」ではなく「社員の成功」にあるので、社員・会社全体の成功につながるかどうかという観点で向き合ってほしいと思います。
愛は、相手を想うものでありますが、想われるものでもあります。社員とともに伴走し、成功への道のりに一丸となって寄り添っていく姿こそ、私の考える最高にセクシーで愛のある情シスの姿なのです。
さいごに。
サクセスへ導くための行動をするためには多くの時間と手間が必要となります。日々あらゆる対応に追われ、「社員が当たり前に働ける環境を提供すること」が前提である情シスにとって、このような企画領域へ手を伸ばすことはなかなか難しいことだと思います。
はい、わたしがそもそもできてません。すみません。えらそうなこと述べました。
しかしながら、この先の人生どんな仕事をしていようと、人間と一緒に仕事をする以上は愛をもってサクセスを提供できる人でありたいと思います。
いただいたサポートはすべて酒に費やします。