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ボクが、「欲しかった」もの②
先日の「ボン」に続いて、今回は「もちこ」をリーディングした時のお話です。
師匠から頂いたもちこの淀んだ表情を見て、「こりゃあ、一筋縄じゃいかない」、初めはそう思いました。
ある意味、もちこに関しては前飼い主(おばあちゃんのイメージ)との見えない絶対的な何か、第三者が介入出来ないような特別な絆のようなものがあり、それがどこか彼にとっての確固たる意思の強さの軸となっているような節もあったため、正直、そのおばあちゃんでも連れてこない限り、一度折れた王者(もちこ)の心は取り戻せないんじゃないか、とも。
それは私の中でもちこが、あくまで自分のことを、「対等な存在」として扱ってほしいように感じたからで、まるでこたつの前でおばあちゃんともちこが、例えば息子夫婦の愚痴なんかを語り合う(おばあちゃんが一方的にですが…)関係性といいますか、そこには主(可愛がる)とペット(可愛がられる)のような上下関係の無い、なんなら自分(もちこ)が家族を支える存在であることを実感したいといったように。
だとしたら、師匠や息子さん達は「ちょっと違う」となりますし、かといって老人ホームに連れてって、沢山のおばあちゃん方の話し相手になればいいかといったら、それも違う…
ふっとその時、師匠の古くからの大事なご友人の感じを思い出しました。
その方がまとう、なんとも哀愁漂う済んだ空気感なら、今のもちこにそっと寄り添って、「相棒」になれるって、思ったんです。
もちこ、その方に会った後は、なんとも清々しい表情でシャキッとしていたのを見て、私もとりあえずは安堵しています。
興味深かったのは、さっきまで真っ暗に近かったもちこの色に光が散らばったこと。
そしたら逆に、もちこの闇が伝染っちゃったかも?!と一瞬私が心配になった師匠のご友人の色は、ベタ塗りの黄緑から更に透明度が増したことでした。
こうして、お互いが共に触れ合いながら新しい色を取り込んでいくことで、そこからまた、何か別の可能性や新たな発展が生まれたらいいなあと思います。