Peter never stopped running or looked behind him till he got home to the big fir-tree. DeepL 訳 → ピーターは、大きなモミの木のところに帰るまで、走るのをやめず、後ろも見ませんでした。
うーん。never A or B の構造だから、「Aをせず、Bもしなかった」になってしまうのか。 それに、 got home を「帰る」とさらっと処理しているが、こどもたちにとっては大切な home 「おうち」を私は入れたい。
Peter never stopped running or looked behind him till he got home to the big fir-tree. 私の訳 →ぴいたは はしって はしって いちども うしろを みないで おおきな もみのきの したの おうちへ かえりました。
ここの the big fir-tree の前には got home to の to があるため under / underneath は無いが、おはなしの最初の方 でぴいたの「おうち」は「おおきな もみの きのした でした」としたので、そこに合わせて意訳した。「大きなモミの木の方へ帰宅しました」よりいいだろう。
He was so tired that he flopped down upon the nice soft sand on the floor of the rabbit hole and shut his eyes. DeepL 訳 → 疲れてしまったピーターは、ウサギ小屋の床の柔らかい砂の上に寝転がり 、目を閉じてしまいました。
flopped down を DeepL さんは「寝転がり」としてしまうのか。うーむ。 ここでは動詞だが flop というオノマトペについては以前の記事で解説した。
He was so tired that he flopped down は、後ろを振り返らず全速力でおうちまで走ってきたピーターラビットが、モミの木の下の巣穴に入って「ああ、もうだいじょうぶ」と力尽きて「ぱたん」 と倒れ込むシーンなのだから
He was so tired that he flopped down upon the nice soft sand on the floor of the rabbit hole and shut his eyes. 私の訳 →ぐったり つかれた ぴいたは おうちに はいって ゆかに ぱたん。 さらさらの つちが きもちよくて めをつむって ふううう。
おうちでごはんの用意をしていたおかあさんウサギは、息子が巣穴に飛び込んで来たと思ったら「ただいま」も言わずに倒れ込んでしまったのを見るが、ジャケットを着ていないし、靴もはいていないのに気づく。
His mother was busy cooking; she wondered what he had done with his clothes. It was the second little jacket and pair of shoes that Peter had lost in a fortnight! DeepL 訳 → 母親は料理をしていて、彼が自分の服をどうしたのか気になっていました。この2週間で2枚目の小さな上着と靴をなくしてしまったのです。
たしかに fortnight は fourteen nights が由来で「2週間」だが、今の子どもには(いや大人でも)なじみの無い言葉。 「ダース」と訳す dozen は12個と教えられても、なぜ12なのかはピンと来ない。それ以上に fortnight はピンと来ない。なんで「2週間」がいきなり出てくるのかわからないだろう。
His mother was busy cooking; she wondered what he had done with his clothes. It was the second little jacket and pair of shoes that Peter had lost in a fortnight! 私の訳 →おかあさんは ごはんの よういを していました。 あれ、ぴいた? ふくと くつは どうしたのかな? このまえも じゃけっとと くつを なくしたばかりだったのに!
思い切った意訳をしてみた。自然な表現とわかりやすさが最優先。
I am sorry to say that Peter was not very well during the evening. DeepL 訳 → 残念なことに、ピーターは夜になってもあまり調子がよくありませんでした。
I am sorry to say ... が「残念なことに」なるのか。誤訳では無い。まったくわからないということはないかもしれない。「遺憾ながら」よりはマシだし。このセンテンスだけを切り取って改めて DeepL 訳に入力してみたら、こうなった。
DeepL 訳 → 申し訳ありませんが、夜の間、ピーターはあまり元気がありませんでした。
「申し訳ありませんが」だと、この文脈では誤訳になる。 完全に NG だ。
I am sorry to say that Peter was not very well during the evening. 私の訳 →それよりね、 みんな きいて。 よるになったら ぴいたの ぐあいが すこし わるくなっちゃった。 ぴいた、 かわいそう。
大学の翻訳の授業で、この I am sorry の I とは誰のことですか? という質問をすると、さまざまな答えが返ってくる。主人公の Peter のこと。おかあさんウサギのこと。どちらも誤答だが、正しい答えを出せる学生もいる。
His mother put him to bed, and made some camomile tea; and she gave a dose of it to Peter! "One table-spoonful to be taken at bedime."
DeepL 訳 → 母親は彼をベッドに寝かせると、カモミールティーを作り、ピーターに飲ませました。 "テーブルスプーン1杯を 寝る時に飲んで"
「飲ませました」とあって、そのあとで「寝るときに飲んで」? もう1回飲むの? こどもは混乱するだろう。英語原文のこの部分だけを切り取って DeepL にかけてみると、このようになった。
DeepL 訳 → 母親は彼をベッドに寝かせた。 カモミールティーを作ってくれました。 それをピーターに飲ませたのです。 「大さじ1杯就寝時に飲むように」と。
苦しい。こどもに「就寝時に飲むように」と言いながら飲ませたの?
His mother put him to bed, and made some camomile tea; and she gave a dose of it to Peter! "One table-spoonful to be taken at bedime."
私の訳 →もう ねなさい と いわれて べっどに はいった ぴいたに おかあさんは かもみるてぃーを つくって くれました。 「おやすみまえに すぷうんに いっぱい」
But Flopsy, Mopsy, and Cotton-tail had bread and milk and blackberries for supper.
DeepL 訳 → しかし、フロッピー、モプシー、コットンテールの3人は、 夕食にパンとミルクとブラックベリーを食べました。
私の訳 →でも ぴょこちゃんと もこちゃんと ふわみちゃんの ばんごはんは ぱんと みるくと くろいちご でした。
おわり このおはなしは これで おしまいです。 げんきになった ぴいたに またこんど あえるかな?
*さし絵の画像は The Tale of Peter Rabbit より
★私の翻訳は、私「すみ」の著作物です。無断転載を禁止します。 ★引用する時は出典を明記してください。
*記事中に引用した DeepL の翻訳は 2021年8月当時のものです。DeepL は日々進化中のため、現在は引用とは異なる訳が表示される場合もあります。