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娘がお腹にいた頃(前編)

私は、妊娠4ヶ月まで、妊娠している事に気づいていないというかなり変化に疎いタイプだ。若い頃から生理不順だったので、違和感も持たず過ごしていた。

当時勤めていた書店では、妊娠に気づいていない私は、重い物(書籍がぎっしり詰まったダンボール)を上げ下げしたり、高い梯子に登って品出しをしたりする毎日だった。転職して1年経つか経たないか、仕事にも慣れてきた頃だった。

ある日、大阪の遠方に新店舗がオープンな為、数日間のヘルプのスタッフ募集があった。東京から仲のいい人がヘルプに来ると聞いたので「行きます!」と手を挙げた記憶がある。新店舗のヘルプは全国からフットワークの軽い社員達が集い、あーでもないこーでもないと言いながら売り場を作っていくので、勉強になるし、純粋にとても楽しい。日々の業務から離れる機会をもらえリフレッシュにもなる。

無事、その日の仕事のヘルプ作業を終え、東京からの仲のいいスタッフと、普段同じ店舗で働く同僚と、出版社の営業のお姉さん、私、というめずらしいメンバーで呑みに行った。
ちょっとおしゃれなワインバルで女子会だ。
仕事のあとの食事は楽しい。

いろいろ喋っているうちに、昔なら恋バナになるのだが…30代半ば(今なら若かったなぁと思うのだが)を中心にしたメンバーで最近の健康状態について話に花を咲かせた。

私の番になった時に、そういえば…今日朝の電車の中で、立ちくらみ・大汗・通路で座り込んでしまい、席を譲ってもらった事を思い出し、みんなに伝えた。ボータの7分袖のカットソーを着ていたが、それがびしょびしょになるぐらい汗をかいた。

今でも思い出すんだが、中学3年生から高校1年にかけて背が10センチ以上伸びた私は、成長痛なのか、通学中に立ちくらみで歩けなくなることが多かった。あの時期だけだったので、栄養が足りず、貧血を起こしていたかもしれない。今朝の立ちくらみは、その中学時代の貧血の10倍はきつかった。

と、そんなことを伝えたため、私以外の女性陣は、一度病院で診てもらった方がいいと助言をくれた。

その数週間後、仕事帰りに婦人科に行き、妊娠が発覚する。

お腹の中にいる赤ちゃんが、ちょっとゆっくり過ごしてくれよ!とひたすらメッセージを送っていたのかなぁと思う。
エコーで、これが赤ちゃんですよ!と教えてもらって、エコー写真を見ながら、夫と実家に報告の電話を入れた。訳もわからず、私のマタニティ生活はスタートする。

妊娠が分かり、あまり体を酷使しないように過ごしていたが、大好きなコーヒーの香りを嗅ぐと気持ち悪くなったり、無性にマクドナルドのポテトが恋しくなり、毎日マクドナルドでなにかしら食べてから、電車に乗って帰宅するルーティンだった。

おそらく5ヶ月目ぐらいまでは、マイナートラブルがありつつも毎日元気に過ごしていたが…

ある日の夜、お腹が張って痛くて痛くて、夫の車で緊急で婦人科に連れて行ってもらう。
診断は切迫早産だった。切迫早産とは、早産になりかけている状態をいう。頻繁にお腹の張りが起こり、子宮口がひらきかけることで起きるようだ。

お医者さんに、現在の職業を聞かれ、書店での業務を伝えると、「仕事休みましょうかー」と言われる。とにかく安静にするように言われる。自宅で寝ててくださいとのこと。
自分の身体の状態、仕事を休むことを理解できないまま、帰宅した。

その後は、ひたすら家で寝たきりの生活が始まるのだ。毎日働いていたところから、急に寝たきりになるのだから、気持ちが追いつかない。

※いま思うと、毎日寝れて、好きなドラマを観て過ごせて最高によかったよなぁと思うが、当時は赤ちゃんがお腹にいること、今後の働き方への不安を感じて過ごしていた。仕掛かりの案件がある(好きな作家さんとやっと繋がりができたばかりだった)のにどうしようと気になっていたが…1人欠けても何とでもなるのが会社である。会社は理解があり、すぐ長期の休みの手続きを取ってくれた。

※その時、お腹にいた娘も今は8歳を迎える。
いまは、グースカグースカ寝息を立てて寝ている横でnoteを綴っている。長くなるので、また続きは明日にします…


後編へ続く
https://note.com/sumi_210701/n/n93785b393d2d

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