【日記】Apfelschnitten|こどもの頃の日記から 20
197X年1月Z日 日曜日
朝、Apfelschnitten を買いに行ったら、できたててほかほかでおいしかった。
夜、このあいだと同じところへピアノコンチェルトをききにいった。
とてもきれいだった。
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住まいの近くに小さな Konditorei 〔菓子店〕があって、そこの奥さんが焼くりんごのケーキがとても美味しかった。
日本人に有名なウィーン菓子はザッハトルテとアプフェルシュトルーデル。
後者は甘く煮たりんごをパイ生地でふんわりと巻いて生クリームを添えたお菓子だが、同じ Apfel のお菓子でも Apfelschnitten(アプフェルシュニッテン)は、煮たリンゴをバターたっぷりの生地でしっかりはさみ、一度に大きな長方形か円形の型で焼き、小さく切り分けていただく庶民的なトルテ。
パウダーシュガーやクリームでフロスティングをすることもあるけれど、
シンプルにりんごと生地の美味しさで勝負しているこのお店の焼きたてのシュニッテンは、「どの高級ホテルのトルテよりも美味しいウィーンでいちばんのシュニッテン!」と母が言った。
私も母と同じ感想だった。