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終のすみかは好きの集大成。朝が来るのが楽しみな家

リノベーションをすると、その後の生活自体が変わる。皆さん、そんな風に話してくれます。隅々まで自分たちで考えて選び、設計デザイナーと一緒につくった家に住むことは、それまでの暮らしとどう違うのでしょうか?
今回は、戸建住宅、シェアハウスと様々な住まいでの暮らしを経て、中古マンションを購入しリノベーションを体験したKさんのストーリーです。

DATA
エリア | 東京都世田谷区(二子玉川エリア)
家族構成 | シングル
プラン | 2LDK→1LDK(部分リノベーション)
面積 | 61.16㎡
構造 | RC造
所在階 | 5階建ての5階
主採光 | 南西
建築竣工年 | 1978年
不動産購入 | 2018年7月(築40年時)
リノベ完成 | 2018年12月
権利 | 所有権
工事費用 | 500万円(設計料・税込)

CREDIT
プロデュース・設計 | スマサガ不動産
施工 | 杢る
写真 | 平林克巳

住民に愛される、築40年のマンションを見つける

「家と私がお互いに馴染んできた」と話すKさん。障子とカーテンから柔らかい光が届く。

戸建住宅での暮らしを経て、シェアハウスに住んでいたKさん。1人暮らしということもあり、将来的に終のすみかにもなるような自分の住まいが欲しいと考えていました。都内の中古マンション購入を考え、職場の横浜にアクセスが良い物件を探していました。たまたまインターネットでスマサガのHPを見つけて、記事が面白かったこともあり、お友達とスマサガのセミナーに参加し下さったそうです。そして、物件探しをスタートすることに。

最初に内見したマンションのお部屋は、いわゆるよくある間取りだけど、陽当たりのいい南向きのあたたかそうなお部屋でした。

「室内は、予算次第でどうにでも変えられる可能性があるけれど、マンションの立地や陽当たりは変えられない、というスマサガさんのセミナーの言葉を思い出して。間取りは普通だけど、陽当たりの良かった南向きのお部屋を購入することに決めました」(Kさん)

1軒目に内見したマンションを購入することにしたKさん。「決まる時はすぐ決まるもの」と話されていましたが、お部屋の条件の他にも、決め手になったことがあったのでしょうか。

「立地が良かったことですね。築年数が古かったけど空き部屋がなかったし、賃貸には出さず実際の所有者が住んでる割合が多いマンションで。ご両親から引き継いで住んでる二代めの若いご家族が住んでいたり、昔から住んでいる方、新しい方など幅広い住民の方々が住んでいるのも良かったですね」(Kさん)

このマンションには、大規模修繕委員会以外にもマンション価値を維持するために活動するグループがあったり、住んでいる方々の愛着を感じるマンションでした。
立地の良さは、中古マンションの価値が将来的に下がりにくい重要なポイント。そして、実際の所有者が多く住んでいる物件は、管理体制もしっかりしている傾向があり、資産価値の維持にもつながります。

自分の理想の空間イメージが明確だった

陽当たりを最大限に生かした間取りに変更。畳ベッドを置いた寝室は引き戸を閉めれば個室に。

Kさんが購入した南向きのお部屋は、売却にあたってリノベされたばかりの物件でした。設備は新しかったのですが、陽当たりの良さが活かされていない間取りで暗く、内装もKさんの好みとは大きく違うものでした。「せっかく陽当たりがいいのに壁にさえぎられていた間取りだったので、1LDKのような開放感と明るさが欲しいなと思いました。あと、前に住んでいたシェアハウスの和の雰囲気が好きだったので、手持ちの木の家具とも馴染むような温かい素材感のあるお部屋にしたいなと」(Kさん)

「購入時のお部屋は、間取りや細かい箇所が使いづらそうで、ちゃんと暮らすことを想定しているのかなと思うほどでした。陽当たりも良いし、立地も良いマンションだったので、このままだともったいないなと感じました」(スマサガ設計デザイナー)

最初から自分が住みたいお部屋のイメージが明確だったKさんは、このリノベ済のお部屋をどうやって自分の暮らしや好みにフィットするように変えていくか、設計デザイナーとプランを詰めていきました。

使えるものはそのまま、好きで整えていく

まずは、暗かった部屋の壁を取り払い、窓からの陽当たりが部屋中に届くワンルームのような間取りに。Kさんお気に入りの木製テーブルに合わせて、建具や内装を温かみのある自然木で整えていきました。手持ちの家具に合わせたトーンにお部屋全体を作り込むことを優先し、水回りのリノベーションは最小限に。

タモ材が美しい造作家具。Kさんお気に入りのテーブルや椅子と馴染んで温かみのある空間に。

「当初は、リビングを見ながらお料理できるカウンターキッチンが良かったのですが、水回りは設備や位置を変えると予算がかなりオーバーしてしまうということで、既存を生かすことに。その代わりに調理台のカウンターだけは造作してもらったのですが、結果的にはそれでも大満足でした」(Kさん)

リビングを向いて料理ができるキッチンカウンター。来客時には料理も並べられて便利だそう。

リビング奥の書斎スペースには、3mほどの広々としたカウンターを造作しました。Kさんの手持ちの椅子に高さを合わせて設計したり、正面の壁をマグネットボードにしたりと機能面も工夫しています。

「将来的に仕事を終えることも考えて、広い書斎のようなカウンターが欲しいなと思っていました。日中は明るい日差しが入り、夜にはカウンター上の長いLEDのライトが間接照明のようで落ち着くんです。」(Kさん)

明るく開放的な書斎スペース。椅子や造作テーブルはカウンター下に収まるよう設計しています。

隣の寝室スペースに置かれた畳ベッドに、造作した障子が馴染んでいます。障子はカーテンのように洗濯しなくていいし、窓からの光も柔らかくくておすすめだというKさん。日中はベッドに寝っ転がって窓からの景色を眺めながらお昼寝したり、書斎で趣味の囲碁をしたり、キッチンのアイランドカウンターで料理をしたり。
お部屋のどこにいても光や風を感じられる開放的な間取りながら、その時々の気分や時間帯によって過ごせる居場所がいくつもある。そんな空間が出来上がりました。

「既存の設備やポテンシャルを活かしながら、そこに足りないものを部分リノベで作り足していくという考え方もおすすめなんです。最初から全てを変えなくても、予算も抑えながらでも、自分が過ごしやすい空間を作っていけるのがリノベならではだなと思います」(スマサガ設計デザイナー)

前に住んでいた家の雰囲気を障子や建具で表現したり、機能面で必要な収納スペースを増やしたり。Kさんの住みやすさを具体的に明確にしながら、調整を重ねてフィットする空間に整えていきました。

扉も障子に合わせて造作したもの。飾り棚の下は宅配便などの一時置き場としても便利だそう。

3年間、住んでみて思うこと

「家にいるのも好きだし、外に出かけるのも好き」というKさんにとって、住みやすい便利なエリアに、居心地の良い住まいを手に入れることができました。この家に住むようになってから、床になるべく物を置かないようにしたり、服も収納スペース以上に増やさないよう、心がけるようになったというKさん。家にいるのも、帰ってくるのも楽しくなったと話してくれました。

「初めてのリノベーションでしたが、やってみて本当に良かったと思っています。色々と制約がある中で変えていくのはやりがいがあるんだとスマサガさんも言っていて(笑)。リノベの打合せも、楽しく話していたらその中でうまく希望を汲み出してくれて設計プランが出来上がっていた、というような感じでした。住み慣れていくことで、私も家に馴染んで、家も私に馴染んでくれて。終のすみかとしてもずっと住み続けていけそうな、居心地のいい空間になりました」(Kさん)

Kさんの優しく楽しい雰囲気がそのまま空間になったようなK邸。気になった部分を少しずつ整えることでここまで住み心地を変えられる、部分リノベーションのイメージがさらに広がったK邸の事例でした。

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