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ハプスブルク展2019感想

オーストリアと日本の国交樹立150周年を記念する「ハプスブルク展 600年にわたる帝国コレクションの歴史」に行ってきましたので感想を。

その前に...なんで行ったの?

芸術系の学校に行ったわけでも、世界史を選考していたわけでもないので、知識はないんですが、なぜか以前から美術館という場所が好きだなぁと思ってました。

最近、「畏敬の念」を感じる体験を求めてるからだと気づいて。自分の場合、それは自然・音楽・絵画・映画を見た時に起こりやすい。なんか心にじーんと来て、満たされる感覚になるんです・・。

モネ・ルノワール・クリムトあたり(近代美術)が好きで、今回ハプスブルク家と繋がるデューラー、ベラスケス、ティツィアーノなどは馴染みがありません。

ただ、友人の勧めで中野京子さんの「名画で読み解くハプスブルク家12の物語」を読んで面白かったので、本展に行くきっかけとなりました。

マクシミリアン1世(1459〜1519)

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ベルンハルト・シュトリーゲルとその工房、あるいは工房作
《ローマ王としてのマクシミリアン1世》1507/08年頃、油彩/板

展示場に入ってまずマクシミリアン1世の肖像画が。とても威厳を感じ、1枚目からすごい画きたなぁ!とテンションが上がってその後の展示に期待が膨らみました。

ルドルフ2世(1552〜1612)

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ヨーゼフ・ハインツ(父)《神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の肖像》1592年頃、油彩/銅板

ルドルフ2世のコレクションが多く展示されていました。(絵画だけではなく、甲冑やスプーンなども)

彼は政治に興味がなく、引きこもって美術品収集や錬金術にいそしみ「変な人」というイメージ。

ただ、音声ガイドでは変人というより「彼の芸術保護のお陰でプラハに芸術文化が花開いた」というエピソード紹介でした。確かに今見ても超豪華な品々が展示されていて、見ていて楽しかったです。

ルドルフ2世は大のデューラー好きで、版画の原画まで収集していたらしいです笑

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アルブレヒト・デューラー《アダムとエヴァ》1504年、エングレーヴィング
*国立西洋美術館

上記はデューラーの作品の中でも有名な1枚のようで、原画を収集するには相当努力したらしいです。まさにコレクター。

また、ルドルフ2世が家に動物園を作ったおかげで、デューラーは実際の動物を見て迫真的な動物を描くことが出来たのだとか。(規模がすごい)

マルガリータ・テレサ(1651〜1673)

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ディエゴ・ベラスケス《青いドレスの王女マルガリータ・テレサ》1659年、油彩/カンヴァス

本展のチケットやポスターなどメインビジュアルにもなっているマルガリータ王女。かわいいですね・・!

叔父さん(母の弟)であるレオポルト1世と結婚します。一緒にお芝居をしたり旅行をしたり、楽しく過ごしたよう。でも世継ぎを作れず結局出産と同時に若くして亡くなってしまいます。出産は命がけですね・・。

ラヴェル作曲「亡き王女のためのパヴァーヌ」(1899)は、ベラスケスの描いたマルガリータ王女の肖像画からインスピレーションを得て作曲されたといわれています。この曲ほんとに好き!とても素敵な曲です。

レオポルド・ヴェルヘルム(1614〜1662)

美術品マニアの彼のコレクションが数多く紹介されました。(歴史的にはあまり有名ではない方なのかな・・?)そこで1番印象的だったのがこちら。

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ヴェロネーゼ《ホロフェルネスの首を持つユディト》1580年頃、油彩/カンヴァス

まさか、ここでユディトを見れるとは!とびっくりしました。これは、旧約聖書外伝「ユディト記」の一面で、画家から人気の主題。以前クリムト展で見たユディトとは大違い。

クリムトのユディトはセクシーで妖艶な雰囲気。それに比べて、上記の画は暗い背景に白い肌が際立って、優雅な雰囲気に感じます。

首だけになったホロフェルネスのこめかみに親指を当て、袋に詰めようとしてるんだと思うけど、表情は冷静。首を落として勝利した女!というよりは、女性らしい雰囲気。

ヴェルヘルムのコレクションには、1581年に独立宣言したオランダの市民階級が依頼した絵画もありました。貴族と違い、市民が画家に依頼するのは、日常風景。風俗・自然風景・家族団欒などがモチーフとなっており見ていて楽しかったです。

マリア・テレジア(1717〜1780)

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マルティン・ファン・メイテンス(子)《皇妃マリア・テレジアの肖像》1745-50年頃、油彩/カンヴァス

政治手腕があり敵国であるプロイセンのフレードリヒ大王が「男だ」というほどの女帝マリア・テレジア。そしてマリーアントワネットの母です。

今まで家内で保管されるだけだった美術コレクションを、テレジアと息子のヨーゼフ2世が市民にウィーン美術館として公開しました。市民への公開はヨーロッパ初で、近代の美術館の礎となったようですね〜。

実際に当時のベルベデーレ宮殿の展示一覧には、本展で見た画が19点ありました。(18世紀に展示されていたコレクションたちが、東京で見れるなんて・・!)

フランツ・ヨーゼフ1世(1830〜1916)

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クロード・ビズアール《オーストリア・ハンガリー二重帝国皇帝フランツ・ヨーゼフ1世のフリントロック式ピストル》マルセイユ、1857年、鉄、彫金、鍍金、金象嵌、木材、金、銀、イエローダイヤモンド、金糸と赤い絹糸の紐

本展でわたしが一番感動したのがこの画!第一次世界大戦があったりと、彼はなかなかハードモードな人生を歩んでいます。

母であるゾフィ大公妃は政治手腕があり、とても賢い女性。そんな母に反抗することなく真面目で努力家なヨーゼフ1世。ただの1度だけ母に反抗したのが「エリザベトとの結婚」だったらしいのです。

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ヨーゼフ・ホラチェク《薄い青のドレスの皇妃エリザベト》1858年、 油彩/カンヴァス

この頃になると写真もあります。まさに絶世の美女・・。

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生涯ウエスト細く「蜂腰」と呼ばれたそう。彼女は彼女で辛い人生を歩むんですよね・・。

彼女はミュージカル「エリザベート」になり有名ですよね。わたしは見た事がないので、いつか見てみたいなぁ。本展には、ミュージカルファンと思われるお客さんも多く見えました。

さいごに

とても面白い展示会だったので、長々と感想を書いてしまいました!ここまで読んでくださる方がいるかは分かりませんが、お付き合い頂きありがとうございました。

公式のTwitterがなかなか面白いので、美術館に足を運ぶのはなぁ...という方は一度見てみてください。

↓以下が本展の出品リスト(PDF)です。

もっと知りたい方へ

ハプスブルク家について知りたい方は、中野京子さんの「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」が超絶おすすめです!!

わたし的めも

美術史について興味を持ったので下記本を読んで勉強してみたい。


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