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【日記】おお、マリーナ!|こどもの頃の日記から 4

1968年8月XX日 Y曜日 晴 よいお天気

母がおすな〔砂〕場で遊ぶ道具を買ってきたので、弟たちがさっそく「公園に行こう」と大さわぎであった。

しかたがないので、Mさんといっしょに近くの公園に遊びに行った。

私も弟たちといっしょにおすな〔砂〕場に入ったが、その間ずっとマリーナ のことが気にかかってしかたがない。マリーナはこのあいだいっしょに遊んだ私のお友だちで、おうちに帰るときにマリーナが「明日も来る?」ときかれたので「来る」と答えたのだが、次の日にマリーナはいなかった。

その日は英語のレッスンの日だったから、私は4時ごろに家を出て公園に来たので、私の方が悪かったのだけど、次の日も、その次の日もマリーナはいなかった。

おお、マリーナ! あなたはどこへ行ってしまったの?

その公園に行くたびにマリーナのことを思い、私のむねはいっぱいになるのであった。

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爆笑!! 小学4年生の日記とは思えない!
ほんとうにどんなものを読んでいたのだろうか? 
こどもたち用の日本語の本を読み飽きて、両親の書架にあった蔵書も見ていた記憶があるが、もしかして名作歌劇全集などの拾い読みか?

それともテレビの影響? 
ドイツ語でインプットされる台詞やナレーションの日本語訳かもしれない。当時は白黒テレビで国営放送が2チャンネルのみ。
報道以外の番組は、オペラや舞台劇や声楽の古いフィルム映像の再生が多かった。新しい番組もクラシック管弦楽コンサート。音楽の都らしく。

また、一人称で「公園に行った、行く」と書いているのに混じって一カ所「公園に来た」と英語脳で書いているのが興味深い。