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連載『人間未満黙示録』2020/06/22~28までの記録

〇『人間未満黙示録』とは

毎週日曜日に、その週の日記をまとめてnoteに掲載する企画。継続的な自分に対する記録をつけることと、不安障害の薬物治療中の心境の変化について示すことが目的である。2020年6月23日からSSRIを使う薬物治療を開始。

◯私、DONSYARIについて
・22歳、京都の大学生
・4つの楽器を操るマルチプレイヤー
・ダンボール箱をかぶって曲を作る
・過去の諸々により自己肯定感が低い
・就職活動中
・ミスiD2021にエントリー中

◯2020/06/22(月)
・これまでの生活で
ここ1週間、毎日偏頭痛がある。薬の副作用としての頭の締め付け、吐き気がひどく、「薬が効きますように」と祈るように眠る日々が続いている。先週は過敏性腸症候群ゆえか、腸が動いてなさすぎて激痛。病院に駆け込み、腸が動くように点滴等の処置を受ける。
私はここ数年、身体のどこに痛みを訴えても、すべて原因が「ストレス」であると言われていた。今回も例外なくそうで、私は生来嫌なことを受け流したり、ストレスを発散したりすることが下手だそう。自分ではうまくやってきたつもりでいたけど、体が悲鳴を上げ続けているので、おそらく身体の方が正しいのだと思う。

・全ての元凶
この日は大学のキャリアセンターと、面接練習の予定が入っていた。本格的な面接練習を初めて受ける私は、1週間以上前から準備を進め、なるべく指摘されたくないな〜と思いながら、当日も1時間前から練習の準備を整えていた(web上だったので)。
事件は起きる。大学側の不備で面接練習の予約がきちんとできていなかった。予定時間に始まらず、何度も電話をかけて問い合わせるも、曖昧な返答を返され、15分遅れで始まったかと思えば、ESなどの面接練習に必要な事前情報が共有されておらず、ついには「後の予約がつかえているから」と、予定時間に通話を切られてしまった。
この面接練習は、のちに控える私の第一志望の企業の面接練習であったため、大学側の不備でめちゃくちゃ無駄な時間、理不尽な対応を取られまくったことに、私はひどく腹を立てた。就職活動がうまくいかず、藁にもすがる思いで頼ったキャリアセンターに、酷い仕打ちを受けたので、腹を立てるを通り越して、なんだかものすごく悲しくなった。
それよりももっと悲しかっのは、自分がうまく怒れなかったことだ。私は、いろいろな人の行動ひとつに、さまざまな理由や背景があると考えて生きているので、あまり人前で瞬発的に感情を表さない。今回はそれが悪い方向に働いて、あんなにムカついて腹を立てていたのに、いざ苦情の電話を入れた時に、うまく何が嫌で、どれほど怒っているのかを言えなかった。こんなところで「いい子ちゃん」をやってしまう自分が、本当に嫌に思えて、電話を切った後号泣してしまった。

・気付き
このことをきっかけに、自分がいままで試行錯誤を繰り返しながら、諦めないように努力してきた、張り詰めてきた緊張の糸がぷつっと切れてしまったように感じた。この日は、好きな人々に電話をかけ、「私間違ってないよね!?」の確認作業をさせてもらった。頼らせてくれてありがとう。
寝る前に吐き気がおさまらない。どれだけえづいても、液体しか出ない。早く楽になりたい。

2020/06/23(火)
・シンナーの匂い
月曜日から、住んでるアパートが工事を始め、何かを削る音と瞬間接着剤をさらに濃くしたような匂いが家の中に侵入してくる。騒音で目覚め、吐き気がおさまらない。鼻と口にタオルを当ててしのぐも、限界を感じて家を飛び出す。京都には観光客がたくさん来るため、ホテルが無数にある。私は、工事が終わるまでのしばらくを、ホテルで過ごすことに決めた。コロナ禍で、めちゃくちゃ安値で泊まれたのは、運が良かった。

・自己認識のプロ
ホテルに荷物を預け、予約を入れていた心療内科へ向かう。初めて心療内科に行ったのは2月。先輩からめちゃくちゃなモラハラを受けた時に、パニック障害的な症状が見られ、治療をしていた。その時に処方された抗不安薬とストレス対象と物理的に距離を取ることで、症状は緩和した。私は、「心療内科は継続して行くもの」という認識がなかった(例えば、お腹が痛かったら内科に行くけど、痛くない、治りかけてきたら内科に継続して行かないよね)ため、2月の来院以降、この日まで心療内科に行かなかった。そのため先生に「えっ薬なしで大丈夫だったの!?」と驚かれる。
「眠れない」、「吐き気が止まらない」、「不安感が背中を這いずって止まらない」といった症状があったため、先生とお話をしながら、SSRI(俗に言う「抗うつ薬」)を飲むことに決めた。以前服用していた抗不安薬よりも作用が強い分、副作用も表れやすいので少し不安であったが、薬で楽になるならもう何でも良かった。考え方の問題で心の健康は変わる。しかしそうわかっていても、私は無意識の意識に「囚われ」てしまう。なら外部から無理やり気分を変えてもらって、服用期間に考え方を変えられるように少しずつやっていけばいいか、と思うのだ。あと診療中に、私があまりにも自分を客観視して症状や心情について話し、何が私の心の健康を邪魔しているかを言い当てたので、先生から「自己認識のプロだねぇ」と言われた。

・今日の気付き
うちの先生だけかもしれないが、先生は決して「〇〇病」や「〇〇障害」といった分かりやすい病気の名前を使わない。「〇〇的な症状がある」と言う。意図してか意図せずかはわからないが、それは患者側に、「私は〇〇病なんだ……」という思いを植え付けないようにしているように思えて、なんだか少し助かるような気持ちになった。

・大人買い
好きな漫画「黒執事」の19~29巻を大人買いし、ホテルで一気に読破した。数年前、寄宿学校編で記憶が止まっていた私にとって、「はァー!?」と思う展開の連続で、放心してしまった。
私には休みが必要である。

2020/06/24(水)
・ホテルぐらし 2日目
ホテルの風呂が広くて嬉しい。いつもはアパートの狭い風呂で体育座りをしているから、足が伸ばせるのが嬉しかった。もう少ししたら船岡温泉に行きたい。
昨日初めてSSRIを飲んだ。薬が効いたのか、はたまたプラシーボか、「薬を飲んでいる」という安心感からか、ひさしぶりに夢を見ずに眠れた。

・浮遊している
全体的にめちゃくちゃ身体が元気だった。頭痛も腹痛もなく、暑い中歩いて遠くのTSUTAYAに行くことができた。わざわざ書くということは、僅か2kmほど離れた場所に歩いていくことが、今までできていなかったということである。元気と言っても、「パワーが漲ってくる!」という感じではなかったが、薬の副作用でめちゃくちゃに眠い以外は、ふわふわと少しだけ地に足がつかない感じがして、それから、今まで不安に思っていたことを「まぁいいや」と捉えるようにするだけの気持ちの余裕が生まれた感じだった。

2020/06/25(木)
・家出帰り
朝、2日滞在したホテルをチェックアウトし、タクシーで家に帰った。朝帰りみたいでちょっとだけドキドキした。(なんで?)
タクシーを学生が使うと、「贅沢」とか「金持ちぶって」とか言われそうで嫌だけど、荷物も多いし、体調が良くなくて療養をしている人間なので許せよ、誰も何も言うな、自分と私を比べるなよと、見えない敵に言っておいた。

・普通の生活
帰宅後、薬の副作用で泥のように眠った。帰ってきてすぐは、それまで掃除できていなかった自室のいろいろが気になって、積極的にゴミ出しをしたり、洗濯物を片付けたりと、行動的に動けていたのだが、お昼ご飯を食べたあたりから、ぷつりと糸が切れた人形のように動けなくなってしまった。体がだるくてしんどいとかではなく、ただただ眠くて、もう一度眠りたい……と思い、長めの昼寝をした。次の日がある会社の面接で、課題が出ていたため、自分を奮い立たせつつ、体を労わることに必死だった。

2020/06/26(金)
・ひさびさに社会に出る
遠く離れた場所で面接を受けてきた。会社のある場所が思ったよりも田舎で、全然知らない土地の、工場と田んぼの間をぬいながら、ずんずんと歩いた。朝早く、化粧をバッチリときめて家を出たのに、外はじっとりと暑くて、会社に着く頃には汗みずくになってしまっていた。
電車の中でお腹が痛かった。しかし、いつもなら予定通りにことが進まなくなることに対して、過度に不安に思ったり、そわそわしたりするのだが、痛いのは嫌だったけど、終始落ち着いて電車に乗っていることができた。前はそうじゃなかった。

2020/06/27(土)
・不自由さ
本当にびっくりするぐらい身体が動かない。というか眠い。ベッドにへばりついて本を読んでは寝落ちしていた。でも今日は徹底的に休むと決めたので、そんな一日があってもいいと思う

2020/06/28(日)
・チーズティー
家の近くにタピオカ屋ができた。中国資本の店らしく、本格的な最近の中華を感じることができるオリエンタル~な可愛い内装だった。コンビニに行くついでに寄って、ウーロンチーズティーを購入。安い。この微妙に甘すぎて、後半どうでもよくなる感じが、まさに中華の量が多いチーズティーという感じがして、おいしかった。タピオカ屋の、タピオカが入っているチーズティーは好きじゃない。タピオカが邪魔だから。タピオカはタピオカミルクティー単体で飲みたい。

・郵便屋さんと私
郵便屋さん及び配達員の人の応対を、一日に3回もした。服と、ipadのケースが届いたのと、来週実家に帰るため、荷物を少しだけ送るために集荷に来てもらったからだ。私は今家で、パジャマ代わりに「貧乳」と書いてあるふざけたTシャツを着ているため、配達員の人が来る度に毎回律儀に違う服に着替え直すはめになった。最初からちゃんとした服を着ておけばよかった。

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